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500文字から600文字の日常  作者: マフラー
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ウインナーコーヒーの甘さの秘密は

 ネットカフェのあの中途半端な個室感が大好きだ。店の中だから完全に遮断されてはいないけれど、ちゃんとプライバシーっぽいものは保っている。ネットに飽きれば漫画を読んだって良いし。中途半端な時間に、中途半端な個室。中途半端な俺にはちょうど良い。

 バイトの上がりが遅くなってしまい、終電がなくなってしまった夜、たまにこのネットカフェを使う。それなりに綺麗な空間って言うのは、汚すのに抵抗があるのか、見た感じ不潔さや抵抗感が全くない。変な男も居ない。だけど人の気配はする。夜中のネットカフェは不思議な雰囲気で嫌いじゃない。

 ドリンクバーには豊富な種類が揃えてあり、ソフトクリームメーカーなんてのもある。この間、コーヒーに浮かべたら、驚くほどうまかった。それ以来定番だ。

 始発まではまだまだ時間がある。俺は暇だけどそんなに悪い気分でもなかった。自宅以外にくつろげるなんてのも変だが、この空間は……なんか特別な気がする。普段の生活から全く関わりのないこの空間は時間のエアポケットに入ったかのように静かだ。つまり、俺にとって居心地が良い。

 別になにかを考える必要もない。無駄な時間の使い方は、だからこそひどく贅沢だ。あくせくと汗をかきながら、人間関係にも悩まされる俗世界から完璧に……遮断じゃなくて「除外」された空間。俺が除外された訳じゃない。除外された空間に、俺が来ただけだ。

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