表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/10

ガチャとはつまるところ条件次第の求人ってことか

 最初のチュートリアルは当然無事に突破し、仲間も増えたのだが本来ならチュートリアル突破報酬である10連ガチャが無いのはなぜだ?


「状況を再確認するか。

 ステータスウインドオープン」


 私がそういうとホログラフのタッチパネルのようなモニターが中空へ現れデータを示した。


 王子シャルル

 王子レベル:2

 マナ量:600

 マナ回路範囲:50

 経験値:100

 所持金:300


 ステージをクリアしたことで経験値と資金が入ったのでそれが表示されるようになっって無事レベルも上がったようだな。


 そして彼女たちのステータスもでてきたのでそちらも眺めてみた。


 カロル

 レアリティランク:R

 クラス:双剣使い:接触しているすべての敵に2回の物理攻撃

 レベル:2

 攻撃力:210

 移動速度:50

 攻撃速度:40

 足止め数:2

 必要マナコスト:200


 ミシュリーヌ

 レアリティランク:R

 クラス:大剣使い:単体の敵に物理攻撃

 レベル:1

 攻撃力:1415

 移動速度:30

 攻撃速度:80

 足止め数:1

 必要マナコスト:500


 アナ

 レアリティランク:R

 クラス:鈍足魔法使い:魔法範囲攻撃でダメージを与え鈍足状態にする・飛行ユニットに攻撃できる

 レベル:2

 攻撃力:515

 移動速度:30

 攻撃速度:80

 射程:140

 範囲:120

 必要マナコスト:300


 本来であれば所持している所持金とは別にガチャチケットの数が表示され5枚で一回、50枚で11回ガチャを回すことができるはずだし、それとは別に所持金でも回せてアイテムを獲得できるガチャはあったはずだがそういうものはないらしい。


 その代わり”雇用(ガチャ)”という項目があるのでのぞいてみた。


 どうやら雇用費を書き記してそれだけの費用を消費して求人票を出すと応募があるようだが……。


雇用(ガチャ)のための費用が高すぎるだろ……」


 雇用するための費用はRで1000、SRで10000、SSRで100000、URで1000000とレア度が高いほど高く現状ではRキャラすら雇用はできない、。


「ガチャは悪い文明と破棄されたのか?

 まあ希少で強力な人材でもありふれた人材でも同じコストで雇えるのがそもそもおかしいとも言えるが……」


 例えば月給15万でしれっと求人募集を出しても高い能力を持ってる人間が応募に来る可能性は殆どないし、月給35万で応募のための資格制限があればそれにそった人材は来やすくなるが……ああ、確かにこれはガチャだな。


 しかし、こうなると当面の間はステージクリアで仲間になる者で何とかするしかなさそうだ。


 ソシャゲの運営はガチャをせずにステージクリアで加わるキャラだけでも最終ステージ突破が可能なようにバランスはとっていると言っていたはずだ。


 それにマナ量の少ないレベルが低い序盤では必要マナが多い高レアユニットが役に立つとも限らなかったりする、逆に出撃が遅すぎて足を引っ張りかねないくらいだ。


「とりあえず開放する予定の街の様子を忍び込んで直接見てから進むか……」


 目立たない服装に着替えて帝国に支配された街を見て回ったが、近くで帝国から開放された街が出たことを住人が喜んでいるかというとそうでもないようだ。


「王子だかなんだか知らないが反乱を起こすなんてまったく余計なことを」


「ああ、怒った帝国にここが攻撃されたらどう責任を取るんだっての」


「大して強い力もないんだからおとなしくしておけばいいのに」


「やっと落ち着いたばかりなのに、また戦争を起こそうっていうか」


 どうやら街の者にとって私は疫病神扱いらしいな。


 これでは雇用(ガチャ)をする金があったとしても応募するものがいたかどうかもわからないか。


「帝国に頭を下げ、女を貢げばいい暮らしができるっているのにな」


「全くだ、余計なことはせず、言うことを聞いてればいい暮らしはできるってのに」


 女性を帝国のゴブリン共などに売り渡せばいい暮らしができる……か、ろくでもない。


 そう言えば男の姿は見るが女や子供の姿は見ないが……。


 すでに開放したもとは敵拠点であった街へ戻った私は3人を集めた。


「次の帝国軍本拠地を開放しに行こう」


  私の言葉にミシュリーヌがうなずく


「わかりました、出撃準備をします」


 MAP


 空空道道道道村道道道

 空空道空空空空空空道

 本道道道道村空空空村道道道道敵


 3人が戦装束(ウォー・ドレス)をまとい武器を携えれば出撃準備は終わる。


「今回もまずカロルが先に出撃し真っすぐ進んだところの村を抑えて中継器を設置したら途中の村を解放。

 アナは途中の村方面へ先に進み魔法で足止めしてカロルと合流してくれ」


「うん、わかったよ」


 カロルがうなずくとアナもうなずいた。


「わかりました

 帝国の先発部隊を魔法で足止めしておきます」


 そして私はミシュリーヌへも言う。


「ミシュリーヌも出撃できるだけのマナがたまったらすぐ後を追ってくれ」


「了解です」


「じゃあカロル。

 魔力回路を接続するぞ」


「うん!」


 私がカロルの手の甲に口づけをすると魔力回路が接続されくすんだ灰色だった戦装束が色彩をまとい真っ赤に染め上げられた。


「準備完了、いつでもいけるよ!」


「よし、カロルは出撃だ」


「よし、行くよ!」


 腰に二本の短刀を下げたカロルがものすごいスピードで走り去っていき、目の前に展開されている戦闘マップの道を敵の本拠地に向けて移動する様子が見えた。


「次にアナも魔力回路を接続するぞ」


「はい、お願いします」


 私がカロルの手の甲に口づけをすると魔力回路が接続されくすんだ灰色だった戦装束が色彩をまといクリームイエローに染め上げられた。


「よし、アナも出撃だ」


「はい、ではいってまいります」


 ワンドを持ったアナがテテっと走り出した。


 今頃は敵の本拠地からゴブリン3匹が出てきているはずだ。


 アナの魔法だけで倒すのは難しいが村に入る前に魔法で足止めはできるはずで、そこそこダメージが入っていればカロルがとどめを刺してくれるはずだ。


「村を解放して中継器を設置したよー」


 カロルからの連絡が入ってきたので指示を出す。


「了解だ、カロル。

 次は中間の村へ向かってくれ」


 私がそういうとカロルは能天気に返事をしてきた。


「了解だよ」


 そしてアナからも連絡が来た。


「こちらへ向かってくる敵を発見しました。

 これより魔法で迎撃します」


「ああ、頼む。

 カロルもそちらへ向かっているので協力して撃破してくれ」


「わかりました」


「了解!」


 時間の経過と村の開放によりミシュリーヌが出撃するために必要なマナはたまった。


 私がミシュリーヌの手の甲に口づけをすると魔力回路が接続されくすんだ灰色だった戦装束が色彩をまとい青く染め上げられた。


「さて、ようやく私の出番ですね」


「ああ、頼む、おそらく敵からもデカブツがでてくるはずだ」


「わかりました、私向きの相手です。

 ミシュリーヌ出ます!」


 背中に大剣を背負ったミシュリーヌも走り出し、戦闘マップを敵の本拠地の方へ移動する様子が見えた。


 その間にカロルが敵の先遣部隊と接触した。


「ゴブリン3体と接敵したよ!」


「わかった。

 攻撃して倒してくれ」


「うん任せて! ええい!」


 カロルの双剣とアナの魔法でゴブリン達を全滅させ、ミシュリーヌが追いついたが、視界の範囲に敵側も一体増えている。


「オーガといえども一体ではな」


 アナが魔法で足止めし、そこへミシュリーヌが大剣で斬りかかる。


「一刀両断というわけにはいかないようですが!」


「ガアアェェッェ!」


 とは言え3対1でタコ殴りにされたオーガが倒れるのも時間の問題だった。


「よし三人でボスを倒しに行ってくれ」


「了解だよ!」


「わかりました」


「任せて」


 敵の本拠地には頭の悪そうな力自慢と言った男がいた。


「はっはっは、俺の名前はバカッス。

 女どもがのこのこやってくるとは愚かな。

 まとめて奴隷にしてかわいがってやろう」


 ぶっちゃけバカッスもそこそこは強かったがこっちは無敵だしやっぱりタコ殴りで、何もできないまま死んだ。


「ぐううっ、こ、このオレ様が女ごときにやられるとはな……」


 ミシュリーヌが冷たい声で


「バカッスとやら女が弱いなどと決めつけないでほしいものですね」


 ”ステージクリア”


「ふう、敵を倒したよ、やったね」


 カロルが笑顔でそう言うと、ミシュリーヌは真面目な顔でいった。


「どうやら囚われている女性がいるようです。

 開放いたしましょう」


「ああ、そうだな」


 そしてこの街を解放したことで、外から声が聞こえてきた。


「バカッスが死んだ、俺達は自由だ!」


「解放軍バンザイ!」


 なんとも調子のいい話だよ。


 もっともバカッスに差し出された女たちの男たちへの視線が絶対零度なのは自業自得だろう。


 そしてまた一人仲間が入った。


「私は弩使いのシュゼットなのだ。

 きっと役に立つと思うのだ」


「ああ、これからよろしくな、シュゼット」


 そろそろ敵に飛行ユニットもでてくる頃だから、高火力な弩使いの加入は助かるな。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ