45,お願い
すみません、突然ぶち込みます!!
※割り込み投稿に失敗したので投稿しなおしです!
「ベルさん、お願いがあるの」
厄介事は、終わらない。
殲滅依頼を終えてギルマスに報告を終え、帰ってきた俺のもとに舞い込んだ依頼は、ミーナからのものだった。
いつも通り食事を終えて片づけに行った俺に、いつになく真剣な顔でそう告げたミーナ。
「で、お願いってのは」
用事などがすべて終わってから、俺は一階の奥の部屋に案内された。
そこには、すでにギアが待っていて、その隣に並んだミーナが、酷く真剣な顔で言った。
「……お母さんを、助けてほしいんです」
「……話を聞かせてくれ」
***
ミーナの話によると、数年前からミーナの母が病気で寝込んでいるらしい。
そういえば確かに母は見たことなかったな。
それに、今見れば奥に動かない気配が一つある。
そして、母の病気を治すための当て自体はできたが、薬の材料が足らないらしい。
「材料を、取ってきてほしい」
「……別に俺である必要もなさそうだが」
「実は、その材料というのが、取りに行くための難易度が凄く高いらしくて、今まで誰も依頼を受けてくれなかったの」
話によると、混沌の森と絶望の森の境目あたりにのみ生息する、特別な植物の蔓が必要らしい。
……それは無理だろうな。
絶望の森に面しているところに行く時点でほとんどの人は断るだろう。
童謡や昔話ですら恐怖の対象として語り継がれる伝説の森だからな……。
「わかった。依頼を受ける」
「――ッ!?ほ、本当ですか?」
「そんな詰まらない嘘はつかない」
俺にとっては、大した苦労でもないし、此処の宿には散々お世話になっている。
ここいらへんで恩を返しておくべきだろう。
「……助かる」
「いつもの美味しい飯のお礼だとでも思ってくれ」
ずっと口を一文字に引き結んで押し黙っていたギアが、一言漏らした声に、そう返しておく。
実際、俺がこの世界で初めて食べた美味しいごはんというのが、ギアの作った飯だ。
「ちなみに、何日以内とかはあるか?」
「うーん、そこまで直ぐとは言わないけど、出来れば1ヵ月以内には欲しいかな」
「分かった。まあ早めに行ってくる」
どうやら、それ以降になると医者が滞在できなくなって帰ってしまうらしい。
特に予定もなかった俺は、絶望の森へと再び向かうことを決意したのだった。
***
「……随分と久しぶりな気がするな」
次の日、5時間ほど走ったのちに混沌の森へとたどり着いた俺は、鬱蒼と茂る木々を見上げながら、そう独り言ちた。
「さて、行くか」
あらかじめ、俺が採集する植物の特徴は聞いてある。
それでなくとも、混沌の森と絶望の森との境界という、特殊な環境に生えている植物は大して多くないようだが。
「とりあえず、練習がてら行くか」
最近実戦が足りていなかったのもあり、俺は進行方向にいる敵は倒していくスタイルに決めて、一歩を踏み出した。
***
「弱い」
最近めっきりと上がらなくなったとはいえ、おそらく可笑しいほどに上がっている俺の隠密能力を、たかが混沌の森程度の魔物が看過できようはずもなく。
ただただ走りながら急所を狩っていく作業ゲームと化していた。
ただ、何故かやってもやっても魔物が減らない。
記憶がそこまで残っているわけでもないので曖昧だが、俺がいた時よりも魔物の数がかなり多い気がする。
手ごたえがないのなら、隠密を解けばいいのではと思うかもしれないが、正面から戦ったところでどのみち相手にならない。
あの、大太刀の男を倒すときも、かなり身体能力は抑え目で行ったしな。
俺の場合、ステータス値が高すぎて、本気の全力でいくとまったく戦闘にならないのだ。
“争いは、同レベルの相手としか生じない”みたいな名言があったが、まさにそれだろう。
絶望の森の魔物ですら、今の俺の敵ではないのだから、いよいよもってSランクに合わないと本気で戦うことは望めないのかもしれない。
強く、なりたい。
***
「おし、これか」
サクサクと同中の敵を駆除しながら進んでいき、特に何事もなく絶望の森の入り口付近までやってきた俺は、すぐにお目当ての植物を見つけた。
「パラシティブ、だっけか」
たしか、そんな感じの名前だった。
コイツは魔物ではないが、半自動的に外敵を攻撃する性質を持っていて、しかもその攻撃が割とえげつない。
甘い匂いの猛毒をあたり一面にまき散らすのだ。
しかも、蔦で絡みついて動けないようにしながら。
これで魔物でないと聞いたときは、何が魔物なのかと思ったが。
この植物、どうやら魔力ではなく、魔物たちの排せつ物を栄養源としているらしい。
随分と特殊というか、魔物ありきな植物だが、こうして大量にいるということは、そのやり方で成功しているのだろう。
「《裂空》」
サクッと剣を一振りして、草刈りをするだけの簡単なお仕事。
大量に集められたし、さて、帰りますか。
***
「ありがとう、ベルさん!!」
「…………有難う」
「ああ」
全身で喜びを表しながら抱き着いてきたミーナに少し驚き、反射的に迎撃しそうになったのを抑えて、巌のごとく表情を動かさないままお礼を言うギアに返事を返す。
さて、ここからは俺の仕事ではない。
依頼料をもらって、また鍛錬でもしますか。
ああああ、もう…………。
なんだこのgdgd物語はあぁぁぁぁ……。
と、涙目になりながら別の物語に逃げている乙夜です。すみません……




