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男の俺が何故なのか? 子供を身ごもると、、、?

作者: 七瀬







ある時から、“俺のお腹がみるみるうちに膨らんでいった。”

俺は不規則な生活と食生活のせいで、太ったんだと軽く思っていた。

ほぼ毎日、会社の同僚や先輩、後輩と仕事の帰りに居酒屋でお酒を

飲んで帰っていたからだ!

朝もロクに食事もとらず頭がガンガン、二日酔いでそのまま仕事へ。

そんな生活が何年も続いていた時、俺のお腹が膨らみ始める!



『お前さ~随分と太ったんじゃないか?』

『“ビール腹ってやつですかねぇ~”』

『お前も中年オヤジになってんだから、健康の事とか気を付けないとな!』

『お互い様でしょ~』

『・・・だな!』

『俺も健康には気を付けます!』

『“一度! 健康診断でも受けたらどうだ? なんか大変な病気とか見つかる

かもしれないぞ!”』

『えぇ!? そんな怖い事、言わないでくださいよ~』

『でも、受けてみた方がいいんじゃないか。』

『・・・まあ、そうですね! 一度、受けてみます。』

『オレもお前の健康第一が分かったら、受けるよ!』

『俺をそんな風に使わないでくださいよ~』

『まあまあ、頑張って来い!』

『・・・はい。』






・・・数日後、俺は会社の仲が良い先輩に言われた通り、

健康診断を受けに行く事にした。

1日かけて、いろいろと体を隅々まで診てもらい1週間後に

健康診断の結果が家に送られてくると言われ俺は家に帰る。

家に帰った俺は、解放感からなのか?

直ぐに冷蔵庫を開け、缶ビールを飲み始めた。

その日は会社は休みを取っており、俺は朝まで酒を飲み続け

いつものように二日酔いをしながら会社へ。



『おい! お前、また二日酔いか?』

『なんか臭いますか?』

『“酒の匂いがプンプンだぞー!”』

『マジすっか?』

『まあ、後でこれ飲んどけ!』

『ありがとうございます。』

『でっ? お前、“健康診断を受けに行ったのか?”』

『行きましたよ。』

『“どうだった?”』

『“まだ分からないです、1週間後に結果が送られてくるみたいで。”』

『どこも悪くなきゃいいけどな。』

『そんな言い方、やめてくださいよ~』

『すまんすまん! でも健康診断はしといた方が絶対にいい!』

『・・・俺も先輩にそう言われて、受けに行こうと思ったんですよね。』

『じゃあ、また! 結果聞かせてくれよ。』

『了解すっ!』







 *







・・・それから1週間後。

俺は健康診断の結果を見て、愕然とした!?

【あたなの健康診断の結果は? 肝臓が少し弱っています、お酒を少し

抑えた方がいいでしょう。それとあなたは、“妊娠しています” 一度!

病院まで来てください! 詳しい診察をしますのでよろしくお願い

いたします。】



『えぇ!? “俺! 妊娠してんの?”』




何故? “男の俺が妊娠なんてするんだ?”

俺は至って普通の男だし、別に性転換とかもしてないし!

女好きだし、なんにも体はイジッテないんだ!

それがなんで俺が妊娠してんだ、それにそういう行為もしてないぞ!

なんかの診断間違いだ!

俺が妊娠している訳がない!

俺はこの日、ちゃんと病院の医師に“なんかの間違いだろう”と言って

やろうと意気込んで病院に行くと、、、?



『“おめでとうございます!”』

『だから先生! 俺、男ですよ! 子供を身ごもる訳ないでしょ!』

『これが! あなたのお腹の中です、ココ見てください! まだ小さい

ですが確かにあなたのお腹の中に赤ちゃんがいますよ。』

『“えぇ!? 冗談じゃなくて、ほ、本当の話なんですか、、、?”』

『勿論です! お腹の子供のエコー写真を持って帰りますか?』

『・・・あぁ、はい、』

『今現在でお腹の子供は、8週目に入りました。』

『はっ、8週目、、、!?』

『もう直ぐしたら、産まれてきますよあなたの赤ちゃん、、、!』

『“お、俺の子?”』

『“正確には、あなたが産む子供ですけどね。”』

『俺が産む子供。』

『“もう直ぐ、あなたもお母さんになるんですよ。”』

『お、お母さん? 俺、男なのに、、、?』

『まあ、おかしなことになってますけど、間違いなくあなたの子です。』

『“俺の子か。”』

『はい!』








・・・俺は健康診断の結果を会社の上司に伝え、長い間“有給休暇”を

取る事にした。

本当は仕事を辞めるつもりで、上司に相談したのだが。

上司は親身に俺の話を聞いてくれて、それなら有給休暇を取って休むと

といいと言われる。

本当に上司には感謝しかないが、俺はこれで安心してお腹の子を産む

覚悟ができたんだ!

俺の仲が良い先輩にも、“他の会社の社員の人には決して誰にも言わない

約束をさせて、俺のお腹の子供の話をすると、、、?”

先輩は、最初は俺の話を冗談だと思っていたみたいだが、俺があまりにも

真剣に話すので、“これが本当の話だと最後は信じてくれて、有難いことに

こうも言ってくれたんだ。”

【無事に赤ちゃんを産んで来いよ、産まれたらオレにもお前の赤ちゃん

抱かせてくれよな。】

俺は先輩に感謝しながら“はい”と答えた。






 *






・・・そして、10週目。

俺の赤ちゃんが産まれる!



【ウギャーーウギャーーウギャーー】


『三好さん! 元気な女の子が産まれましたよ。』

『・・・お、女の子か、ありがとうございます。』

『“ステキなお母さんになってくださいね!”』

『・・・お、お父さんですけど、お母さんにもなります!』





俺! “ママになりました。”

男ですけど、ママになったんです! まだまだ新米ママですけど、

パパもちゃんと両立してこの子をちゃんと育てていきます!

俺の可愛い赤ちゃん。


“・・・ただ、この子のお母さんなのか? お父さんなのか? 

俺の相手は一体、誰なんだろう?” それだけが疑問だ!


最後まで読んでいただいてありがとうございます。

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