未知の標識
道の標識は未知の標識。
深夜2時だけ未知になる。
とても不思議な標識なので、ついつい足を止めて見入ってしまう。
すると大変。あら大変。
早くおうちに帰らなくちゃいけないのに。
ずっと足を止めて見入っちゃう。
未知の標識は道にとどめる。
人をとどめて、危険を呼んでる。
危ない危ない、夜の世界に。
ずっとずっと、とどめるために。
帰れなくなり、戻れなくなる。
見つめたら最後。ずっとそのまま。
吸い寄せられて、吸収されちゃう。
ばっと標識が大きくなって。たちどまった人をぱくっと食べちゃう。
助けてくれと叫んでも。
標識の内側で叫んでも。
声は届かず、人は素通り。