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作者: ちょこん


ーガコン。


ああ、新聞配達だな。

配達員のタッタッタッという足音と共に、

キーホルダーだろうか、鈴のリンリンという音が

重なる。


時計を見る。まだ早朝の3時である。


もうひと眠りと思い、

掛け布団を顎までずりあげるが、

起きてしまった目はなかなか言う事をきかない。


軽い頭痛と疼きが、無理矢理閉じたまぶたの

下の目の奥でじんじんいっている。


その疼きを感じながら、暫くそのままにしていると、

私は再び、布団に沈み込むように脱力し、

眠りに落ちた。





ピピピッという目覚ましの音で目を覚ました。


鉛のように重くなっている腕をゆっくりあげ、

目覚ましを止める。時刻は朝の5時半である。


軽く伸びをして、起き上がり、カーテンを開けると

朝日が開ききっていない私の目を刺した。


ーうん。いい感じだ。


意識が起きてきた。

早朝の憂鬱さは消え、

なんでも楽観できるような気分になってる。


玄関に行き、ドアの下に落ちている新聞を

とりにいく。


拾い上げると中に挟まれている広告紙をとり、

ゴミ箱にシュートする。見出しには大きく、

昨日ニュースでいっていた、外国とのいざこざの話がとりあげられている。


裸足の私の足に廊下のひんやりした感触を感じる。


ーひえてきたな。


布団からでると冬ほどではないが、

すぐに体が冷える。


そんな事を考えながらリビングに向かった。


家族はまだ誰も起きていない。

リビングの電気をつけ、ストーブに火をつける。

テーブルに新聞を置き、洗面所にいく。


顔を洗うとすっきりして、さらに視界がクリアに

なる気がする。

髪を軽くとかし、適当にひとつに結ぶ。


ー朝食つくんなきゃ。


開けた冷蔵庫からくる冷気が、拭いたばかりで

僅かに湿っている顔にあたり、スースーする。


パンやレタス、ハム、玉子、昨日の夕食の残りを

取り出し、簡単にトーストなどをつくる。


ストーブのおかげでリビングが少し暖かくなった頃に

家族が起きてくる。


まずは、お父さん。

すり足のような歩き方なのですぐにわかる。

おはよう、と私に一言いったあと、シャワーを浴びに

風呂場へ消えていった。


次にお母さん。

大きなあくびをしながらリビングに入ってきて

テーブルの上の新聞を取り、広げる。


最後は妹だ。

こちらはもうとっくに起きていたのだろう、

中学の制服を着て出てきた。

ストーブの前に屈んで暖をとっている。


私はそれらを横目に見ながら、朝食をほおばる。


あ、お母さんがテレビをつけた。

天気予報が流れ出す。快晴だ。


私も高校の制服を着て、登校しなければならない。


歯磨きをしたあと、制服に着替え、鞄を抱えると

私は家を出発した。


「いってきまーっす!」


お父さんはまだぬれている髪を拭きながら、

お母さんは新聞を片手に、

妹は私がつくったトーストをかじりながら

玄関で送ってくれた。



ーやっぱ、外の風は気持ちいい。


早朝の静けさが嘘のように感じられる。

街に命が吹き込まれたかのように動きだしている。


まあ、そんなことはどうだっていい。

色々考える必要はない。


私は信号を挟んで向かいに立っている

友達に手をふった。


朝ってなんて素晴らしい。



大好きだ。
































初めての投稿です。

リアル女子高生の自分なので、

なんとなく自分の朝をイメージしました。


…まあ、私は自分で朝食なんて作りませんし、

起きるのは家族で1番遅いですが(苦笑)


日常の静かな感じを楽しんでもらえると

嬉しいです。



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