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三十路の社畜OLが出会った翌日に八才年下男子と結婚してしまった件につきまして  作者: 七転び八起き


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第20話 夫婦の絆

 そのあと、どっと疲れがでて、家に帰ることに。


「あー私言い過ぎちゃった」


「そんなことないですよ。あんな言い方されたら当然です。ただ……」


 勇凛くんは立ち止まった。


「俺のせいでこんなことになって、七海さんに申し訳ないです」


「勇凛くんのせいじゃないよ」


「いえ、でも巻き込んでしまいました」


 陽が傾く。

 夜を連れてくる。 

 勇凛くんの顔が暗くてよく見えない。


「勇凛くん。今日、うちに泊まれる……?」


 勇凛くんは少し驚いていた。


「いいんですか??」


「うん」


 勇凛くんは表情が明るくなって嬉しそうだ。


「七海さんから言ってもらえて嬉しいです」


 ──やっぱり、勇凛くんとのこの日々を大事にしたい。


 私たちはマンションに向かった。


 ◇


 二人で部屋に入ったあと、私たちは無意識に抱き合っていた。

 大きな試練が目の前に立ちはだかる中、信じられるのはお互いだけだ。


 初めてこんなに人を大事にしたいと思った。

 愛しいと思った。

 守りたいと思った。

 ただそれだけだった。


「……勇凛くん」


「はい」


「してもいいかな?」


「何をですか?」


「……察してよ」


 勇凛くんが固まった。


 私は勇凛くんとしっかり繋がりたかった。


 ◇


 その後ずっと勇凛くんは挙動不審だ。


「あの……シャワー浴びてもいいですか?」


「え?」


「汗とかかいてるので、洗い流してからがよくて……」


「私は気にしないよ」


「いや、でも」


 勇凛くんはためらっている。


「わかった。じゃあ一緒に入る?」


「え!?」


 勇凛くんが激しく動揺している。


「冗談だよ」


 でも別にいいと思っていた。


「じゃあ、すみません。浴びてきます」


 勇凛くんはすぐにお風呂に向かった。

 待っている時間が、もどかしかった。

 でも割とすぐに上がってきた。

 濡れている勇凛君を見たら、一気に緊張に変わった。


「わ、私もはいりマス……」


 どうしよう。

 最後にシたのっていつだっけ?

 かなり前だ。

 ちゃんとできるかな……。

 不安になった。


 でも、ここまできたら覚悟を決めよう。

 たとえ上手くいかなくても、私たちなら大丈夫。

 よし!!


 私は上がってすぐに、体を拭いて、バスタオルで体を巻いた。

 そしてそのまま勇凛くんに直行した。

 勇凛くんは、そんな気合いが入った私を見て驚いて目を見開いていた。


「え、もうですか……?」


「うん。ダメかな?」


 私は早く繋がりたかった。

 勇凛くんでいっぱいになりたかった。


「いや、大丈夫です。ちょっと緊張して」


 戸惑う勇凛くんが愛しい。


 ──でも


「勇凛くんが、今はそういう気分じゃないならやめておこう」


「え……?」


 流石にこれはやや強引だ。

 やっぱ二人が同じ気持ちでないと。


 私が着替えようと勇凛くんから離れようとした時、勇凛くんに手を掴まれた。


「……俺は覚悟はできてますよ」


 勇凛くんの目は真剣だった。


「かくご……?」


 勇凛くん、前から少し思ってたけど、『武士』っぽい……。

 私はつい笑ってしまった。


「何がおかしいんですか?」


 勇凛くんが混乱してる。


「ごめん。嬉しかったんだ。ちゃんと真剣に向き合えてもらえてるんだなって」


 突きつけられた現実は辛いものだけど、勇凛くんと出会えたことに全く後悔はしていない。


「勇凛くん、ベッドに座って」


 勇凛くんは緊張した面持ちで頷いた。

 勇凛くんが座った後、私はバスタオルを外した。

 勇凛くんの目が釘付けになっている。

 流石に恥ずかしい。


「あんまり見られるとちょっと……。そんなスタイルもよくないし」


「いえ……すごく綺麗です」


 その言葉に顔が熱くなった。


 勇凛くんも服を脱いだ。

 想像よりも引き締まった体をしていた。

 息を吞むほど美しいと思ってしまった。

 男の子なのに。


 私が触れていいのか──


 勇凛くんは俯いた。


「……すみません、どうすれば七海さんを満たせるかわからないです」


「そんな深く考えないでいいよ」


 私は勇凛くんにそっとキスをした。

 そして、勇凛くんを抱きしめた。

 温かくて滑らかな感触が心地よかった。


 勇凛くんも私を抱きしめてくれた。

 少し震えている。


 またキスをする。

 今度は深く──


 だんだんと強張っていた勇凛くんの力が抜けていく。

 二人の体温が上がってゆく。


 私は自分より勇凛くんを満たしたかった。

 勇凛くんが初めてだから尚更。

 丁寧にしたかった。


「すみません……リードできなくて」


「別にどっちでもいいんだよ」


 勇凛くんの肌に唇を落とす。

 勇凛くんの様子を見ながら、私は確かめていた。

 こんな積極的な自分は初めて。


「どう?」


「すごくいいです……」


 だんだんと踏み込んでいく。

 だんだんと呼吸が乱れてくる。


「勇凛くんいいかな」


「はい……」


 私はゆっくりと、勇凛くんを自分の中に沈めた。

 その瞬間、全身に快楽が駆け巡った。

 私は何もされてないのに。


 たぶん、必要なのはテクニックとかじゃない。

 相手を大切に想う心だったのかもしれない。


「勇凛くん……どう?」


 いつも見下ろされる私が、今は勇凛くんを見下ろしている。


「七海さん温かいです」


 その瞬間、上下が逆転した。


「すみません、ちょっと抑えられないです」


「うん……いいよ」


 勇凛君の頬を撫でた。


 衝動のまま私たちは求めあう。

 深く繋がる。

 辛かった気持ちがこの瞬間全部吹き飛んだ。


「七海」


 初めて勇凛くんに名前をそのまま呼ばれた。


「好きだよ」


 胸が震えた。


「私も」


 その瞬間、何もかも結びついた気がした。


「勇凛」


 私も“くん”をやめた。


 ◇


 終わったあと、二人でベッドに横たわっていた。

 ただ見つめ合っていた。


「七海さん……ありがとうございます」


 また七海“さん ”に戻っていた。


「私も嬉しかった」


 恥ずかしくなって布団に潜った。


「俺、頑張ります」


 勇凛君が私の手を握った。


「うん。私も」


 絶対負けない。

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