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楯無明人/謎の美青年、ウィリアム・ベルシュタイン

アキト編4章開幕です。


舞台はシグルド編同様、極寒の地キリアス。


ウィリアムという美青年が仲間になりたいと申し出た所から物語は始まります。

「僕を君たちの仲間に加えて欲しいんだ」



 目の前の帽子を目深に被った美青年が俺たちにそう告げた。


 名前はウィリアム・ベルシュタイン、通称ウィル。


 女だと言われたら本気で信じてしまいそうな程、中性的な容姿を誇っている美青年である。


 でだ。


 俺達はその美青年に仲間にしろと言われている。



 ――ここまでの流れを一度整理しよう。



 俺達はマギステルで行われた決闘大会で優勝し、魔杖レーヴァテインを手に入れたその足で意気揚々とこの極寒の大陸キリアスに転移して来た。


 新しい大陸だし、何かイベントがあるんだろうなと思っていた矢先、美青年に仲間にしてくれと声をかけられた訳だ。


 この展開は流石に想像の外だったわ。



「なぜ?」



 カヤが極めて端的に彼にそう返した。



「理由は2つある」



 ウィルは2本指を立てて俺たちの前に出す。



「1つ目は、君たちが手に入れた杖」


「レーヴァテイン?」


「うん、僕はその杖に用があるんだ」



 後ろのナルが俺を小突き、小声で言う。



「魔杖に用ってなんすかね? 綺麗な顔して、実は悪者です?」


「俺に言うなっての。イリスさん、どう思います?」



 俺はイリスさんの方を見る。



「あら? この気配は……んー?」



 彼女はそんなことを呟いて首を傾げていた。



「イリスさん? どうかしたんですか?」


「あぁいえ、あの人から特異な雰囲気を感じるのです。この気配はもしかして……うひゃひゃ!」



 イリスさんが突然素っ頓狂な声をあげ、身をくねくねと動かし始めた。



「ちょ、変なところ……んっ……動かないで、下さい……あっ」



 お、おい……なんか俺には刺激が強すぎるワードなんだが!?



「い、イリりん? 体の具合でも悪いんです?」



 ナルがそう言いながら近づいた瞬間、イリスさんの胸元から何かが顔を出した。



 きゅっきゅ鳴き声をあげるそいつは……。



「「ラピッドラビットぉ!?」」



 あの小さなウサギだった。

 

 ――ラピッドラビット。


 マギステル決闘大会の1回戦で捕獲対象となっていた激レア動物だ。



「あぁ! 顔を出してはいけません!」



 イリスさんはそいつを胸の中に押し込み、照れ恥ずかしそうに俺とナルを見る。



「み、見てないですよね?」


「見たっす」


「ばっちり見ました」


「はうぅ……」



 観念したイリスさんが申し訳なさそうに言う。



「1回戦で捕まえて以降とても懐かれてしまって、離れてくれないんです。だからこっそり連れて帰って来て、隠れて飼うことにしました」


「子供の所業ですよそれ!?」



 天然記念物的な位置づけだろそいつ!? 勝手に持ち出して良いのかよ!?



「そこの3人、ウィリアムの相手を私に一任しないでくれるかしら? 私は案外、人見知りなのよ?」



 カヤにぴしゃりと言われてしまう。



「あぁ、わりぃ。で、どこまで話が進んだんだ?」



 俺のその言葉にウィルが答える。



「力試しをすることにしたんだ。僕が君たちのパーティに相応しいかどうか、試験をするらしい」


「力試し?」


「あぁそうさ。お手柔らかに手合わせ願うよ、アキト」


「……は?」



 腕試し? 手合わせ? まじで?



【アキト編】第4章……開幕


 この様な作品でもブクマして下さった方々、有難う御座います!


 これからも頑張ります!

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