リンゴと緑の王子
ヘンゼルとグレーテル達は、森の中に消えてしまった。
飛鳥はまた1人になった。
飛鳥は1人になって暇になり、先ほどマーガレットにもらったリンゴを眺めた。
「とっても、綺麗なリンゴ……」
リンゴは赤く、光輝いていた。
リンゴを眺めていても何にもならないため、飛鳥は自分が入りたいと思った本の内容を思い出した。
飛鳥の入りたい本と思った本を思い出したが、ヘンゼルとグレーテル、マーガレットとなどという登場人物は出てきた覚えがなかった。
つまり……私が何も行動を起こさなかったから物語が変わったのかしら……など飛鳥は空を眺めながら考えていたらグーと飛鳥のお腹が鳴った。
「お腹減ったな……」
飛鳥は手に持っていたリンゴを眺めた。
飛鳥はリンゴを食べた。
「なんだか……眠く……」
飛鳥は凄い睡魔に襲われてお花畑に倒れてしまった。
――数時間後
飛鳥は意識を取り戻したが、目が開かない。
『……なに……これ』
飛鳥は声を上げたいのに、声も出せない。
飛鳥は体を動かそうとするがピクリとも動かない。
飛鳥の体は植物状態になってしまったみたいだ。
『どうしよう……』
飛鳥は困り果てた。くまを呼ぶにも声が出ないため呼べない。
すると人が歩いてくる音が聞こえた。
「綺麗だな……」
散策に来ていた緑の王子がお花畑を見て微笑んでいる。
「そうでございますね……」
お付きの爺やもお花畑を見て微笑んでいる。
『気づいて!!』
飛鳥は心の中で願った。
飛鳥の願いは届き、緑の王子は飛鳥が倒れていることに気がついた。
「爺や……あそこに人が倒れている」
緑の王子が飛鳥に急いで駆け寄った。爺やも緑の王子の後を付いて急いで駆け寄った。
「心臓も動いている……息もしている」
緑の王子は飛鳥の胸と口に耳を傾けた。
「大丈夫か」
緑の王子は飛鳥の体を揺すったが、飛鳥は目覚めない。
『体を揺すられても戻らない……』
飛鳥は揺すられても戻らない体に絶望的だった。
飛鳥は、このままどうすればいいのかという不安に駆られた。
緑の王子は飛鳥をお姫様だっこした。
『え……何が起こっているの』
飛鳥は体が浮いていることは分かるが、目が見えないため何が起こっているのか分からないため不安になった。
「爺や、城へ帰るぞ」
緑の王子は振り返り、後ろにいた爺やの方を向いた。
「かしこまりました」
爺やは緑の王子に頭を下げた。
緑の王子と爺やは馬車に向かって歩き出した。