File9:昼の月
元ネタは山村暮鳥の詩の一節からですね。
「あと、本当の親中派は八部とスペードだって主張が多々見られたが、
気に食わない側の主張は受け入れないくせに、都合がいいと何の疑問も抱かず飛びつく傾向がある。
……これみたいにな」
【どんたもん解説】ツイフェミは真のフェミニズムじゃない?
RTL96312874:
本当にそう思う ツイフェミもネトウヨも本当のフェミニズムでも右翼でもないくせに声の大きさだけで暴れるばかりでブレーキ効かないんだよな
—(中略)—
水進会にもネトウヨは真の右翼じゃない!って大っぴらに否定されたのにまだ愛国者のままでいるし
—(中略)—
だいたいネトウヨは自憲党なんてガチ表現規制進めてる統合協会と深いつながりがあるのに、その自憲党支持を続けられる肉屋を支持する豚なんだからさ
「そういえば水進会って?」
「確か……ネトウヨや自憲党と違って、自分達こそが真の保守派だという団体のはずよ」
「いや、こいつらは元々左翼、リベラル陣営の人間が中心になって作っています。
■■■■■とか、■■■■とかね。
要は『左翼』も『リベラル』も印象が悪くなったから、新しいラベルを探した結果行き着いたのが『真の保守』だっていう……」
「マジそんな奴らいるん?
いくらなんでもプライドなさすぎね?」
「……ステラ。
SNSをやっているときに、プロフに女性と明記する+『可愛い女の子です♡』と書いていて、
制服着た女子高生の後ろ姿をアイコンにしていて、
昭和の特撮のや政治への愚痴ばかりポストしてるアカウントと。
性別は公開してないけど、アイコンがキモカワ系のぬいぐるみで、
よくメイクの話題をしてたり、マニキュアを塗った手元の写真をアップしていて、
邪滅とかNINJA×FAMILYみたいな流行りのアニメの話題をポストしてるアカウントがあったら、
どっちが女性だと思う?」
「うげぇ……聞いてるだけでキッツ」
「でも、確かに前者はネカマの中年にしか見えないわね。
……後者が100%女性とも断言できないけど」
「俺が言いたいのはそういうことです。
言ってることとやってることが剥離してたら、そりゃツッコまれるだろ。
……でもこいつの中では、何千の物証よりも一つの都合いい情報が優先される」
「よく考えると、左翼という言葉も『共産主義者って呼ぶな!』という主張が出発点だったし、
リベラルを自称したのも『左翼』っていう言葉が悪いイメージになったから……という話はよく聞くわ」
「あいつら、昔からそうやってラベル貼り替えてきたんですよ。
社会主義や共産主義という言葉の印象が悪くなると『左翼』というラベルに貼り替え、
左翼という言葉の印象が悪くなると『リベラル』に貼り替え……。
ラベルを貼り替えるごまかしの行く末が、嫌っているはずの右翼を名乗るとは何の冗談かねぇ……」
「さっきも言っていた、都合の悪い意見は受け入れない反面、
都合のいい意見は怪しい団体でも信じるっていう話ね……」
「それと、これなんですけど」
RTL96312874:
ヒトラーの素養があるのって、ツイフェミとネトウヨと野党支持者の自称リベラルだよな 戦前戦中の体制に近い超保守なのに、自分では正義の味方のつもりになってるのも共通点
—(中略)—
そもそも日本が民主主義化したのはアメリカに無理矢理アップデートされたからであって、戦前のままなら今の日本はなかった それを戦前戦中に回帰させようとしているのが自憲党の八部と浅井太郎と市村早苗を含む旧八部派
「まだ全部のコメントやポストを掘れてないけど、
これ以外にも気に食わない右派勢力にヒトラー呼ばわりするものが多々見られたな」
「あ〜そっか。
これも左派陣営を『自称リベラル』って表現してるのは、リベラル側をそうだって認めたくないってことね」
「……ゴドウィンの法則という言葉があってね。
他人にヒトラーやナチスのレッテルを貼るというのは、その時点で議論を打ち切るレベルのルール違反だという考え方があるのよ」
「それと、ここでの話は半分正しくて半分間違いだな」
「ナナシさんってたまに変な言い方するよね」
「事実として反日思想をもって暴れてる連中は、もし仮に政権を手に入れたら独裁国家を作る連中だと思います。
それに、今のロシアが極右なのも事実ですし。
……ですが、ソ連や中国の政権はあくまでも極左の独裁国家であって、その問題は右翼に転嫁できるものではありません。
そもそも『今のアニメがあるのは戦前の日本がアメリカに解体されたおかげ』という主張は、左派によく見られる『大矢翔太さんがすごいんであって日本人がすごいわけじゃないぞ』という主張と被って見えるのは俺だけでしょうかね?」
「今リベラルを自称している勢力が、言葉通りの『リベラル』とは程遠い……という点は同意かな。
でなきゃ、ツイフェミやれいわ騎士団みたいな連中が好き放題してないし」
「それと、もうひとつ。
タヌキ型ロボットやアンパンのヒーローやゲゲゲのオバケのように、戦争で苦労してきた……戦争の悲惨さを知っている人が、今の漫画やアニメなどの業界を築き上げてのは事実だ。
でも、戦前から続く紙芝居はもちろんのこと、戦前どころかそれ以前から積み重ねられてきた文化への憧れが、戦後のアニメに大きな影響を与えてきたのもまた事実。
その積み重ねを否定することは、彼らをも否定することと同じだ」
「この人の言動からは、明治から昭和まで幅広い『戦前』という概念を『戦前戦中』と言ってごちゃ混ぜにしている価値観が窺い知れるわ」
「マサゴさん、うまいプロファイリングですね。
うちでOSINTの仕事もできるぐらいですよ」
「……えっと、いいかしら?
それに、自憲党の立場が極右かというとそうは思わないわ。
自憲党には右寄りから左寄りの人まで色々いてグラデーションがあるし、
さっきステラさんも言っていたように、本物の右翼は日本最優先党や右翼党……それと選挙党のような本物を支持してるわ」
「…………ねえ。思いつきなんだけどさ、
この人って、ガチで都合の悪いこと記憶から消去されてね?」
「……というと?」
「人間には『解離』っていう、重要じゃない記憶を忘れる機能があるんだけどさ、
トラウマになることとか、強いストレスを受けたときにも解離が発動して、その記憶を封印しちゃうんだよね」
「なるほど、解離ね……。
この人が、自分の信じる『本当の保守派は八部総理などの保守派』などのアイデンティティを崩すニュースが受け入れられないとしたら、
そのニュースの記憶自体を消去……この場合封印? している可能性もあるのかもね」
「一番恐ろしいのは、こいつがその『解離』を自分の都合よく発動させているっぽいことなんですよね……」
「えぇ……? そんなことってある?」
「そうでなきゃ、一連の言動は説明がつかない。
こいつはコメ欄で『自分は公平に批判しているだけ』という趣旨の発言をしていたが、
おそらく『リベラル』の非となる話題があった場合、その記憶だけが都合よく消去される。
だが『その人物・団体はリベラルではない』とみなした場合、『それは保守』とみなされるので思い出せる。
結果、見えないリベラルの非は批判しようがないので、自分では公平にジャッジしているつもりでも、傍目には片手落ちな批判をしていたり、考えが合わない左派をネトウヨ認定しているように見える。
……というメカニズムがあるんじゃないか?」
「…………。
余計理解できない」
「安心しろ。俺もだ。
……俺は最初、こいつがマサゴさんに腹を立てて粘着しているのだと思っていました。
でも一連の発言を見て、そもそもマサゴさんにも、マサゴさんの著作にも全く関心がない……と判断しました。
場合によっては著作自体見ていないし、さっきステラが言っていた『解離』が発動して、
何よりコメントしたこと自体覚えてない」
「そんなことってある?
マサゴさんの動画内で何度もイシトリゲエムの作者だって言及あったと思うんだけど」
「いや、ここまで来ると動画の内容はおろか、キャプションにすら目を通していない可能性がある。
実際、Yapooニュースなどのコメント欄にせよ、記事の見出しにだけ反応して、
記事の文章に全く目を通していないコメントなんて珍しくない。
こいつの場合は、それが表現規制と政治と男女対立……ときどきアニメになっているだけだ」
「あ〜……確かにそういうの珍しくないかも」
「……さて。こいつの姿勢に対する話ばかりになってしまいましたが、
マサゴさんが迷惑をかけられている件について、俺の結論をまとめさせていただきます。
このコメ主という人物は、確かに話の主題とは無関係の持論を展開するなどしていますが、
マサゴさんへの個人攻撃の意図はありません。
普段から目に留まった記事に思考停止状態でコメントを繰り返していて、たまたま目についた動画に書き込んだら、その中にマサゴさんもあったというだけで」
「でも迷惑なことしてるのは事実だよね?」
「ステラの言うとおりだ。
だからといって、マサゴさんに対してやったことは『荒らし』『国会議事堂襲撃などの重大事件を起こした集団との同一視』『根拠のないカルト認定』という、紛れもない誹謗中傷であることにも変わりありません」
「…………うん。そうね……」
「もう一つは、こいつはもしブロックされたとしても、
マサゴさんに危害を加えるなど、実力行使に移ることは絶対にありません。
もともと、ネットでワーワー言ってスッキリできればそれでいいってタイプでしょうし、
何より『手を出したらアウト』っていう当たり前のこともわかっているようだし。
……ですので、遠慮なく書き込めないようにブロックしたり、なんなら一度出版社や担当さん辺りに相談して、対応を練ってはいかがでしょう?」
「まあ、でも私に対する直接の言及は、統合協会とイシトリゲエムへの言及の2件しかないし……」
「そこがビミョ〜なんだよね〜。
詰めてもマサゴさんのことは言ってないって言われそうな……」」
「日本人は普通、ブロックするという行為に忌避感を覚える人の方が多いと思います。
理由は様々でしょう。
『それは卑怯だ』とか『話し合いの機会をなくす』とか……。
でも、それぐらいのことをしないと、迷惑をかけている……相手に嫌な思いをさせているということが理解できない人間が、世の中にはけっこういます。
それに、たった1件のコメントでも法的措置に足る事例はいくらでもあるでしょうし」
「……とはいえど、私はこの人の主張が全部間違ってるとは思っていないわ。
特に表現規制反対に関する内容と、アニメに関する話は参考になるものもあるし」
「まあ……そうですよね。
そこがなんか複雑なんですよねぇ……」
「……月が、綺麗だなぁ……」
「ナナシくん?」
「あのー……それって告白のセリフじゃね?
ほら、夏目漱石って……」
「それじゃない。
今このVR空間に浮かんでる、あの満月のことだ。
月は昼間は見えない。
太陽っていうもっと明るい光があるからな」
「まあ、昼間に月が見えることもあるけれど、普通はそうね」
「それと同じで、今はツイフェミという特大の脅威が目と鼻の先にあるから、それとは逆のヤバい奴は目立ちにくい。
そもそも、ツイフェミに対する批判の文脈なら、話が逸れる箇所は見逃されやすいでしょうし。
……でも、マサゴさんはこいつの異常性に迷惑をかけられ、それが実生活に支障を来すほどの脅威となってしまった……という話じゃないでしょうか?」
「なるほどね……。
ツイフェミの方が問題だから、問題のある人がいても見逃されやすいということね」
「自戒を込めて言いますが、
オタク界隈はフェミに批判的な意見などがあったら、その人がおかしい人だったり、嘘をついていたり、自演をしていたりしていた場合、それに気づかないことが多い。
実際、俺もフェミになりすまして作品を燃やしてたインフルエンサーに騙されてたこともありますし」
「あ〜……今年もあったよねぇ、
万博でフェミとかに叩かれてたコスプレイヤーが、実は自己愛だったってやつ……」
「特に政治に関する話題でよく見るけど、
この手のアレな人間が嫌う人物像っていうのは、皮肉にも本人が一番当てはまってるんだよな……。
本人は絶対自覚しないだろうけど」
「虐待を受けて育った子供は、人を見る目がおかしくなるのと同じね。
虐待してきた親とそっくりな人を好きになってしまったり、逆にそんな親とは正反対だけれども、それはそれで異常な人を……ということも」
「『本当の表現規制推進派は自憲党をはじめとする右派勢力で、それらを支持するネトウヨは肉屋を支持する豚』という主張と同様に、
『アニメは自分のような賢い人のもので、保守とDQNと女さんを淘汰するツールになる』
……っていう強固なナラティブがあるんだろうとは思います」
「そっか……。
あの人の言動に違和感っつーか、不快感あったんだけどさ、
それがマサゴさんへの攻撃だから以外にもあったんだよね。
無関係な第三者を叩いたり、自分は人より賢い側……みたいな」
「こいつはフェミなどに『被害者面するな!』と言っていたが、
こいつの中には『オタクだからいじめられてきた』という被害者意識と、
そこから生じる選民思想とが滲み出ています。
……でも、自分は絶対正しいって思ってる奴は、どこかで間違いを犯すものです。
攻撃対象を、マサゴさんに拡大したこともね……」
「ま、コメ主がどういう人かなんてわかんないけどさ、
どっちみちマサゴさんのチャンネルが嫌な雰囲気になったり、
事実じゃないことでレッテル貼られたんだから、
ちゃんと法的措置しないとダメかなって」
「まあ、俺もそうした方がいいと思う。
……でも、最終的な決定権を持つのはマサゴさんです。
こいつ、どうしたいですか?」
「……………………。
私は…………担当のM地さんに相談してみるわ。
あの人のコメントには、特にイシトリゲエムに対する言及が多かったし。
それで問題があると判断されたら、開示請求などに移行しようと思う」
「……わかりました。
マサゴさんの考えを尊重します」
「あっ、そういえばナナシさん。
明日は10時からディグクラ配信だよね?」
「そうだったな。
休日だからいいけど、寝坊すんなよ」
「だいじょーぶだいじょーぶ」
「もしかして、いつもの企画配信のこと?
この前もヤシゲームの配信をしてたけど……」
「久しぶりに対決企画もしたくなりましてね」
「それじゃナナシさん、いつものやろうか!」
「え? ここでもやんのか?」
「うん! だってアレがないと盛り上がらないし。
リハーサルだと思ってさ!」
「……ったく、しゃーねーなー。
いっちょ行くか!」
「ナナシの魔王!
今度こそ勇者ステラが倒してやる!!」
「ふふふ、毎度毎度懲りない奴め……。
このナナシの魔王が返り討ちにしてくれるわ!!」
「ぷっ、ふふ……」
「ちょ、ちょっとぉぉー!
そんなに笑わなくたって……」
「いや、その、ごめんなさい……。
でも、勇者と魔王なのに讃え合える間柄っていいなって。
このところ、あの人の持論やレッテルに悩まされっぱなしだったから」
「あの人もたぶん、本当は湛え会える相手が欲しいんじゃないかな……。
でも嫌な奴ばっかり見て、自分の界隈は優れた側だって自分をなぐさめてるだけで」
「類は友を呼ぶ、争いは同じレベルの者同士でしか発生しない……。
もし嫌な話題にばっかり首を突っ込んでるのなら、
そいつ自体に問題があるって証拠だろうな」
「……さて、それじゃあ私も俳句教室の先生として、
RTL……なんちゃらのコメントに所感を述べさせてもらおうかしら」
「何すか、それ?」
「うぉっほん!
今しがたナナシくんとステラさんから聞いた話を加味すると、
この一連のコメントを書いた人は、とても視野が狭く、思い込みが激しい人のようです。
ご自身ではリテラシーがあるつもりのようですが、都合が悪いことを受け入れない反面、都合がいいことは鵜呑みにしたり、書かれていないことを受け取ってその話題にシフトするなど、読解力に大きな問題があります。
また、一般的には通用しない、自分の中で組み立てた解釈をさも当たり前のように話すなど、物事を伝える能力に重大な問題が見受けられます。
他にも他人の立場を慮ることができないようで、第三者に迷惑をかける発言を厭わず、自身の発言がどのような影響を及ぼすかを考えられないなど、想像力が欠如しています。
私の俳句教室に来て、人とのコミュニケーション能力と、伝える力を磨くことをおすすめします」
「…………俺が言ったことも一部取り入れてますね」
「えっ!?
あっ……もうそんな時間……。
はい。……はい、ご連絡ありがとうございます」
「どうした、ステラ?」
「ごめん!
カラオケルーム、もうすぐ時間だった!」
「そういえばそろそろ時間だけれど、
それを見越して部屋をとってくれていたの?」
「はい!
丁度のタイミングになるように借りましたから!」
「お前、相変わらずしっかりしてるな」
「そりゃ、久々にMetaChatで飲み会だったもん。
あ〜でも部屋出る前に1曲だけ歌っていいですか?」
「それぐらいならいいわよ」
「ま、せっかくカラオケボックス借りたんだし、
なんか歌ってけよ」
「でも、なんの曲にする?」
「え〜と……。
(これじゃなくてヒット曲コーナーの……)
お待たせ、入力できた!」
「あっ、この曲ってもしかして……」
「それじゃ、歌いますね!!」
最初の投稿時に一部加筆し忘れていた部分と、続け様に同一人物のセリフが続いていた場所を修正しました。
1/27追記:他のエピソードを編集するにあたって、こちらも一部のセリフを加筆修正しました。




