序二段
カネも領地も兵士も持たないナイナイ尽くしの征西将軍宮がどうやって現代知識で技術チートするか? って話を前回する予定だったけど、読み直してみたらその話してなかった。
幸い前回「夢の中で現代日本の知識を得ることが出来る」というズルが出来ると設定したので、ナイナイ尽くしの状況を打破する方法を考えよう。
さて技術チートするにしろ独自の兵力を募るにしろ必要なのはやはりカネだ。と言っても九州に領地を持たないであろう親王であるので、当然領地からの収入は期待出来まい。瀬戸内の海賊衆との縁は九州に渡ったあとも続くだろうからここはやはり交易で稼ぐのが無難か。交易品にもなるだろうから夢で鉱山の位置を調べて様々な鉱物を採掘するのも悪くない。当然開発出来るのは味方に付いた土豪たちの領地に限るし、彼らの許可を得て権利を分配してのことになるだろうが。
しかしそうなると山に詳しい人間が欲しいな。南朝はイメージ的に山伏と仲良いので、山伏を活用していることにするか。鉱山の大体の位置を親王が夢で調べて、山伏たちが探して……誰が掘る? 掘るのはまぁ人足だろうが、精製等の鉱山技術に詳しい人間が欲しい。
作劇上の都合で色目人の配下がいることにしよう。元々は元朝に仕えていたけど政変の煽りを受けて日本にまで流れてきたというような設定で、瀬戸内にいる頃に親王の家臣となったことにしよう。そうだな。ペルシャの錬金術師が良いだろう。錬金術師という名の化学者だ。作劇の都合上、化学以外の分野も担ってもらうことになるだろうけど。
親王が夢で知識を得る→錬金術師が実験する→ものづくり日本の職人たちが頑張って作る。
この流れで技術革新を推し進める方向で行こう。
とは言っても実際鉱山に手を出すのは薩摩に上陸してそれなりに基盤を作ったあとだろう。薩摩に渡る前、瀬戸内にいる数年間は九州上陸後に役立つもの開発したり実験したりする時期としよう。
火薬、というより硝石の製造方法は確立しておいた方が良いだろう。むしろ錬金術師という名の化学者がいるのなら無煙火薬に挑戦しても良いかも知れない。と思ってググってみたけど、事故がコワイな。素直に黒色火薬の開発に留めておくのが無難そうだ。
火薬作るんなら銃砲もセットで開発研究だな。小さな横穴が開いた筒に火薬と玉詰めて横穴に火種突っ込むタイプならそう難しそうではない。個人が携行する小火器には向かないだろうけど、とりあえずは船に積んだり城に置いたり城を攻めたり大砲として運用しよう。
ベタではあるが内政チートの定番たちにも手を出しとくべきだろう。定番だけに導入例も多いしね。石鹸とか蒸気機関とか? 九州上陸以降のことを考えたらコンクリートも開発しておきたい。
あとは千歯扱きなどの農具も定番か。
それから料理関係も人気だな。定番のマヨネーズは材料が揃わないだろうから無理だとしても、