24,アラルダート
総合10000PV突破ぁ!!!!!!!!!
ディスプレイでマウスが狂喜乱舞してます!!
前回のあらすじ:絡んできたヤンキーに殺気をプレゼントした。
「俺に何か用か?」
「―――ッ!ひ、ひぃっ!」
おいちょっと待て、そんな強い殺気を送った覚えはないぞ。
なんでそんな死にそうな顔してんだ。汚いから漏らすんじゃない!
軽く殺気をぶつけただけでガタガタと震えて使い物にならなくなってしまった男は放っておいて、後ろでニヤニヤしていたやつらに話しかける。
「おい、何の用なんだ?」
「はぁ!?おい、てめぇ何しやがった!」
「ギルド内で手ぇ出すんはご法度やろがぁ!」
うーん、酷い。
顔がビビりまくってますが。そんな威勢よく啖呵切っても、その顔だとな……。
てか、手は出してないぞ?
「ギルマスー」
「おいおい、何の騒ぎだぁ?」
丁度ギルマスが下りてくる気配がしたので呼ぶと、胡乱な目でこちらにやってきた。
既に逃げ腰のヤンキーもどき。
「いや、俺がBランク依頼を受けようとしたら声をかけられたんでな。何か用か?って訊いたら、怯えてこの有様だ。全く、何があったんだか」
「……随分と白々しいなお前。誤魔化す気ないだろう……。まあいい、大体事情は察した。どのみちこいつらは普段から素行が悪くて問題になってたんだ。丁度いい、お前らもこっちにこい」
お前ら“も”。これは、ギルマスが出てきた部屋に、3人の気配があるのと関係があるのだろうか。
この3人の気配、微妙に覚えがあるような気もするが、まあいいか。
「ああ、ギルマス、少しだけいいか」
「ん?何をするんだ?」
ヤンキーもどきを連れて行こうとするギルマスに一言断ってから、ヤンキーに脅しをかけておく。
ついでに、野次馬にもだ。今後、同じように絡まれるのは御免だからな。
こちらを睨みつけているヤンキーの一人に目標を定め、目の前で気配を消して後ろに回り込み、首に人差し指を当てて囁く。
ついでに悲鳴を上げられるのも耳障りなので、口を塞いで。
「お前ら程度いつでも殺せた。喧嘩を売るなら、相手を選ぶことだな」
「ッ!!」
それと同時に、野次馬どもにも本当に薄く殺気を飛ばす。
これで警告ぐらいにはなっただろう。
本当に殺すつもりはないが。
ギルマスよ、そんな呆れた顔で俺を見るんじゃない。
必要な処置だろうが。
「あんまり虐めてやるな。ほら、行くぞ」
ヤンキーもどきは、一切の抵抗を見せることなくギルマスについていった。
ギルマス、そんなに恐ろしいものか?
というか一つだけ言いたい。
ヤンキーども、俺は多分お前らより年上だ!
***
色々と余計な妨害が入ったが、今度こそ依頼を受けるとしよう。
「この依頼を受けたい」
「ギルドカードを見せていただけますか?」
ギルドカードの提示を求められたので、カウンターの上に手をかざし、手の影からギルドカードを出す。
こういう遊び心ってのも大事だと思うんだ。いや、中二病じゃあない。
「……これでいいか」
「何処から……?いえ。確認しました、Cランク冒険者のベルさんですね。この依頼についての説明は必要ですか?」
「ああ、頼む」
説明が聞けるなら、絶対に聞いておいた方がいいだろう。
情報は、武器だ。
「今回の依頼は、アラルダート10体の討伐が必要です。アラルダートというのは、粘着性の液を吐き、拘束したのちに獲物を発達した顎で捕食する、巨大な蟻のことです。アラルダートの胃には、その粘着性の液が溜まっており、この液の回収が今回の依頼となっています」
「了解」
説明と注意を聞き、問題なしと判断して依頼を受けることにする。
「アラルダートは、北の方にあるローレル平原に巣をつくっています。多数に囲まれるとすぐに死にますので、注意してくださいね」
「ああ」
群生地も聞いたし、依頼達成期間もそこまで短くない。
のんびり行ってきますか。
***
のんびりとは言えども、俺のAGIは高い。
軽く走って北に向かっていたが、結構すぐについてしまったな。
丘はあるが、基本は何処までも広がる見渡しのいい平原だ。
気配察知の範囲を広げる。
今までやったことの無かった、地下の方に。
見れば、大量の気配が、地下に点在している。
忙しなく蠢いているこれらが、恐らくアラルダートだろう。
「蟻なんだから地下に巣があるだろう」という俺の安直な考えは間違っていなかったわけだ。
巣の入り口が遠くに見えたので、そこまで移動する。
道中牛の様な魔物がいたが、襲い掛かっては来なかった。
非アクティブな魔物もいるんだな。
***
ただ殲滅するだけなら簡単なんだが、生憎と今回は素材が必要だ。
なので、巣から誘き出さないと余計な手間が増えてしまう。
どうやってアラルダートを巣の外に誘い出すか。
前に、蟻の巣に水や熱湯をかけても蟻が出てくるわけではないと聞いたことがある。
蟻の巣が広すぎて、全然水没することはないのだとか。
まあこいつらにそれが通用するのかはわからないが、まずそんな量の水を持ってこれない。
なので却下。
ああ、今度水魔法や火魔法も覚えたいな、と関係ないことが頭に浮かんだ。
食べ物を置いて引き寄せる案は、まずアラルダートの嗅覚がかなり悪いので却下。
使わないものは退化する、生物の神髄だね。
結局は、魔法だよりだ。
やることは簡単、魔物のとある性質を利用する。
そもそも魔物と普通の動物の違いは、とある性質にある。
動物は肉や草などを食べるが、魔物はそれに加えて純粋な魔力を餌にすることでも生きられるのだ。
というか魔力は大好物と言えばいいのか、魔力を見つけると狂ったかのように食べに来るらしい。
ただし、ここでネックなのが、純粋な魔力であるという点。
純魔力と呼ばれるこれは、人工的に生み出すことは極めて難しい。
純魔力というのは、すべての生物の体内に宿る魔力であり、それ自体をつくることは不可能だ。
それをつくれるとしたら、まさに神のみだろう。
そして、魔法という技術があるように、人間と、一部の魔物は純魔力を体外に放出することが出来る。
ただし、それは純魔力ではないのだ。
人間は普通魔法を使うとき、体内の純魔力を色魔力というものに変換してから、魔法を放つ。
これは、純魔力に比べて色魔力の方が圧倒的に魔法への適応性が高く、魔法を形作りやすいのが原因だと言われていて、人間がそのことを本能的に理解しているせいで無意識のうちに色魔力へと変換をしてしまうのだという説が有力だ。
故に、純魔力を体外に放出することは困難。
俺はこの純魔力で、あいつらを引き寄せたいわけだ。
だが、体内にある魔力を感知できる範囲はそこまで広くなく、地下にいるアラルダートは俺に反応していないことから、俺の体内の純魔力を感じ取れる射程範囲外だと分かる。
体外の純魔力は体内の純魔力に比べ、体というフィルターが無いからか、感知できる範囲が桁違いに広い。
つまり、撒き餌にして使うには、体外にある純魔力の方が格段に向いているのだ。
そして、繰り返すが、純魔力を体外に放出することは困難。
そう、出来ないわけではないのだ。
最も難しい技術として魔法使いにとっての壁であり、到達点とまで呼ばれるこれを、俺は勿論出来てしまうわけで。
長々となったが、要するに、“超難しい技術を使ってアラルダートを呼び寄せますよ(ドヤァ)”
ということなのだ。
説明回になってしまった感じかなぁ……。
物足りなかったら申し訳ありません。
毎日投稿してるってことで許して……!m(__)m
また次回~




