四
翌日彼女は、見違えるほど元気になった。僕と拓人さんがいつものようにゴミあさりなどを終えて、戻ると彼女は近くのコンビニで食べ物を買ってきたところだった。
「おはようございます。もうすっかり元気になりました。昨日はいろいろありがとうございました。あの色々買ってきたのでどうぞ。」
「おはようございます。いいんですか?ありがとうございます。」
「気にしないでください。おかげで私元気になりましたし。」
僕は壊れかけのダンボールハウスで朝ごはんを食べた。途中拓人さんが3人分のコーンスープを作って持って来て一緒に食べた。それからいろいろな話をした。彼女の名前は、近藤蘭。近くの大学に通う大学3年生。昨日は、体調悪い気がしていたが、描きたいものがあったため公園に来ていたらしい。そしたら雨が降ってきて、目眩が酷くなり動けなくなったそうだ。その頃には、拓人さんも彼女を疑いの目で見なくなった。
しばらくして彼女は、僕たちにお礼をして家に帰っていった。彼女の帰った後僕は寂しさを感じた。また会いた。もう一度話したい。そう心から思った。
しかし僕の願いはなかなか叶わない。僕はその日を境に彼女を公園で見つけることができなくなった。
どうしたんだろう?
いつもより公園の外を散歩する時間を増やしたり、外出を増やしていたがなかなか会えない。季節は夏から秋にかわり公園の木々も少しずつ色づきはじめた。
僕は寂しさをまぎらわすために手紙を書いた。たぶんこの手紙は、誰にも見せることができないだろ。見せるつもりもないけど。
拝啓
あなたは今どこにいますか?僕はホームレスですがあなたを好きになってしまいました。僕は今頑張って仕事を増やし、またあなたに会える日のためにお金を貯めてます。公園の景色今とても綺麗ですよ。またあなたと絵の話をしたいです。最近僕も時間を見つけて少しだけ絵を描きます。大学生の時以来でまだまだ下手くそだけどあなたにこの絵を見せたいです。