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第53話産業問題~大臣side~

 

 私の思った通り、ラゴン公国は台頭してきた。

 これまで我が国と取引をしていた商人達が次々と公国へと鞍替えを始めたのだ。

 質の高いダイヤモンドは瞬く間に高値となり、その恩恵を受けた商人達はこぞって公国との交易を増やした。結果、我が王国のダイヤモンドの価格が下落し始めてしまった。このままではいずれ国民の生活に支障が出る程だった。

 我が国の現状は危機的状況にあると言っていい。それは私だけでなく他の大臣達も同じ意見だった。

 皆が頭を抱えた。

 この国の未来を考えれば、他国との貿易再開に向けて早急に手を打つ必要がある。だが、問題は山積みであった。


 まず第一にシャイン公爵家に代わる存在がいない事。

 第二に帝国との交渉窓口がない事。

 第三に帝国との関係修復が難しい事。

 第四に帝国と国交がある国と親しくない事。

 第五にアダマンタイト王国の国王陛下を説得する事は難しい事。

 第六にダイヤモンド以外の特産品が存在しない事。

 第七に貿易ルートの開拓が非常に難しく、伝手もコネもない事。

 第8に………………数え上げればキリがなかった。

 

「やはり、ダイヤモンド以外に何か特産物を用意する必要があります」

 

「それしかないか……」

 

「はい。それとやはり帝国との関係改善が必要です」

 

「そうだな」


 それが一番難しい。

 

「陛下にご報告しますか?」

 

「いや、まだ早い」

 

「何故です?」

 

「陛下はシャイン公爵令嬢の価値を理解していないからだ」

 

「……なるほど」

 

「今の陛下に話しても意味はない。むしろ、悪化させるだけだ」

 

「確かに」

 

「それに陛下は外交を知らない。報告したところで何も変わらないだろう」

 

「そうですね」

 

 結局、我々は無力だ。

 シャイン公爵家という存在を失った事でこの国は窮地に陥ってしまった。

 今、この国にはシャイン公爵家の代わりとなる人材はいない。帝国と交渉できる者もいない。

 帝国と繋がる事ができる者すらいなかった。

 

「どうしたものかな」

 

「……」


 沈黙が流れる。

 いい案が浮かばないまま時間だけが流れていった。


 

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