55,因縁の焼き鳥
どーにもスランプです!
上手く文章がかけない!グッダグダになってしまったので修正はいる可能性は高めですが、お待たせしました次話をどうぞ!!
「……そもそも、ギャザールって街はブルーフェニックスとの契約から成り立っているんだ」
力なく切り株に腰掛け。
そんな言葉から、ジェームズの話は始まった。
「そもそもさ、今まで疑問に思ったことはないのかい?」
「何がだ?」
「ギャザールという街の、危険性についてだよ。かの街の地理的位置は、正直に行って危険に過ぎる。そのことは、君も分かるだろう?特に、今回のスタンピードでそれを身をもって知ったはずだ」
「……スタンピードを起こしたのは、お前だったのか?」
「今話していたのはそこじゃないだろう。まあ、今更取り繕うつもりもないけどね。そうだよ、今回のスタンピードは計画的なものだ。僕が首謀して、ギャザールという街は今日を持って消滅するはずだった」
「ガルム達を、スタンピードが起こるとわかっている<絶望の森>に調査にいかせた理由は」
「邪魔だったからだよ。【炎握】の所のメンバーは特に籠城戦に強かったからね。不穏分子は取り除くに限るだろう?」
「……そうか」
俺は、一度瞑目してから、ゆっくりと頷いた。ジェームズの言葉を、噛みしめる。
不思議と、怒りは沸いてこなかった。
「話が脱線したね。ギャザールなんて不自然なものが存在して、しかも栄えている理由。それは、ブルーフェニックスとこの国の王の契約が根底にあるからなんだ。因みにこの国の初代国王のことは知っているかい?」
「全く」
「まあそうだろうね。……かの御仁は、どの歴史書、口伝を探しても必ず褒め称えられているぐらいには優秀だった。そもそも、この国が誕生した理由がその人だしね。まあ、あんまり今の話には関係ないからどれくらいの非常識なご活躍をなさってきたのかはある程度省略するよ。とりあえず重要なのは、知略と武力に特段秀でた初代国王でも、一切歯が立たなかった相手。それが、ブルーフェニックスなんだってことだ」
「……戦ったのか?」
「いや、戦うなんてものじゃなかった。蹂躙、そう当に蹂躙だ。ただ圧倒的な力の前に散らされていくことしか出来なかったんだ。この国創生時の武力最高峰を持ってして、ね。国王は、早々に勝つことなど諦め、被害を少なくすることに奔放なさることにした。その結果が、契約だ」
「……どんな」
「ブルーフェニックスの出した条件は、断ることができないという条件下においては割合良心的だった。奴に良心なんてものが存在するかは別としてね。奴は、恒久的な生け贄を要求したんだ」
「何のために?あいつが人肉なんて食べるようには思えないんだが」
「さあ、ね。奴隷的な扱いなのかもしれないし、案外珍味的な扱いなのかもしれない。それは、僕らにはあずかり知らぬことさ。ただ一つ言えるのは、無謀に奴と戦うよりは、契約を結んでしまったほうがよっぽど賢い選択だったってことだ」
「まあ、そうだろうな」
「だから勿論、国王様も契約を交わした。但し、条件を付けて。――凄いよね、一方的に頷くことしか出来ないような絶対強者に対して、唯々諾々と従うんじゃなくて何とかやりくりしようとなさったんだ。一言間違えたら全て台無し、血に沈むような場面で、それでも国王様はひとつの条件を付けた」
「……どんなだ?」
「『貴族が一門、汝が餌として定めよう。ひいては、部外の者に触れるな』。こんな挑戦的な言葉だったかはわからないけど、内容としてはこんな感じらしいよ。まあ、もうわかるよね」
言葉を切ったジェームズは、もはや俺を見てすらいなかった。ただ、無言で僅かに見える空を仰ぐ。
その目の奥に澱む感情は、複雑すぎて俺に読み取ることなどできない。
その口が、開かれ。
――――ッ……!時間切れか。
ジェームズが見上げる先、遥か彼方から恐ろしい速度で飛来するブルーフェニックスを探知した俺は、すぐさま気配を隠す。
そんな俺にも気づかず、舞い降り来るブルーフェニックスに一瞥をくれたジェームズが、厳かに謳った。
「……ブルーフェニックスが贄へと、生み出された一門。メディチ家現当主ジェームズ=メディチが、この時を以て契約を履行する」
『貴様が一門、他に親類なし。此処に、契約を』
***
それは、まるで王都で流行っている悲劇のような光景だった。
恭しく傅く一人の貴人を、悠々と睥睨する紺青の怪鳥。
不死鳥が圧し折った木々の隙間から、どんよりと滲む暗雲が、重く世界に圧し掛かる。
定められたかのような順序で、男と化け物は契約を口遊む。
確かめるような、探るような応酬が、途切れることなく不気味な森に木霊し消えていった。
【佳境、それは男の死境。畢竟、そこは命が燃え消ゆ秘境。悲境に嘆く境地にもあらず、只順境に事は成る】
流麗と名高い吟遊詩人が、声色震わせ詠った、古の悲嘆。
二番煎じが如く、厳然と進む契約が、今、相成った――――――。
「すまない、アート、アリア」
口の中で呟かれたとある男の懺悔は、誰の耳に届くこともなく、虚しく口腔を震えさせた。
***
目の前で、ジェームズが消えた。
……儀式らしきものに乱入してでも止めるべきか、迷いはした。
だが、動けなかった。
そも、体を動かすことができなかった。
――何だったんだ、今のは。
まるで、ハデスと対面したときのような、異常なほどの拘束感。
それに呆然としながら、ただ俺はジェームズが光となって消えてゆくのを、見守った。
目の前には、目を閉じて微動だにしない、憎き仇敵の姿が。
……っと。
光が完全に消えたのと同時に、圧迫感が掻き消えた。体の自由が戻る。
試しに手を握っても、一切の違和感は無し。
ならば、することは一つだけ。
今度こそ、このクソ鳥をぶっ潰す――――――――。
「強き者よ」
「ッ……。お前、喋れたのか」
――――何故バレた?
決意を新たにした矢先、その燃える目をまっすぐにこちらに向けて開いたブルーフェニックス。
その見た目で俺らと同じ言語を操る様子に、思わず俺は言葉を返したのだった。
乙「そういえば、このお話も随分遠くまで来たよね。はじめ投稿するときは10万字行くなんて思ってなかったんだし」
ベ「急な懐古厨だがどうした?」
乙「いや、最近完全に執筆から離れてたから、ふと色々自分のホーム見てて感慨深くなったんだよ」
ベ「ふーん。…………オチは?」
乙「無いよ!?しみじみしてる所に何を求めてるの!?」
沢山のブクマいいね感想星、本当にありがとうございます、心の支えです!
今のところ「無双(は?)」って感じなので、3章こそ……と思いつつのんべんだらりと執筆していきますので、どうぞ(。ゝ∀・)ゞヨロシクゥ♪




