3話目~入学式にやって来る面倒事〔上〕~
駄目作者の酒桜香燐です。
今回から学院に入学しましたが何処でも面倒事はやって来る。そんな話の上です。
国王と学院長来賓方の話が終わり代表挨拶の途中……
今俺は寝ている振りをしている。
なぜなら俺は今入学式の中面倒事が起きていたからだ……
「入試成績主席の奴は出てこい‼」
目を瞑りながら俺は何故こうなったか考えることにした。
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……………
………
今朝俺はあまり眠れずに寝不足のまま起きた。
何故かと言うと一晩中カノンにくっつかれたまま眠れる訳が無い………
面倒事を日々回避するために人と人の繋がりを見て見ぬ振りをしていたので俺は……ハッキリと言うと女性に慣れていない……それも色々の偶然が重なったにせよ……自分の妻となると尚更どうすれば良いのか全然わかんないのだ……
で俺は横を見るのだが横には居たはずの妻の姿が見えないのだ。
「ま~良いか……」
誰にも聞こえない独り言を呟きまた横になる。
その時コンコンっと部屋にノックの音が聞こえてくる。
俺は返事を返さないでいたらカノンが部屋に入ってきた。
「ご飯が出来ましたよ~」
「いらない……眠い……」
「ダメですよ‼今日は入学式なんですから‼」
「……………」
「頑張って作ったんですから食べてもらえると……」
「……わかった……食べる……」
あの日から食事など真面に摂っていない俺は久し振りだなと思いながらベットから降りて一階の部屋に入った。
部屋のテーブルの上にはパンなどの旨そうな朝食が置かれていた。
俺は置かれているパンを一口食べる。
「旨いな……」
「ありがとうございます」
テーブルの上には置かれていた久し振りのちゃんとした食事を見て思う。
「な~この家にパン何てあったのか?」
「さっき私が作りました。出来上がったばっかりの焼きたての手作りのパンですよ」
「手作りのパンって……職技でも使ったのか……?」
「いいえ、そんな事しませんよ。自分の旦那様に手料理を食べてもらいたいという純粋な気持ちですよ」
「そうか……ありがとう」
俺はそう言いカノンの頭を撫でた。
プシュ~と音がしそうなくらいカノンの顔が赤くなる。
「熱でもあるのか?」
「ないですよ~」
俺はカノンのおでこで熱を測る。
何かもっと赤くなったんだけど!?
とりあえず熱はなかったので二人で食事を摂り学院に行く準備をして屋敷から出た。
学院に着くと何かざわざわと五月蠅いので耳を澄まして周りを見ると何か人だかりが出来ている所があった。
「何の人だかりだ?」
「なんでしょう?」
「近くに寄りますか?」
「いや、いい……面倒事は関わらない方が良いからな」
俺がそう言うとカノンは頷いた。
お互いに無言が続いたので俺はカノンに聞いた。
「な~カノン?」
「どうしました?」
「代表挨拶する奴って誰なんだ?」
「確か……この王国の王子様だと思いましたが?」
「そうか……」
王子ってことは……あいつか………メンドイナ……
ということはあの人だかりは………
離れて正解だったかもな………
寝不足だったので学院内のベンチに座り俺は目を瞑る。
すると肩に重さを感じたので目を開けると……
「カノンさんや……どうしたんだ?」
俺の肩にカノンの頭が置かれていた。
「いえ……何もありませんが……只……カルマ様にくっついていたいと思いまして……」
昨日は色々な事が起こりすぎて分からなかったがカノンは良い匂いがする……
そして、温かい……
そう思い俺は目を瞑る……すると………
「学院とは勉学の場所‼人前で人目を憚らずいちゃついている奴らがいる何て学院もレベルが堕ちたものだ」
「そうですね。本当に場所を考えて欲しいものですね」
「「「そうよ。そうよ」」」
何かガヤガヤと五月蝿いので目を開ける。
俺達の前に何か一杯人がいるんだけど……
俺は欠伸をしながら中心にいる奴を見る。
「王子の前で欠伸等無礼であるぞ‼」
「いや、いい……こんな下々な奴等を構っているのは時間の無駄だ」
何か俺が言葉を発する前に目の前から消えようとするので忠告として俺は言った。
「あまり、油断していると足下を掬われることになるぞ」
王子は鼻で笑って取り巻き達と去っていた。
カノンが何も言わなかったので隣を見てみると寝息をスウスウと立てて俺の肩で寝ていた。
俺はカノンを起こし立ち上がる。
「そろそろ時間だ講堂に行くぞ」
カノンは目を擦りながら俺についてくる。
講堂に着き俺達は一級クラスの席に座るすると調度時間になったので入学式が始まった。
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………………
…………
ここで始めに戻る……
「入試成績主席の奴出てこい‼」
誰か先生とか教官はいないのか?王子だからってやりたい放題にさせるなよ……
しかも音量魔法使ってまで吠えるなよ……犬か………犬なのか!?
どちらにせよ五月蝿いから吠えるな‼
隣のカノンを見ると声が響いて苦しそうに耳を塞いでいる。
おいおい……しょうがないか………
「五月蠅い‼俺が主席だが何か文句あるか‼」
「ほ~お前が主席だったとはな……只の女といちゃついている男じゃなかったわけか……」
隣のカノンが俺の服を掴みながら震えている。
「で出てきてやったが用事は何だ?」
「俺様より成績がいい奴がいるらしいからなそいつの面を拝んでやろうと思っていたのだがお前ごときに俺が負けるわけ無いな‼」
何言ってんの?お前が負けたのは真実だぞ?と思っていると
「どんな汚い手を使って主席を取ったんだ?この学院は実力主義だからなお前みたいな奴でも倒しておけば俺様がちゃんとした主席って事になる‼」
汚い手って普通に試験受けただけなんだが?
てか嫁の前で酷い被害妄想やめてくれないかな……
「……で?何がしたいんだ?」
「俺様と戦えってことだよ‼」
大分初めて会った頃と口調が変わっているんだけど……
しかも、顔が真っ赤に染めて怒ってるし……
ま~こいつは俺の事を忘れているのだろうけど……
「別に戦うのは良いが……此処でか?」
「貴様さっきから王子に何て口調をしているんだ‼」
何かこいつと一緒にいる女が喚いているので俺は言った。
「学院は実力主義何だろ?なら俺より下の奴をどう扱おうが俺のすきだろ?」
何か更に何か吠えているんだけど!?
「戦うから場所を変えるぞ」
「わかった。なら学院長審判をしてもらえませんか?」
必死に首を縦に振っているんだが大人何だからちゃんとしろよ……
「取り合えず俺様は武道場で待っている。準備が出来たら来るんだな‼」
深い溜め息をはき俺はその決闘を了承する。
「は~~わかった」
「ま~せいぜいビクビク震えながら来ることだな‼ハッハハ~」
変な高笑いをして取り巻き達とその場を去っていった。
講堂が静まりかえっている。
変な空気が講堂を満たしている……これ以上長居は面倒なのでカノンの手を掴み俺は講堂から退出する。
「カルマ様‼主席何て凄いですよ‼私も応援するので絶対に負けないで下さい‼」
俺はカノンの頭を撫でて決闘のやる気をだす。本当はキスの方が良いのだが……贅沢は言ってられないから我慢する事にした。
「たまには本気でもだすかな。カノンが応援してくれるし……」
「そんな簡単に人は死にませんから本気を出して絶対に負けないで下さいね」
俺とカノンは武道場に向かって歩き出し。
次回からバトル究極職技の発動等色々な事をしていきます。