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500文字から600文字の日常  作者: マフラー
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テキスタイルデザイン

 本屋の独特な匂いが好きだ。何て言うか……安心できると言うかなんと言うか。とにかく、好きだ。ぷらぷらと店内を回るのも好きだ。

 思いもよらないところでテキスタイルデザインの本なんかを見つけるとたまらない。じろじろ見倒した挙げ句、結局買って家でもじろじろと見倒す。そんな、意外性があって自分の好みのものを見つけるのが楽しくて仕方ない。だって、テキスタイルデザインの見本の本なんて、中々無いと思う。

 小さな小花が散っているものから、幾何学的なものまで、テキスタイルデザインは幅広く興味は尽きない。いつまでも見ていられる。だから今日も相棒に突っ込まれるはめになる。

「ご飯出来たから、ほらほら、口閉じて」

 どうも集中すると口が開くのは家系らしい。そんな私を初めて見た相棒は大笑いした。失礼な。遺伝なんだからしょうがない。ぶつくさ良いながら食卓につくと、そこには私好みの甘めの肉じゃが。ほんとはこの人、甘くない肉じゃがが好きなんだってことは知っている。なのに何で、甘いの作ってくれるんだろう。不思議に思って聞いてみた。

「ん?だって俺、君の事見てて飽きないもん。だから、美味しいもん食べさせていろんな表情引き出してるところ」

 ……そうか、私はこの目の前の相棒の「テキスタイルデザイン」なんだな。そう思って肉じゃがを食べると、やっぱり甘い味で、なんだかくすぐったかった。

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