表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/6

1.ふとした瞬間

 僕にはどうしても忘れならない女性がいる。


 彼女の名は、優花。


 いつも自信に満ち、自分の夢のために真っしぐらだった。気の向くまま生き、いつも僕を振り回した。僕の中には彼女がまだ残っている。


 別れたあの日に手放したと思っていたが。ふとした時に、彼女が僕の脳裏に蘇る。それは、彼女が好んだセブンスターの煙草の煙をかいだからか。


 それとも、灼熱の太陽を浴び、意識が朦朧としたからか。いや、彼女のことを思い書いた絵を見たからか。いやいや、そんなことではない。


 それは突然やってくる。彼女を突然あらわれる。そして、あっという間に消え去る。跡形もなく。


 ドキドキして楽しかった日々も、切ない恋しい気持ちも、憎んだ気持ちも、真っ白になって何も無くなる。


「おじいちゃん、ちゃんと聞いてる?」


 小さな男の子が、僕の体を揺さぶっている。


「ユウのおもちゃがなくなったの!!」


 僕は我に返った。孫の優亮が口を尖らして、見上げている。


「おう、おう、そうか。わかったぞ」


 そして、ふと思う。


(え?何を考えていたっけか??)


 思い出そうとするが、さっきまでのことが全く思い出せない。思い出そうとするたびに、優亮が僕の手を引っ張った。


(いや、優亮の面倒が先だな、また、思い出せばいい)


(後で———————-)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ