File10:俺、馬鹿だからよくわかんねぇけどよ……
『(おつかれ!)』
「(おつかれー)」
「今日は怒鳴って悪かった」
『別にいいよ』
『■■■さんの事情もよくわかってるし』
『それにマサゴさんが困ってたらウチも辛いし』
「お前、ほんと優しいな」
「そういや帰りは自転車か?」
『(NO!)』
『お酒飲んでるから』
「すると電車か?」
『(YES!)』
「お前そういうとこはしっかりしてるな」
『逮捕はいやだし』
「ってことは**市の*********だな?」
『(驚愕)』
『なんでわかったん!?』
「俺のOSINTなめんなよ」
『(こわ〜…)』
「それより最近どこも安心できないから気をつけろよ」
『(グッド!)』
『でもマサゴさん、大丈夫かな?』
「最終的にどうするかはマサゴさん次第だ」
「あの人はちゃんと担当さんとも相談して、
必要な対処をするって決めてただろ」
『なんかさ、正しいか間違ってるかは置いといて』
『あの人の書き込み見てると、すっっっっごい冷たい気持ちになってくる』
「あんなのネットにはよくいる」
「ま、あいつ自体は特殊事例だがな」
「それと、多分あいつは俺と世代が近い」
『なんでそう思うん?』
「あいつが挙げていたアニメや特撮が、どうも俺がガキの頃と被ってる」
「レイランドに、戦士シリーズに、アイアンヒーローシリーズ。』
「どれも平成前半で、俺が小学生だった頃だ」
『でもなんでそれマサゴさんに言わんかったん?』
「それやったら特定されかねないだろ」
「お前も世代とかベラベラ喋るのはやめとけよ」
『(はいはい)』
『でもあのコメ主ってさ』
『なろう系とかアメコミとかを、作者も読者も貶めたり、
排斥しろってとこあったじゃん?』
『それって表現規制したい連中と
同じになってない?』
「他にも禁酒法や優生思想のようなことを言い出したりな」
『プチノフがウクライナを
ネオナチ呼ばわりするのも』
『イスラエルがパレスチナに
やってることもだけど』
『嫌いな相手とそっくりになってる人と、
そんな風にならない人って
何が違うのかなって』
「難しい質問だな」
「あいつのコメントの中に
『本当に繊細なのは人を傷つけてないか心配で体調不良になる人だ』
っていうのがあったよな?」
「本当にその通りだと思う」
『というと?』
「悪役とか人の悪いところを見て
わかるわかる、あいつがそうだって
ムカつく相手が思い浮かぶか」
「自分もそうなってないかって
振り返れるかが境目だと思う」
『要するに
俺馬鹿だからよくわかんねぇけどってやつ?』
「(そのとおり!)」
「本当に危険なのは
自分は正反対の聡明な側だって思ってる奴だ」
「それはつまり
やっぱパヨクって思考偏ってるわ〜
俺はバランス取れてるから大丈夫だけどw
なんて言ってるネトウヨが一番やばいということだ」
『怪異よりも人間の方が怖いって話だね』
「ま、突撃の巨神読んでも
わかってない人も多いからな
「◯◯って韓国人みたいでムカつくとか
突撃はネトウヨ風刺漫画って喜んだりとか」
『(えぇ…)』
『そんな人いるん?』
「名作読んでも
響かない奴は一定数いる」
『つーかウチもそんな風になってないよね!?』
「なんでそう思う?」
『だってウチ、無自覚にやらかしてるかもしんないし』
「だから、なんでやらかしてると思うんだ?」
『いやだって心当たりがないのがヤバいってさっき』
「(プッ)」
「そうやって心配するのが違うって証拠だ」
『(ありがとう!)』
『あと明日の配信忘れないでよ!』
「(当たり前だ)」
「(あっ)」
「今のうちに説明しとくけど」
『(?)』
「コラボ配信が終わったら、
しばらく不要不急の連絡は控えてくれよ」
『なんか用事できたん?』
「(サムズアップ)」
「ちょっと準備しなきゃいけないことがあるんだよ」
『それって?』
「教えてやらないとダメだろ?」
「都合の悪いものは見えない卑怯者に
社会の厳しさってやつをな」
「(聞かなかったことにするよ)」
この回で本連載は完結です。
自分の筆の遅さもあって、完結までに時間がかかってしまいましたが、ここまで付き合ってくださった方がいたら嬉しいです。
※追記:
もしかしたらお気づきの方もいるかもしれませんが、File2でマサゴが配信を行っていたのは、この飲み会でのやりとりの後の話になります。
担当編集者に相談し、然るべき措置を進めていく中、自身のチャンネルでも忠告を入れたことになります。
問題となったコメ主がどのような人物なのかは、読者の皆さんのご想像に委ねようと思います。
一日中ネットに張り付いているいるニートだという意見も、真っ当に働いている社会人だという意見もありだと思います。
また、作中で各キャラクターが言っていたことについても、これは間違っているというご意見も全然アリです。
筆者とは異なる角度からの、様々なご意見をお待ちしています。
最後に。
ここまで読んでくださった皆さん、ご読了ありがとうございます!!




