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三十路の社畜OLが出会った翌日に八才年下男子と結婚してしまった件につきまして  作者: 七転び八起き


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第26話 英気を養うひととき

「いい映画だったねー私も原作読むよ!」


「はい、ぜひ読んでみてください」


 もう陽が傾いていた。


「次はどうしようかなー」


 今度はもっと色々調べよう。


「七海さん、猫アレルギーとかあります?」


「ないよ」


「じゃあ猫カフェ行きませんか?最後に」


「猫カフェ……?」


 聞いたことあるけど行ったことはなかった。


「この近くにあるんですよ」


 勇凛くんについて行った。

 するとそこは、一見普通の建物。

 中に入ると受付があって、店員に注意事項を説明された。


 そして、上の階に上がって扉を開くと──


 猫、猫、猫

 至る所に猫がいる。


 そして机にも椅子にも。

 座る場所がない。

 私は実家で犬を飼っていたけど猫とはあまり関わりがなくて、ただ傍観していた。


 勇凛くんは猫に近づいて撫でている。

 猫が羨ましい。


 なぜか勇凛くんに猫が群がる。

 勇凛くんは包囲されている。

 私が近づけない!

 猫に嫉妬していた。


「七海さん、可愛くないですか?」


 勇凛くんが抱き上げている猫を見せてきた。


「う、うん」


 恐る恐る猫に触れようとしたら猫パンチをされた。


「痛い……」


「あ……この子は頭に触って欲しくないみたいですね……」


 私は猫と相性が悪いのが何となくわかった。

 そして、そのあと一時間くらいのんびりして猫カフェを後にした。


 もう外はだいぶ暗かった。


「勇凛くんはよく行くの?あそこ」


「いえ……あそこは保護猫活動をしていて、俺も捨て猫をあそこに連れて行った縁があるんです」


 優しい……。

 惚れ直す。


「あ!勇凛と七海ちゃんだ」


 その声に私たちは硬直した。

 そして振り返らなかった。

 走った。


「待って〜」


 私が足が遅いせいで捕まった。


「どこ行ってたの?」


 満面の笑みの勇哉さん。

 勇凛くんは悔しそうだ。


「七海さんに触らないでください!!」


 私の腕を掴んでいる勇哉さんの手を払った。


「いいな〜俺もデートしたい」


 知るか!!


「あ、勇凛、来週から頑張ってね〜森川君もそのうち行くから〜」


 森川さん……

 何とかこの男を制御して……


「じゃあ俺これからクラブ行くから〜じゃあね〜」


 せっかく楽しかったデートの余韻をぶち壊して行った。


 ◇


 私たち無言のまま帰路を辿っていた。

 こんな気持ちのまま終わらせたくない!


「……七海さん。今日うちに来ませんか?」


「うん、わかった」


 よかった。

 まだ一緒にいられる。

 勇凛君の家に向かった。


 ◇


 勇凛君の家に向かう途中、スーパーを見つけた。


「今日夕飯どうしますかね。何が食べたいですか?俺作りますよ」


 勇凛くんの料理姿、また見たい!


 でも──


「今日は私作るよ!」


 私も惚れ直してもらいたい!!


「え!嬉しいです!」


 私たちはスーパーで必要な食材を揃えてすぐに勇凛くんの家に向かった。

 私は着いて早々キッチンの前にたった。


「勇凛くん、エプロンある?」


「はい、これどうぞ」


 黒いシンプルなデザインのエプロン。

 勇凛君がつけているのを見たい。


 我慢して私はエプロンをつけて、唯一まともに作れるカレーを作った。

 そしてサラダやスープは勇凛くんが作った。

 テーブルに料理を並べる。


 二人で「いただきます」をしてカレーを食べた。


「カレー美味しいです!七海さんありがとうございます!」


 勇凛くんが嬉しそうにカレーを食べてくれるのが、本当に嬉しい。


「早く二人でこういう生活がしたいです」


 勇凛くんが呟いた。


「そうだね……。楽しみだね!」


「はい」


 毎日勇凛くんと一緒にいられるようになるために、頑張らないと。


 打倒、林正輝!!


 ◇


 食べ終わって二人でテレビを見てゆっくりしてたけど、そろそろ帰ろうかなーと思った瞬間。

 背後にいた勇凛くんに、首筋にキスをされた。


 不意打ちに驚いて全身が震えた。

 やばい、それをされると、スイッチが……!


「七海さん、今日可愛くて、ずっと我慢してました」


 勇凛くんの瞳が熱を帯びている。


「え……、そうなの?そんな風には見えなかったよ」


「せっかく遊びに誘ってくれたのに、そういうこと考えてるのバレたら情けなくて……」


 勇凛くん……。


「これから素直に言っていいよ」


「……はい。ありがとうございます」


 その瞬間勇凛くんに押し倒された。


「このままいいですか」


 え


「今日歩き回ったからちゃんと洗ってからがいいんだけど……」


「すみません。待つのきついです」


 ジリジリと勇凛くんが迫ってくる。


「……いいよ」


 もうあるがままの私を差し出そう。


 まともに服を脱ぐ余裕もないまま、勇凛くんと深く繋がってしまった。


「七海可愛い……好き」


 そう囁かれると頭が回らなくなる。

 この時だけ理性も敬語も外れる勇凛くん。


「兄さん……七海に触れて……許さない」


 表情がやや怖い。


 こらえきれずに声を漏らすと


「今の声また聞かせて」


 とねだってくる。

 別人みたいだ……。


 そして、若くて体力があるせいか果てしない。

 もう無理!と思っても、なぜか体はしっかり受け入れているという。

 きっとこれが、相性がいいというやつなんだな……。


 ──その日は結局泊まった。


 私の退職日はもうすぐ。


 あの男の元へ行く前の英気を養うひとときだった。 

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