16,冒険者ギルド
総合評価が100に行きそうでわくわくしています!
……減っていくストックには、目をやらないものとする。
列が進む。
とうとう俺の番だ。
「身分証明書はあるか?」
「無い」
「ではこの水晶に手をかざしてくれ。問題なければ1000ゼンで通行できる」
「分かった」
言われたとおりに水晶に手をかざす。
こっそり鑑定。
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《看過の水晶》:
神の下には、いかなる隠し事も存在できない。
効 : 犯罪歴のあるものを示す。
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まあ大体予想はついていたが、犯罪者かどうかを調べるものだった。
特に犯罪歴はないので、何も起こらなかった。
というか神って、まさかデメテルのことじゃないだろうな?
お金を払う。
「いっていいぞ。身分証明書が欲しければ、このまままっすぐ行ったところにある、剣と盾のマークが飾ってある建物に行くと良い。その冒険者ギルドで500ゼンで身分証明書を発行してもらえる」
「ああ、分かった。感謝する」
事務的かと思ったら、結構優しく教えてくれる人だったな。
少し気分がよくなりながら、街に入った。
さあ、ようやくの人里だ!
***
街は、中世ヨーロッパの街並み、という表現が一番しっくりくるように思った。
これも異世界ものテンプレだな。
パッと見た感じ、真ん中に大きな道路が通っていて、碁盤の目の様にその大通りに垂直に道が生えてる。
人通りも多く、割としっかりとした造りの建物が多いので、かなり発展しているんじゃないだろうか。
門番に言われたとおりに冒険者ギルドに向かう。
冒険者ギルドの存在も、そこで身分証明書を発行してもらえるというところも予想通りだった。
街の人の服装などを観察しながら、のんびりと歩く。
どうやら、服装はあまり中世ヨーロッパにはそぐわなそうだ。
エリマキトカゲのような襟の服を着ている人もいなければ、頭に船をのせている人もいない。
まあ、貴族が此処に居ないだけかもしれないが。
大体みんな、動きやすそうな服か頑丈そうな鎧を着ている。
あと、武器を持っている奴が多い。
滅茶苦茶ムキムキのやつがちらほらいるのは、冒険者だろうか。
途中、並ぶ露店のいくつかを冷やかしにいくと、思いもよらないものがいくつか売っていた。
例えば、石鹸。例えば、歯ブラシ。他にも、見覚えのある日用品がちらほらと見受けられた。
町並みこそ中世ヨーロッパだが、発展具合は俺が思っていたより進んでいるのかもしれない。
人々の顔も明るいので、この街は所謂当たりなのではないだろうか。
そんなことを考えていると、冒険者ギルドに着いた。
無音で扉を開ける。
気配操作を使うか迷ったが、絡まれるとは限らないので切っておく。
入ると、直ぐに酒の匂いが漂ってきた。
どうやら、酒場が右手奥にあるようだ。
何人かの男が飲んだくれている。
……真っ昼間だぞ。
ドアを開けた音に気付いた様子もなく、グダグダと飲んでいる男たち。
そちらをちらりと見てから、受付らしき場所に向かう。
人の並んでいなかった受付に行く。仕事をしているらしい受付嬢は俺の存在に気付いていないのか、黙々と書類を片付けている。……猫耳がついてる。やっぱりいるんだな、獣人。なんか感動した。
ところで、目の前まで来たのに反応がない。気付いてなさそうだ。
おかしい、気配操作は使ってないのになんで気付かれないんだ?
しょうがないのでこちらから声をかける。
「何かやっているところ悪いが、受付は此処か?」
「えっ?あ、あぁ、そうです。要件は何ですか?――――いつの間に」
何故か滅茶苦茶驚かれた。
でも、驚きながらも仕事を果たそうとするその姿勢は凄いと思う。
「身分証明書を発行してもらいに来た。あとは、出来るなら魔物の買取も」
「分かりました。少々お待ちください」
えらく事務的に奥に下がっていく受付嬢を見送る。
モンスターのこの世界での呼称は‘魔物’らしい。
此処に来るまでに会話で聞こえた。
戻ってきた受付嬢は、大きな水晶を持ってきた。
「これに手をかざしてください」
「これは?」
一応聞いておく。
無知なんだからしょうがないだろう。そんな面倒くさそうなオーラを出すんじゃない。
「これは、犯罪歴がないか確かめる水晶ですよ。門のところでやったでしょう?」
「……そうか」
若干イラっとした。
何とは無しに鑑定する。
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《警告》:
覗きは犯罪です。
効 : 許可なく鑑定することはマナー違反です。
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「相手の許可なく持ち物や人を鑑定することはマナー違反ですので、覚えておいてください」
「……そうか、済まなかった」
こんな罠があるとは思ってもみなかった。
鑑定をすると警告が表示され、さらに水晶が紫に光ったのだ。
大人しく謝ると、少しだけ受付嬢が微笑んだ気がした。
「いえ、今後気を付けてください。……では、こちらの水晶に手をかざしてください」
言われたとおりに手をかざす。
すると、何やら水晶の奥で白い光が蠢く。
「はい、もう大丈夫です」
その後、名前を聞かれ、答えると、受付嬢は水晶玉の下あたりから出てきたカードにさらさらっと何かを書き込んだ。
「これが貴方のギルドカードです。なくした場合は罰金があります、無くさないように」
「ああ、分かった。……代金は500ゼンだったよな」
作っておいたポケットから、500ゼンを取り出し、受付嬢に渡した。
そして、水晶玉の下あたりから出てきたカードを受け取る。
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名 : ベル
ランク : G
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茶色のカードだった。
Gランク。おそらく最下級だろう。
木でできたプレートに、簡潔に情報が書かれていた。
「ランクについての説明は必要ですか?」
「ああ、頼む」
すると彼女は一つうなずいて、話し出した。
「ランクはS~Gまであります。それぞれのランクで受けられる依頼が決まっていますので、ご注意ください。基本的に、自分のランクより1つ上のランクの依頼まで受けることが出来ます。また、依頼は依頼表を剥がして受けた場合は失敗すると罰金が発生します。依頼書を剥がさずに行くことも可能ですが、帰ってきたときに依頼表が無くなっていてもギルドで責任は負いません。なお、依頼書を剥がさなかった場合は失敗しても罰金などはありません。依頼を5つ連続で失敗するか、2年一切の依頼を受けなかった場合は、Sランク以外の場合、ランクが1つ下がりますのでご注意ください。ランクを上げるには、ギルドで定めた貢献度を達成する必要があります。貢献度は、依頼を達成することで手に入れることができますので、基本的には皆さん依頼を達成していってランクを上げる形になります」
「……なるほど」
立て板に水。
すらすらっと淀みなくされた説明は分かりやすいものだった。
要するに依頼をこなせばギルドランクが上がるということだろう。
これもテンプレそのままだな。
取りあえず、これで身分証明書は獲得した。
乙「ベル君って数年引き籠ってたわけでしょ?よく人と話せたね」
ベ「……なぁ、引き籠りって言い方は止めろ?俺の意思じゃないからな?後その言い方にそこはかとない悪意を感じるのは俺だけか?」
乙「………えー」
ベ「……(#´・ω・`)ビキビキ」
乙「ジョークだよ!?だからその剣をしまって!?人と話す前に君はまずその短気を治そうかぁぁああああああ!?」
今後ともこんな奴らを、( `・∀・´)ノヨロシクゥ




