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第43話三年前~アウグスト国王side~

 学園の理事長からユリウスの留学を勧められた。

 恐らく弟の仕業だろう。

 物理的に二人を引き離そうという魂胆だ。学園側もユリウスの留学には乗り気だ。

 

 息子と姪が不仲なのは知っていた。

 私も思うところはある。このままではいけないと思っていた。解決策を見いだせずにズルズルきた結果がこれだ。笑えん。



 私の弟は天才だ。

 政治面に長け、数々の改革を成功に導いた。九歳でダイヤモンド鉱山を見つけ、シーラ帝国との交渉によって王国を瞬く間に豊かにさせた。十二歳で帝国に留学し、優秀な成績を収めて帰国。貴族教育が中央と地方とで隔たりがある事を知り、貴族全体の教育の育成を訴えたのは十八歳の時だった。それから貴族学園を創設し、初代理事長を務め二十三歳で理事を引退した後は、外交官として帝国に赴いた。そこでまさか帝国皇女に見初められ結婚するとは夢にも思わなかった。


 才能だけでなく運にも恵まれている弟は否応なく私を刺激する。

 昔は確かに可愛かった。自慢の弟だと思っていたんだ。だが成長するにつれ劣等感を感じ始めた。私にないモノを全て持ち合わせている弟に嫉妬している自分が嫌になる。周囲は弟の味方だろう。私と弟を天秤にかけて、何時も弟を取る。


 ユリウスは留学させるしかない。

 しかし、黙って頷くだろうか?それが心配だ。シュゼットを使うしかないな。母親が後宮に戻り、予算を以前より与えれば文句は言うまい。そういえばユリウスの友人は身分は低いが成績優秀者ばかりだったな。

 いっそのこと、彼らをユリウスの同行者として留学させるか。

 留学先は友好国の中から選ぼう。おお!そうだ!我が国とは違った政治体制の国に留学させるのも手だ。新たな価値観は自身を大いに高めてくれよう。さっそく手紙を書くとするか。






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― 新着の感想 ―
[良い点] 基礎教育の重要性を実感できた。 現状の国風と政治体制のメリットデメリット正確に把握せず隣の芝見ちゃうとなぁ。 学生運動で問題騒ぎ起こす優秀()な人ってこんな経緯だった人もいたんだろうなぁ …
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