6話目~入学式後・クラス=仲間と面倒事〔上〕~
駄文作家の酒桜香燐です。今回は日常編です。
マルコスとの決闘が終わり俺は究極魔法を解き普段の姿に戻った。
「え~静粛に‼生徒諸君これから毎日通う自分のクラスに行ってくれたまへ‼」
学院長の口からやっと真面に学院長らしい事を聞いたな。
俺は学院長を見る。
目線が合った瞬間ビクッと体を少し動かしたが他の生徒に気付かれることなくすんだらしい……
こんなビビりが学院長で良いのか?と思いながらカノンを見るとカノンはマルコスを見ながら何かを呟いた。
「どうかしたのか?」
「いえ……さっき魔法を掛けた時にマルコス様の脳波に異常が見られましたので何かがおかしいと思いまして……」
昔のあいつを知っている俺としても何かがおかしいと思っていた所にこの話の内容……
取り合えず………
「アルムちょっと此方に来てくれ」
俺の呼び掛けに返事をせずにアルムは俺を睨み言う……
「………なぜ私がお前の様な屑の………いう」
「ほ~う」
俺はアルムの態度を見て口の端を吊り上げる。
アルムはビクッと震えた。
「欲しがりさんだな。さっきの続きを始めて欲しいのか?」
アルムは顔を青くさせて口を金魚の様にパクパクさせている。
「慈悲を掛けて優しく助けてやったと言うのにな~~」
アルムはまた涙を流しそうになりながら……
「ごめんなさい。言うことを訊きますので許してください‼」
「初めからそう言えば良いんだよ」
俺が優しく笑顔で言うとアルムは顔を紅く染めた。
「後で話がある、学院が終わり次第俺の家に来てくれ……マルコスの事について話がある。」
「わかりました……」
「それじゃあ教室に行くぞ二人とも‼」
「はい。わかりました~」
「わかりました……」
俺達は気絶しているマルコスを保健教諭に任して教室に向かう。
で、教室に俺達が入った瞬間一斉に俺達に視線が向いてきた。
教室の黒板に席順の紙があったので見る……が、見た瞬間俺の顔が歪んだ。
「何だ?この席順は……」
1番前の席で隣がカノン後ろにマルコス、右斜め後ろにアルム……
絶対に誰かが仕込んだ様に固まっていたのだ。
「嬉しいです~カルマ様と一緒に居れて~」
「今日、問題を起こした生徒を一纏めにした感じだな……」
隣のカノンは喜んでいるがもう一人はと思い見るとアルムと視線が合った。
「あんたが近くだから嬉しいとかじゃないんだからね‼」
なんか急に安いツンデレぽくなったんだけど……
「取り合えず……知りあいが近くで助かったかな……」
俺達は席に座るそれから、数分後教室に学院長が入ってきた。
「私がこのクラスの担任を務める。「レイド・ニーロ=カルヴァン」だ。これから宜しく‼」
学院長が直々に担任とか………
しかも、さっきの失態を無かった事にするようにピシッとしてるし………
「取り合えず………出席の確認を録って今日は解散とする‼」
出席を録るとか面倒だな………
「其れでは第一席……カルマ・ゲノム=パラケルスス」
「…………ハイ」
「第二席は………今は保健室だな……」
「第三席……アルム・エマ=ノーツ」
「はい‼」
「第四席……トムス=ワーカー」
「ウィース」
「第五席………カノン・フローラ=ブロッサム」
「すみません。私の名前が違うのですが?」
「ん?其は、すまんな。では教えてくれ?」
「私の名前は「カノン・フローラ=パラケルスス」です。」
ん~何ともむず痒いな。
何か学院長も驚いた顔をしてるし……
「なぜ……一席のカルマ君と一緒なのかね?」
「なぜ?って言われましても~私はカルマ様の妻ですから‼」
何か周りも凄くざわざわしてるし学院長何で涙を流しているんですか!?
「教え子に先越された………」
「「「「「「「「「「「「「うわ~~…………………………」」」」」」」」」」」」」
うわ~凄く可哀想な事を呟いたな……
何か凄く惨めに見える一言だぞ………
この時俺達クラスが心を一つにした瞬間だった
「ごほん、ま~イレギュラーもあったが……其れでは、第五席……カノン・フローラ=パラケルスス」
「ハイ‼」
「第六席……グリム=カリーン」
「は~い‼」
「第七席……ソーマ=リアン」
「はい」
「第八席……ホルン=シンク」
「ウフフ」
「笑ってないで返事をしてくれ」
八席………ホルン=シンクを見る。
彼女は一言言うなら絶対的な美女である……ムッチリとした足、括れのある腰……そして、何とも言いにくいが……大きく主張している胸……それでいて纏っている雰囲気だけみると……小悪魔?……いや……こりゃあ魔女の方が正しいな………
カノンに負けず劣らず美女である……が、そんなことは口が裂けても言えないな……
「ま~続けて第九席………キルミー・トトン=マリク」
「はい‼」
「第十席………アリア・ニュー=エリム」
「ハ~イ‼」
「第十一席……タクミ=ノアール」
「はい‼」
「第十二席……ミント=ルルーシュ……は本日欠席か……」
一席だけ誰もいない席があったがミントか……ミントってことは来るわけが無いな……知り合いだし取り合えず…今度挨拶にでも行こうかな……
「第十三席……リリー=スタァーク……と第十四席……ルルー=スタァーク」
「「ちょっとちょっと双子だからって一緒にしないでよ~悲しいよ~学院長先生~」」
何か双子の可愛らしい少女二人が学院長に抗議している。
どっちがどっちか判らない為今度聞いてみようと思う位に興味が湧いたな……
「以上十四名がこの学院の一級クラスだ‼今後クラスメイトが増える可能性があるが仲間が増えることは良い事だからな‼そして、毎年夏にある学院対抗運動祭を全力を以て頑張ってくれ‼其れでは、以上‼解散‼」
皆が帰ろうとしているので俺は聞いた。
「この中で、神医とかいるか?」
頼む居てくれと俺は祈っていたら声が聞こえてきた。
「ハ~イ私の職は神医ですよ。」
声がした所を見ると第六席のグリム=カリーンが立っていた。
見た感じは、おっとりした口調の女性って言うより少女な感じがし、背は少し小さく長い白髪で前髪で目が隠れていて肌もアルビノ位に真っ白で薄幸の美少女を感じさせる様な女性であった。
「其は、助かる。其じゃあ後でアルムと二人で町外れの屋敷に来てくれ。」
「何か~私~襲われちゃったり~しちゃう~?」
何を口走っているのですか?貴女は?
何かカノンもアルムも鋭い目線で俺を見てるし……取り合えず…そんな事はしないからね……
「違う……単純に今必要な事があるから助けてくれと言っているんだ………」
「何だ~そうなら~言ってよ~少しその気になっちゃったのに~」
マテマテ……今なんで仰りました?
俺が困惑していると続けて言ってきた。
「だって~こんな良い物件無いよ~」
物件って……俺は物じゃないのだが………
「その気になるならなるで良いが……!?」
後ろから凄い殺気のような物が肌に刺さってくる。
「妻が居るのに女性を口説くのが早すぎませんか?」
「二人では満足しないのか?」
カノンの言い分は分かるがアルム?お前嫌がっていなかったっけ?
「ま~そうゆう事はまた後でにして……取り合えず………助けてくれ……え~と……カリーン」
「グリムって~呼んで欲しいな~」
「………………わかった……助けてくれ……グリム」
「ハ~イ‼わかったよ~‼」
「直ぐ準備が終わるから待っててね~」
グリムとの約束を取り付けてアルムとカノンと三人で校門の所で待っているとグリムがやって来た。
「ごめんね~遅れちゃって~」
「いや、良いよ。無理言って助けてもらうんだからな‼」
「ちゃんとお礼が言えるなんて本当に格好良い人だね~」
「俺は只、人として頑張っているだけさ……」
そう俺は人として頑張っているだけ……例えあの人の血が流れていようと……
「大丈夫ですか?」
「ん?」
「何か思い詰めた様な顔をしていたぞ?」
「私に~出来ることなら~言ってね~私はお医者さんだから」
三人が心配してくる、俺もしかしてそんな酷い顔をしていたのか?
俺は普段道理の顔に戻して……
「其じゃあ、行くか……」
「はい」
「楽しみです~」
「そうだな……楽しみだな……」
グリムは分かるが、アルム俺そこまで調教した覚えは無いよ?
何かこれからどんどん面倒事に巻き込まれる自分の姿が思い浮かべながら帰宅に着いた。
これからも頑張って書くので楽しんで読んでもらえると嬉しいです。