7,必死
まだまだー!
本日二回目の投稿!
怒涛の勢いです乙夜選手!()
面白いと思ったら是非星の色付けををお願いします!
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名前:
種族:デメテルの使徒
メインジョブ:上忍☆
セカンドジョブ:闇魔術師☆
サードジョブ:NONE
レベル:300
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職業を急いで変更する。
ついでに何故か生えてきたサードジョブも設定しておく。
今はとにかく隠れられる術が欲しい。
今も、俺に気付いたらしいモンスターが俺のいた木を破壊していた。
急いで別の木に飛び移りながら、ステータスをいじる。
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《上忍》のクラスチェンジ先
‣晦冥
‣戦黯
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ネーミングの方向性がガラッと変わっているのは、人間から使徒とかいうものに変化しているのが関係しているのか。
漢字を見て、直感的に上を選ぶ。鑑定を使うまでもないだろう。
行き当たりばったり?どうせ、なるようになる。
<メインジョブを《晦冥》にクラスチェンジしました>
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《闇魔術師》のクラスチェンジ先
‣愚者
‣影魔術師
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なんだこれは?
木から跳び移りながら考える。
鑑定を使う。
個人的には、愚者が気に入った。だが、今選ぶべきは絶対に下だ。間違えてはいけない。
<セカンドジョブを《影魔術師》にクラスチェンジしました>
<ジョブスキルを獲得しました>
影。
気配を持たない、ただただそこに在るもの。
気配隠蔽と、新たに得た影魔法を併用し―――――完全に姿を消した。それと同時に、一切の動きを止める。これでもまだ安心できず、息を止める。
ざわめく森に、自分の存在を溶かす。森の一部になるように――――――。
下で、モンスターの戸惑う気配が感じられた。手ごたえは、ある。
まだ安心はできない。
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サードジョブの選択肢
‣愚者
‣戦黯
‣見習い戦士
‣見習い前衛魔術師
‣見習い後衛魔術師
‣見習い弓士
‣見習い僧侶
……
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なんだと。先ほど選ぶのを辞めた《愚者》が、此処でも出てきた。
じっと《愚者》の文字を見つめると、俺を取れと主張するかのように点滅する。
その下で点滅する《戦黯》は、目にも入らなかった。
自然と、口角が吊り上がる。
あぁ、いいさ。なってやろうとも。
こんな人外魔境の地で、生きあがく俺にまさにぴったりのネーミングじゃあないか。
生き残るためならば、俺は愚者になでもなってやろう。
<サードジョブを《愚者》にクラスチェンジしました>
<ジョブスキルを獲得しました>
手に入れたスキルは、《淘汰》。
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愚者は、賢者にはなれない。全てを極めることも、全てを守ることもできない。
汝が何かを望むのであれば、何かを捨てなければならない。
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***
―――動けない。
少し体を動かす。
葉が、こすれる音がする。
その瞬間、地上にいたカバのようなモンスターの顔がこちらを向いた。
見つめあう。
しばらくそのままでいると、モンスターは顔を戻し、地上を闊歩し始めた。
ずっとこんな感じで、身じろぎすらできないのだ。
正直詰んでいる。
どうやら、完全に動きを止めていれば、ギリギリ気付かれないようだ。
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名前:
種族:デメテルの使徒
メインジョブ:晦冥
セカンドジョブ:影魔術師
サードジョブ:愚者
レベル:1
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SP:60
武器スキル:
武具-----------
‣暗器Lv9
‣杖Lv1
‣剣Lv1
魔法スキル:
自衛-----------
‣闇魔法Lv9
‣光魔法Lv5
‣影魔法Lv1
回復-----------
‣二重息吹Lv9
‣光魔法Lv10
特殊スキル:
自衛-----------
‣暗殺Lv7
‣護身術Lv9
技能-----------
‣気配隠蔽 Lv9
‣気配察知 Lv9
‣魔力遮蔽 Lv8
‣魔力感知 Lv2
‣魔力操作 Lv8
‣潜影 Lv2
‣淘汰 Lv1
ユニークスキル:
‣貪欲ナル異端者 La 2
‣鑑定 La 2
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SPを振る。
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SP:29
武器スキル:
武具-----------
‣暗器Lv9
‣杖Lv1
‣剣Lv9(↑8)
魔法スキル:
自衛-----------
‣闇魔法Lv9
‣光魔法Lv5
‣影魔法Lv9(↑8)
回復-----------
‣二重息吹Lv9
‣光魔法Lv10
特殊スキル:
自衛-----------
‣暗殺Lv7
‣護身術Lv9
技能-----------
‣気配隠蔽 Lv9
‣気配察知 Lv9
‣魔力遮蔽 Lv8
‣魔力感知 Lv2
‣魔力操作 Lv8
‣潜影 Lv9(↑7)
‣淘汰 Lv9(↑8)
ユニークスキル:
‣貪欲ナル異端者 La 2
‣鑑定 La 2
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てっきり身じろぎの音に反応して俺の存在に気付いているのかと思っていたが、どうもスキルのせいらしい。
《潜影》は、止まっていないと効果が継続しないもののようだ。
気配隠蔽より使いにくい感じは否めない。
だが、レベルを上げたから恐らく止まってさえいれば気付かれることはないんじゃないだろうか。
そう思いたい。
それにしても、だ。
手詰まり。
それを感じていた。
倒すこともできるのかもしれない。だが、一体を倒したらその戦闘後に何体がやってくるか。
それを考えると、倒してレベルを上げることは最終手段にするべきだろう。
というか此処に来てしまう前にもっとレベルを上げておくんだった。そんな後悔が浮かんでくる。
強くなって喜んでいたついさっきの自分を全力でぶん殴りたい。
食べ物がない。水もない。近くに、食べられそうなものは見られない。
そもそも、降りれない。
八方塞がりだ。
――――どれほどそうして止まっていただろうか。
何の解決策も出ないままに、うとうとと微睡んでは覚醒するのを繰り返す。
「ぁ」
そしてついに。
最大のミスを犯した。
魔力切れ。
理解していなかったが、どうやら気配隠蔽も魔力遮断も、潜影も魔力を使っていたようだ。魔纏も。
気配隠蔽と魔力遮断だけであれば、自然回復と二重息吹の回復量が魔力の使用量を上回っていたためにずっと使えていたが、潜影に魔纏を使い始めたせいで、魔力の使用量が回復量を超え、それに気づかず使っていたために、遂に今魔力が切れたということだ。
つまり、だ。
一切のスキルが切れた状態で、俺は姿をその場にさらした。
「ゴアァアァァァァアアァアアァアァ!!!」
「クルアァァアアァァァ!」
「ヴェエエエエエエエエエエエエエェェ!」
たちまち、木の下に大量のモンスターが集まる。
奴らが挙げる咆哮で、さらにモンスターが呼び寄せられる。
何重ものモンスターの眼がこちらを見つめる。血走った目に、背筋が凍る。
冷や汗が止まらない。
身体が、勝手に震えだす。
格の違いを、存在としての大きさの違いをまざまざと感じさせる。
嫌な予感がうなじを走った。
木から跳び移る。
次の瞬間、居た木がなぎ倒された。
休むことなく、木から木へ跳び移る。
しばらく鬼ごっこが続き。ふと、モンスターの悲鳴に目をやれば、フェミンキーがカバのようなモンスターの口の中に消えていくのが何故かはっきりと見えた。
「そのまま全滅してくれればいいのに……」
それが叶わない希望であることはわかっている。というか、それはそれで蟲毒みたいになりそうで怖い。
とりあえず今は、気配隠蔽だけを使って魔力を回復させる必要がある。
少しの間木の上を転々とする。
どうもモンスターどもには知能があるようで、だんだん俺の跳ぶ先の木がなぎ倒されるようになっていっている。緊張感で汗がやばい。胃がキリキリする。それに、集中力が切れてきた。
疲れた。止まりたい。柔らかいベッドで眠りたい――――――。
だが、絶対に止まってはいけない。止まれば、それが最後なのだから。
時間稼ぎの間に回復した魔力で、再び気配隠蔽を使う。
それでも俺を追ってくるモンスターと、俺を見失ったのか、周りのモンスターに襲い掛かったり、その場から全力で逃げたりという硬度を見せるモンスターに分かれる。
というか、何故ここまで俺に夢中になるんだ?
周りにいるモンスターも餌なら、わざわざ俺をここまで狂ったように追ってくる意味は何だ?
知能のあるモンスターが、他の敵に背を向けてまで俺を必死に追うのは何故だ?
答えの出ない問いが、頭の中を巡る。
ずっと全力で走っていたら、モンスターは減っていった。
一瞬だけ潜影も使って、完全に追ってを振り切ってから、潜影を切る。
取りあえず、魔力を回復させないと。
少し、体と頭を休めよう――――――。
***
このまま下にスクロールして、星を五つ黒くすればお仕事完了ですよ!
では、また次回にお会いしましょう!!アデュー!!