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楯無明人/マギステル決闘大会

お待たせ致しましたm(_ _)m

本作からアキト編第3章後編、始まります。

 ――魔導都市マギステル。


 砂漠と新緑の大地、カルナスにおいて栄華を極めていた都市。20年前の魔剣戦役の際に『魔導兵器』という侵略兵器を開発し、グリヴァースでも有数の軍事力を有して『いた』。


 そう、今となってはそれも『過去の話』である。



「参加者多すぎだろ……」



 決闘大会エントリーはこちら、みたいな看板を辿った先にあるのは大きなコロシアムだ。そして、そこには尋常ではない数の人が集まっている。


 屈強な体つきだったり、黒ずくめのローブを身に纏ったりと強者感がすごい。




「リーヤさんが言っていた大陸中の猛者が集まるというのは本当の様ね」


「冗談であって欲しかったところだけどな」



 俺たち4人は受付でエントリーを済ませて選手控室に入る。


 選手控室にはストレッチをしながら今か今かと開始を待つ選手もとい戦士たちがいた。


 見たところ、男女比8:2で個人での出場の奴が殆ど。男1、女3の俺たちのパーティは色んな意味でかなり浮いている。



「アキトさん、私たちこの人と戦うんすか? めっちゃ強そうっすよ? ぎったぎたにされるんじゃないです?」


「おいナル、怖い事言うんじゃねぇよ」


「大丈夫です。ぎったぎたにされてもわたくしの回復魔術がありますから。骨折くらいなら一瞬です」



 頼もしいけど出来ればイリスさんのお世話になりたくないものである。


 俺はトーナメント表を確認していたカヤに問う。



「豪華景品が何なのかとか、ルールが何なのかとか全然知らないわけだが?」


「ルールは単純よ。戦って勝つ。以上」


「お前の語彙力、たまに心配になるわ……で、豪華景品の正体は?」



「それには私がお答えしますわ!」



 後ろから聞こえた『ですわ口調』の女性の声。もう振り返りたくねぇ……。



「……あらごきげんよう、マドカ」



 カヤがぶすっとした表情のまま答える。


 そう、そこにいたのはイスルギ・マドカのパーティだった。


 ドリルツインのマドカと鎧の大男モルドレッドと運搬者、弓使いの組み合わせ。



「そちらこそごきげんよう。ここで会ったがなんとやらですわ、イスルギ・リサの娘のカヤ」



 カヤは一瞬不機嫌そうな表情を浮かべてから答える。



「あなた達も出場するということで良いかしら?」


「もちろんですわ。なにせ、景品があの『魔杖』なんですもの」


「狙いはそれ?」


「えぇ。もちろんそれもありますが……」



 マドカはビシッとカヤを指さす。



「あなたが出ると踏んでやって来たのですわよ。イスルギ・カヤ」



 それは立派な宣戦布告だった。



「私と勝負したいがためにこのマギステルに?」


「その通りですわ。今日こそあなたに泥の味というのを味あわせて差し上げますわよ。オォーッホッホ!!」



 くるんと俺たちに背を向けてお嬢さまの様な高笑いをしながら去って行くマドカのパーティー。モルドレッドのやつ、俺たちを一度も見てなかったな……眼中に無しってことね。



「カヤっち、あそこまで言われたら」


「えぇ、負けるつもりもないし負けられないわ」


「相変わらず安い挑発でしたが、仲間を貶されるのは頭に来ます。懲らしめましょう」



 おぉ、女性3人のボルテージが上がっている。



「さぁ、会場は上よ。行きましょう」



 俺たちは選手控室を後にした。


 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 円形闘技場にはこんなのぼりが掲げられてた。


『今なら魔杖貰える』


「すげぇポップだな……大体、魔杖ってなんだ?」



 俺の問いにイリスさんが答えてくれた。



「魔具の1つです」


「マグ?」


「はい。魔剣に始まり、杖、弓、槍、拳、鎚があると言われています」



『魔剣』という言葉は流石に知っている。


 強大な力と引き換えに所有者を蝕む曰く付きの武器のことだ。ゲームとか漫画ではよく見聞きするが、この世界にはマジであるんだな。



「そして、この決闘大会の景品になっているのが、あの透明なケースに入っている『魔杖レーヴァテイン』です」



 イリスさんが指さしたのは、野球場で言う所のバックスクリーンに相当する場所だ。


 そこにはケースに入れられた1本の杖があった。



「あれが……魔杖レーヴァテイン……なっ、鞄が……?」



 俺の鞄から溢れ出る紫の光……輝いているのは俺の初期武器『紫の石刀』だ。


 鞄から取り出すとまるでそれは何かに共鳴するかの様に明滅を繰り返している。


 カヤがその光景を見て呟く。



「秘密があるのはその武器も同じ様ね。英雄王の剣に続き秘密だらけね、あなた」


「すき好んで隠してるわけじゃねぇよ」



 女性の声が聞こえたのはその時だった。



 ――……こえる?



「は?」


「どうしたんすか?」


「あ、いや……今、この石刀から声が……気のせいじゃなさそうだが……」



 英雄王の剣からはたまに男の声も聞こえるし、なんだってんだ?




「アキト、そろそろ始まるわ」



「あ、あぁ」




『……こえる?』




 この声の主が誰なのかなんて知るわけない。



 けど。



 懐かしい気がしたのは、何故だろう。



【アキト編】第3章後編……開幕

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