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2,悪猿

すみません投稿する部分間違えました!

お話が繋がっていないことに気付いた時の絶望感……。


調整のため、今回ちょっと長めです。


誤字、脱字報告有りましたらコメントでお願いします。



ウキウキ。

「逃げるが勝ちぃ!」


訳のわからないことを叫びながら、遂に走り出すことを決めた。


「ってはっや!!」


滅茶苦茶速かった。俺も、化物も。


正直、木を避けれているのは奇跡に近かった。

更に、全力で走っている弊害か、足も再び痛みを訴えだした。


「セーフエリアねぇのかよ!?」


有るわけがないことを知りつつも叫んでしまう。


「「「GYjDNASAjAoAz!!」」」

「GYUREAAAAAA!!??」


「今度は何だ!?」


先ほどから追いかけてきている化け物の悲鳴のような咆哮とともに、聞き覚えのない叫び声が聞こえる。


しかも複数。

後ろを向く余裕なんてないので、音だけで判断する。


どうやらあとから来た何かが恐竜っぽい化け物を攻撃しているようだ。


「頼むから相討ちでもしてくれよ……!」


決着は一瞬でついた。


恐竜の悲鳴がか細くなり、途絶える。


それと同時に、俺の横を、風が通り抜けた。


「ッ!!!」


風ではなかった。


ぽろり、と。

顔の横から

ナニカが落ちた。


「ぐっ………っってぇなぁあ!!」


一瞬見えた茶色い塊は、おそらく今の一瞬で俺の耳を切り落としていったのだろう。


続いてもう片方も。

今度は右の指がいかれた。


急所は狙われない。

理解した。


こいつらは、俺で遊んでやがる。



必死に生き足掻く俺を嘲笑うように、アキレス腱を切られた。


無様に倒れる。


「FJXMSOSJCI♪」


楽しそうに嗤う声が、俺の回りを取り囲んだ気配がした。


見る見るうちに俺の身体は無残に切り刻まれていく。


痛みに叫ぶ余裕もない、まさに嵐のような攻撃、しかも手加減付きと来た。


諦めるしかなかった。


俺は、ゆっくりと目を閉じーーーようとして、見えた。


俺の手の中にある、薄く発光する尖った石のようなものが。




殆ど無意識だった。あるいは、だからこそ出来たことなのかもしれない。


唯一無事だった左手首で、石を飛ばした。



石は、驚くほどすんなりーーーーー。



奴の首を貫通した。



―――――は?



恐らく、その石が見えてなかったのだろう。


突然倒れた仲間に、動揺する気配が伝わる。倒れこんだ死体に、周りの猿どもの視線が集中する。


誰も、俺を見ていない―――――――!

血が入り込み、半ば見えなくなった視界でそれを確認する。



《気配隠蔽》


すぅっと、俺のからだが土の中に溶けていくようなーーそんな錯覚に陥る。



気配隠蔽が、どれ程の効果を発揮するものなのかは分からない。


だが、俺の方を振り向いて困惑してる猿どもを見てみると、どうやら奴等には俺が見えていないようだ。


仲間を殺された恐怖からか、ろくに俺を探しもせず、直ぐに風の様に去っていった。



「助かった……のか……?」

去っていく茶色い塊を呆然と見送りながら、俺は呟いた。


<フェミンキーを殺害しました>

<レベルが上がりました>

<メインジョブ《盗賊(シーフ)》がクラスチェンジ可能になりました>

<スキルを獲得しました>



俺の独り言に反応したのは、脳内に響く鑑定スキルのアナウンスだった。


「ん……?なんで鑑定スキルだと……」


自分の思考に疑問がわく。


「んー……自分の持ってるスキルの情報が自然と頭の中に入ってる……これも鑑定スキルのおかげなのか……?」


不可思議なことばかりだが、こんな死地で考察をする時間はおそらくないだろう。


先程のは奇跡なのだ。

二度も奇跡に頼れるとは思わない方がいい。


そう自分を戒め、俺は立ち上が――――れないことに気づいた。



「あ……まじかぁ、レベル上がったんなら全回復できる仕様にしといてくれよ……」


未だピクリともせず、ちぎれかかっている四肢に文句を言うが、正直これもうどうしようもない。

詰んでる。痛みは、恐らく脳が遮断している。


自然治癒ができることを信じて、そして今俺が使っている気配隠蔽&魔力遮断がここのモンスターどもに通用することを信じて。


俺はあきらめて取りあえずステータスを開く。


――――――――――――――――


名前:

種族:人間

メインジョブ:盗賊(シーフ)

レベル:50(MAX)


――――――――――――――――

―――――――――――――――――――


SP:15(↑10)


武器スキル:

 武具-----------

   ‣暗器Lv1


特殊スキル:

 自衛-----------

   ‣暗殺Lv1


 技能-----------

   ‣気配隠蔽 Lv5

   ‣魔力遮蔽 Lv1



ユニークスキル:

   ‣貪欲ナル異端者 La 1

   ‣鑑定 La 1

―――――――――――――――――――

―――――――――――――――――――


EP:5(↑5)


基礎値-------


STR;2

ATK;0

VIT;0

DEF;0

INT;1

RES;1

DEX;2

AGI;5

LUC;2


―――――――――――――――――――


メインジョブの部分が点滅し、存在を主張していた。

タップすると、画面が切り替わる。


――――――――――――――――――――


盗賊シーフのクラスチェンジ先

 ‣暗殺者

 ‣下忍


――――――――――――――――――――


選択肢は二つ。

説明を見ると、暗殺者は殺しの方向に秀で、下忍は情報収集やハイドに優れているようだ。


「正直、殺せる気がしないんだよなぁ……」


あの猿は一撃で死んだ。

確かにそれを見れば、簡単に殺せそうに思える。


だが、本当にそうか?


一番怖いのは、レベルが1から50にまで上がっていることだ。

あの猿一体を倒しただけで、だ。


つまりそれは、この森一帯が、そういったレベルのモンスターたちの巣窟であることを示唆している。


あの猿は、完全にスピード型だった。


もしあれが、特別に防御力のないモンスターなだけだとしたら?

特に、最初に出会った恐竜型のモンスターは、明らかに頑丈だと分かる鱗を身に纏っていた。

もし、あんなのに遭遇したとき、殺すことはできるのか?


正直、厳しいと思う。

杞憂であればいい。むしろそうであってほしい。


だが、杞憂でなかった場合、俺はモンスターに対する対抗策をほとんど失うことになる。


それは――怖い。

勿論、通用するしないで言えば、気配隠蔽だってそうだ。偶々あの猿どもの索敵能力が著しく低い可能性だってある。

さらに言えば、今のままだって猿には気配隠蔽は通用した。クラスチェンジしたところでスキルが消えるわけでないのであれば、今すぐどうこうというわけにはならない、はずだ。

響くのは、将来。


だから、これは選択なのだ。

俺の未来をつかむための。



「……ふぅ……」


血が明らかに足りていない。頭がくらくらする。

震える手で、俺は下忍を選択した。


<メインジョブを《下忍》にクラスチェンジしました>

<ジョブスキルを獲得しました>


――――――――――――――――


名前:

種族:人間

メインジョブ:下忍(new!)

レベル:1


――――――――――――――――


―――――――――――――――――――


SP:15


武器スキル:

 武具-----------

   ‣暗器Lv1


魔法スキル:

 回復-----------

   ‣二重息吹Lv1(new!)


特殊スキル:

 自衛-----------

   ‣暗殺Lv1

   ‣護身術Lv1(new!)


 技能-----------

   ‣気配隠蔽 Lv6(↑1)

   ‣魔力遮蔽 Lv2(↑1)



ユニークスキル:

   ‣貪欲ナル異端者 La 1

   ‣鑑定 La 1

―――――――――――――――――――


「っは、ご都合主義万歳―――――」


霞む目で、新たに生えた回復魔法の項目を眺めたあたりで、意識が遠く―――――。



<状態《気絶》《瀕死》を確認。隠しスキル《起死回生》が発動します>


――――――――――――――――――――――――。




乙夜「ご都合主義ばんざーい!(洗脳済み)」

猿ども「ウキーーーーー!(ご都合主義ばんざーい!)」

   「ウキッウキッ!(ご都合主義で何が悪い!)」

主人公「なんだこいつら」



いやだって、ねぇ?才能もない初心者が、いきなりご都合主義じゃないラノベなんて書けるわけが、ねぇ?(偏見)


前書き、あとがきは大体こんな感じです。うざかったら読み飛ばしていただければ。


ではまた次回。

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