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シグルド/山を割る力

 ミーザスでロウリィ・フェネットを仲間に加えた後、俺たちは北の山を目指していた。



「ローゼリア」


「ん?」


「カナル山といったか、あれを越えるのはどれくらいの時間がかかる?」


「大体4日くらいだったかな」


「4日……長いな」



 俺はロウリィに目を向ける。


 彼女は今自分の身分を隠す為にあえて身の丈以上の鞄を背負っている。あの状態で4日は辛いだろう。何か良い方法はないだろうか。


 そう思案しているうちにカナル山の登山口が見えた。緩やかに山肌を上る道と行き止まりの道がある。……なるほど、あの力なら……。



「さぁ、いよいよ山登りだね! ロウリィちゃん、準備は良い?」


「はい! 転げ落ちない様に気を付けます」



 そんな2人のやり取りを横目に、俺は登山口の脇を通り過ぎる。



「ん? シグルド、どっち行くの? そっちは行き止まりだよ?」


「いや、行き止まりではない」



 俺は目の前の岩の壁に手を当てる。思いつきだが、やってみる価値はある。



「なぁローゼリア。思うんだが、ロウリィのその装備ではこの山を越えるのは少々大変だとは思わないか?」


「へ? あ、うん、そりゃ大変でしょう。ほとんど手ぶらの私たちより荷物多いんだもん」


「私は大丈夫ですよ? 見た目は大きいですけどこの鞄は凄く軽いので」


「先は長い。楽をするに越したことはないだろう」


「まぁそりゃあそうだけど……はっ! あんたまさかあれをやるの!?」



 ローゼリアは勘づいたようだな。



「え? 何をするんですか?」


「まぁ見ていろ……【大地掌握】」



 スキル発動と同時に周囲の岩が呼応するように震えだした。



「なな、何ですかこの尋常じゃない魔力は!? ローゼリアさん!」


「あーそっか、ロウリィちゃんは初めてなんだ。こいつ、規格外なのよ色々と」



 2人のそんな会話を聞き流し、俺は全身の魔力を右腕に集約させ、壁を渾身の力で殴った。


 殴った部分から縦に亀裂が入り、地震の様な揺れが起こる


 

「わわっ! 揺れが!!」


「ちょっとおぉぉ!! あんたまさか山を……」


「そうだ。割って道を作る。我ながら、良案だ」



 俺は亀裂に両手の指を差し込み、無理矢理広げる様に力をかける。



「ふっ……!! うぉおぉお!!」



 スキルの助力もあり思いのほか山は容易く割れ、向こう側に通じる道が完成した。



「「えぇー……こんなのめちゃくちゃだぁ……」」


「さぁ、行こうか」



 俺がその道を進むとしばらくして、呆けていた2人が駆けてついて来た。



「ちょっとシグルド!? 山を真っ二つに割って道を作るってあり得なくない!?」


「あり得たな」


「す、すごいですシグルドさん! これで山を越えなくても南北の行き来が出来る様になりました! タナトスの人もミーザスの人も喜びます!」



 ぴょんと跳ねて全身で喜びを表現するロウリィ。やはり、人の為に力を行使するのは悪くない。



「喜んで貰えて何よりだ。では次の町へと急ごうか」



 俺たちは足並みを揃えて次の町、タナトスへと向かった。

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