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33,後ろ盾

ブクマが遂に100を超えました!

読者の皆様のお陰です、ありがとうございます!!!!!!

歓喜して例のごとくマウスが吹き飛びました。


後、新作を始めました。

基本そちらはごくまれに更新する程度ですが。

興味があれば、読んでみてください。


https://ncode.syosetu.com/n4154he/

転生悪役令嬢の、恋患い~されど想いは、秘めるもの~尊すぎる推しは、可愛いヒロインと結ばれるべきなのです!私の脇役道を邪魔しないでください!



今回短めです。

短剣を受けとる。


「ありがとう、ございます。……これは?」

「その短剣には、我が家の紋章が刻まれている。それを持つことは、我が家が君の後ろ盾となっていることを証明することになる」


言われて、俺は受け取った短剣を眺める。


黒い柄にあしらわれた、緻密な彫刻。

そして、黄金の鞘に刻まれた、複雑な絵。


その絵に、何か奇妙な既視感がある。

眉根を寄せて考え込む俺に、ジェームスは何か面白いものを見る目で饒舌に告げる。


「その鞘に刻まれているのが我が家の紋章だ。それは、遥か昔からこの土地、絶望の森から国を守るためにあるこの地を守り抜いてきた我が祖先が、殿下より授けられた紋章で、絶望の森に居るとされる不死鳥をモチーフにしているのだけど……見覚えがあるのかな?」

「……いえ」


不死鳥……。あのクソ鳥か!!


散々俺を苦しめてくれたクソ鳥が、こちらでは紋章になっているとは。

奇妙な縁もあるものだ。


内心ではクソ鳥へのどす黒い思いが渦巻いていようとも、顔や仕草には出さない。

知っているのは不審がられるだろうしな。


そんな風に表情を殺す俺を、僅かな狂気の宿る、二つの目が見つめていたことには気付かず――。



「ふーん……。まあ、いいか。何かあったら、その短剣を見せれば、大抵の相手は黙らせられると思うよ。但し、悪用しようものなら……分かってるね?」


途端に襲い掛かる重圧。だが、流石にこれくらいなら一切堪えない。

眉ひとつ動かさずに即答する。


「勿論です。権力を盾に横暴を通そうとする貴族相手ぐらいしか使うつもりは有りませんので」

「そうだね、それが良い。そういう輩には特に刺さるだろう」


ということで、有難く短剣を戴く。

人格的にも問題なさそうな貴族と、繋がりを持てた。これは、大きいだろう。

少しぐらいなら派手に動いても、最悪この短剣がどうにかしてくれる。


まあ、迷惑をかけるつもりも、権力に頼りっきりになるつもりもないが。



「じゃあ、友好の証として、一緒に夕食でもどうだい?」


***


「この度は娘を助けていただき、ありがとうございます」


夕食の席には、ジェームスの妻と名乗る人物も登場した。

細く,儚げな雰囲気のその女性は、自らをアート=メディチと名乗った。


…………なんだかなぁ。


どうも、気になる。何か、喉の奥に小骨が突っかかっているような。


まあ、気にしてもしょうがないか。



「じゃあ、メディチ家の料理、たんと食べていってね」

「ご相判に預かります」


赤いカーペットの部屋に、大きな長机。


その上に、所狭し――――というほどではないが、それなりの数の料理が並べられている。

ホカホカと湯気を立てているそれらは、作り立てであろうことが見て取れた。


「召し上がれ」


***



「―――ところで、ベル君。君は一体、何者かな?」


粗方机上の料理が片付いたあたりで、ジェームスが不意にそう疑問を投げかけた。


「――C級冒険者です」

「何を訊きたがっているのかは、察しているだろう?」

「……まぁ」


どうせギルマスが余計な報告でもしてたんだろう。

予想はついていたので、動揺はしない。


「……何者、と言われましても」

「ふむ、それもそうだね。……うーん、何と訊けばいいのやら」

「発言してもよろしいですか?」


そこで声を上げたのは、静かにしていたアートだった。


「うん」

「ベル様、貴方は―――――」


物凄く嫌な予感がした。

《直感》が、この先を言わせてはいけないと警鐘を鳴らす。


「――――――人間ですか?」


***


「――――――人間ですか?」


アートの目をじっと見る。

何を思ってその発言をしたのか。


その青い瞳からは、何も読み取れない。


なんであれ、その質問は不味い。

俺がとれる選択肢は限られてくる。


「――――申し訳ありませんが、私自身の質問に対しては、守秘させていただきたく」


ジェームスが面白いものを見る目でこちらを見てくる。


黙秘。

殆ど認めているようなものかもしれないが、明言をしない、つまり言質を取られないようにすることは大事だ。


それに、この答え方であれば、他に疚しいところがあって、それを隠すために質問全てを拒否した、とも見えないことはない。



「うーん、まあそうか。冒険者だしね」

「お気に障られたのなら申し訳ありません」

「ああいえ、お気遣いなく」


若干変になった空気を取り戻すかのように、再びジェームスが口を開く。


「でも、冒険者にしては教養があるよね?普通の冒険者は、貴族の在り方を問われて即答なんてできないと思うけど」

「……力を持つ者の責務を忘れることは、赦されませんから」


答えになっていない答えを返す。

何故そんな言葉が出てきたのか、自分でもわからなかった。


ただひとつ言えることは、ジェームスが目を細め、こちらを見て笑みを浮かべたということ。

どう解釈したのかは分からないが、もしかしたら俺をどこぞの貴族だと勘違いしているのかもしれない。




ふと、アートの手が目に入った。

違和感が強くなる。



あかぎれをした、()()()()()だった。



ムムッ!

しゅじんこう は なにか に きづいた ! 

てってれー!

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