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1,転移

初めまして。乙夜 然と申します。m( __ __ )m

ラノベをかくのは初めてですので、温かい目でこの中二病を見守って下さればと思います。


モチベーションはコメントと★★★★★でいくらでもドーピングできるので、どうぞ宜しく。

コメントについて。「面白い」「続き早よ」等一言いただけるだけでも作者は狂喜乱舞しますので、是非是非。


※PVの伸びが悪い1話を少し改変。

手探りでやっていますので、色々と至らぬ点あると思います。何かお気づきの点有りましたら是非コメントにて教えてください。


では、お楽しみください!

景色が、歪む。

ゆらゆらと儚く燃える蠟燭が見える。

目前の歪みが、少しずつ世界を呑みこんでいく―――――――――――――。


とある男の、冒険が。今、始まる。


***


「……は?」


突然変わった景色に思わず、声が出た。

今の今まで俺は家にいたはずなのに。


何が起きた??


「……?あー、あー……俺、こんな声高かったか……?」


そして、思わず出た自分の声にさらにびっくりした。普段の俺の声より、全然高い――そう、まるで声変わりしていないときのような声が出たからだ。


「まぁ声はとりあえずどうでもいいんだ。……何処だ此処?」



そう、目の前に広がるのは大森林。なんでこんなところにいるんだ……?

まだ日本にこんな場所があったのかと驚きそうになったが、ふと思う。


目の前に生える木々に、全く見覚えがない。

大学生の時の女友達に、やたら植物にハマってたやつがいた影響で、俺もそれなりに――いや、かなり植物に関しては詳しいと思うのだが、見渡す限り俺の知らない木々ばかり。

散歩するたびに道端の木の名前を叫んだり、ラインで大量に草木の写真と名前をセットで送ってきたりと、相当巻き込まれていた覚えがあるが、今はそんなのどうでもいい。

全く見覚えのない木々と、脳裏によみがえる先日読んだばかりの転生物ラノベ。


「日本じゃ、ない……?」


自分で言ってて笑えて来た。

なんだその状況。



取りあえず、しょうがない。歩くか。



***



どうやら、此処は日本じゃない――どころか、地球ですらないようだ。

というのも、付近を散歩していて明らかに蠢いている植物の触手や、目が四つほどある大きな豚みたいなナニカを見つけたのだ。ちなみにその豚は地面から生えていた。


全力で逃げてきました。

あいつらに足がなくて本当に良かった。

というか怖すぎる。どこのホラー映画だよあのフォルム。


流石に、こんなのが地球にいるとは考えにくい。



「……マジか、異世界か?」


勿論、その手の本は読んだことがある。


正直なところ、此処が本当に異世界ならば、少々わくわくもしている。





だが、ひとつ懸念点を上げるとすれば。



こういうスポーンの仕方をするラノベは、大抵ムリゲーが最初に待っていることか。




「GRURURURURURAARUA……」


例えば、大きいティラノサウルスのような化け物にいきなり遭遇する、とかな!




「ふざっけんなぁぁぁぁぁぁあああ!」

「GYRAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!」


俺と化け物の咆哮が、やたら静かな森に木霊した。



「ふぅ、久しぶりに叫んだ。……どうすっか」



逃げようかとも思ったのだが、正直あの化け物に足の速さで勝てる気がしない。


それに、今のところ化け物は俺の周りの木々を邪魔そうによけながら、うろうろとしていていきなりこっちに飛び込んで来る気配がないのだ。なぜかは知らんが。


「取りあえず、異世界定番やっとくか。……ステータス」


――――――――――――――――


名前:

種族:人間

メインジョブ:盗賊(シーフ)

レベル:1


――――――――――――――――



「えっ、すくなっ」

しっかり出たことに吃驚して、思ったより情報がないことにさらに吃驚した。


「てかなんで俺の名前ないんだよ」


俺だって、しっかりと自分の名前が―――――。


――――――あれ?




俺の名前は……なんだ?



思い出せない。靄がかかったように、自分の名前が書くされているみたいだ。

というか、友達の名前もでてこねぇ……。親の顔忘れるとか親不孝にもほどがあるだろ……!



「うわぁ、マジかぁ……自分の名前も親の顔も覚えてないって、それは流石にきついだろ……」


かなりショックだが……いくら頑張っても思い出せないものは思い出せない。

諦めることにする。というか今は命の危機だ、目下の問題を対処しなければ。


「他なんかないのか……?あ」


適当に目の前にあった半透明のディスプレイをタッチしていると、突然画面が右にスクロールして新しい画面が表示された。



―――――――――――――――――――


SP:5


武器スキル:

 武具-----------

   ‣暗器Lv1


特殊スキル:

 技能-----------

   ‣気配隠蔽 Lv5

   ‣魔力遮蔽 Lv1


ユニークスキル:

   ‣貪欲ナル異端者 La 1

   ‣鑑定 La 1


―――――――――――――――――――



なんか出てきた。俺別に日本で暗殺業やってた訳じゃないぞ?このジョブとスキルはどういう基準で得たんだ……?俺には殺しの才能があるってか?……嫌だな。

とりあえず、まだスライドできたのでスライド。




―――――――――――――――――――


EP:5


基礎値-------


STR;0

ATK;0

VIT;0

DEF;0

INT;1

RES;1

DEX;2

AGI;2

LUC;2


―――――――――――――――――――


「うーーーん……これは、強いのか?」


基礎値を見ながら、首を傾げる。


「EPってのが割り振れるのか?俺のステは強さはどれくらい―――ッ」

「GYRYUAAAAAAAAAAAAAAAAA!!」


考察を始めようとしたところで、焦れたのか化け物が再びの咆哮を放つ。

怖すぎる。てかあいつが飛び込んできたら軽く死ねる。

戦うのは論外としても、このままで逃げ切れる自信も全くない。


あんまり、不確実なことをするのは好きじゃないんだが。

此処は、ラノベの知識に頼るしかない。


「――しょうがないか」


―――――――――――――――――――


EP:2


基礎値-------


STR;0

ATK;0

VIT;0

DEF;0

INT;1

RES;1

DEX;2

AGI;5(↑3)

LUC;2


―――――――――――――――――――


「おっ?」


あったEPを取り敢えず3つAGIに振る。

すると、はっきりと効果がわかった。


「めちゃめちゃ速く動けるな……!」


試しにその場でステップを踏んでみるが、正直人間を明らかにやめている速度だ。


「これなら、逃げれる、か?」


と、そう楽観視したときだった。


「いッ――――!」



ステップを踏んでいた足に、鈍痛が走る。

急な痛みに、体がぐらりと傾き、倒れてしまった。不味い。


すると、それを好機と思ったのか、遂に化け物が木々を無理矢理になぎ倒しながらこちらに走ってきた。


「これはあれか………筋力が足りねぇのか?」


化け物が迫る中、努めて冷静に考察を進める。

仮説の根拠は読んでいたラノベなので、信頼できるとは言えないが。


―――――――――――――――――――


EP:0


基礎値-------


STR;2(↑2)

ATK;0

VIT;0

DEF;0

INT;1

RES;1

DEX;2

AGI;5

LUC;2


―――――――――――――――――――


余っていた2ポイントをSTRにふる。


何とか立ち上がりーーーーーー。


「ッ!」


低姿勢のまま横に大きく跳ぶ。

すぐ横を、怪物の大口が噛み千切った。


「あっぶねぇなぁ……!」


チラリズムした見るからに鋭い牙に、冷や汗が垂れる。


「痛いとか言ってらんなそうだよなぁ」


覚悟を決める。先ほどの痛みは若干和らいでいる。今跳んだ痛みは、先程よりはマシな痛みだ。

それでもかなり痛いが、もうそんなこと言っていられる場合じゃない。

分からないが、もしかしたらAGIとSTRの値が近い方が体への負担が少ないのかもしれない。


「逃げるが勝ちぃ!」


訳のわからないことを叫びながら、俺はその場から逃げ出した。

誰かこの死にゲーをどうにかしてくれぇ!と心の中で叫びながら。

主人公順応早すぎ?まぁしょうがないよね、主人公だもの(´・ω・`)


誤字、脱字等の報告はいつでもウェルカムです。

是非、お願いします。


あと、このまま下にスクロールしていって頂いて、☆☆☆☆☆を右端でクリックしてから帰ってください(切実)。


大丈夫、星を黒くするだけの簡単なお仕事!

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