01 若きワードナーの旅立ち
『それは トキヲ が ワードナーとなった つぎのあさ の こと……』
昨日ぼくは天啓でジョブがワードナーであることを告げられた。
目を覚ましたぼくはベッドの横にある机の前に立ち、その証拠である一冊の本を手に取る。
(ポイン)『【ワードナーのとも】 を てにいれた』
革製の表紙をめくってみるとぼくのステータスが書いてある。
トキヲ:かけだし
せいべつ:おとこ
LV:1
HP:25
MP:12
TP:7
(なまえ):ドラゴン
せいべつ:-
LV:-
HP:-
SP:-
ぼくは続けて机の引き出しを開ける。
(ポイン)『300ゴル を てにいれた』
ベッドのそばのクローゼットを開ける。
(ポイン)『【たびのしたく】 を てにいれた』
他にすることはないみたいだ。部屋を出て階段を降りる(タッタッタ)。
1階でご飯を作っている母さんに話しかける(面倒なので会話には脳内補正をかけておこう)。
「おはよう、トキヲ。あなたもワードナーになったのね。母さんも鼻が高いわ」
母さんに挨拶して食卓につく。
「あなたの好きな【満漢全席】を作ったのよ。今日も頑張ってね」
うん、これはぼくが悪い。ウケ狙いに走ってスベった感が半端じゃない。
食事を終えて扉の前に立つ。
「気をつけていってらっしゃい。父さんのような立派なワードナーになるのよ。お弁当に【満願全席】をつめておいたから後で食べなさい」
いや、無理あるだろ。
外に出るとここは始まりの村ビギン。情報収集に村の中を歩いてみる。
「ここはビギンの村だよ!」
「【たびのしたく】を持っているな。村を出る時には装備しておけよ」
おっと見落としていたな。【たびのしたく】を装備した。
「若い者はみな村を出てネクストに行ってしまう。お前もそうなのか?」
次の行く先がネクストか。安直だが分かりやすい。
「にゃ~ん」
「う~わんわん!」
「父の名に恥じない立派なワードナーになれよ。それはそうと娘に手を出したら許さんぞ。ハッハッハ」
「隣町に老いたワードナーが居るらしい。会ってみるといい」
これが隣町ネクストに行く理由だな。
村の門に向かうと少女が話しかけてくる。
「ねえ、マリーをお兄ちゃんのお嫁さんにしてくれる?」
(はい ▼いいえ)
「えーん、お兄ちゃんのいじわる!」
ああ、行ってしまった。次に親父さんに会うと会話が変わるのか? 気になるが村を出て先を急ごう(ザッザッザ)。
フィールドに出る。マップの北に町が見える。あれがネクストか。最短距離で進んでいこう。
おっとここでバトル発生だ(ティラリロティラリロリ~ル~)。