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大好きな婚約者、僕に君は勿体ない!◆は?寝言は寝てから仰って◆  作者: ナユタ


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◆エピローグ◆  

これにて本編完結です!


(*’・ω・)ノシ        \(・ω・、\)<す、すれ違いさーーーん!!



 先日王都の大聖堂で王族と挙式を共にした若い二人が、友人達に惜しまれつつ故郷へと戻ってから一週間が経った。


 女性の方は居丈高にツンと澄ました印象を与える美女で、ふんわりとうねる豊かな夜色の髪に、切れ長な紫紺の瞳。血統書のついた黒猫のようなその姿からは、少女の気配を脱ぎ捨てたばかりのまだ初々しい色香と、これから成熟していくであろう妖艶さを醸し出している。


 対する青年の方はといえば、眼鏡越しに女性を見つめる穏和さと聡明さを感じさせる榛色の瞳と、鳥の巣のようにクシャクシャとした枯れ草色の髪をしたどこかぼんやりとした印象だ。


 けれど端から見る者に正反対の印象を受ける両者は、それでいて昔から妙な安心感を見ている周囲に与える。


 二人は王都での式を終えた後、一度男性の故郷である辺境領まで結婚の報告に向かい、一晩を男性の家族達と祝ってからほとんど何も……いや、一株のバラの苗とカスミソウの鉢を持って、女性の実家である領地へとやってきていた。


 そもそもこの二人は互いに田舎の辺境領出身の婚約者同士であり、男性の方はその辺境領貴族の三男坊。


 元より結婚後は女性の領地を継ぐために婿入りすることが決まっていたのだが――女性の方が三年間王都の学園で学ぶ機会を得た才女であった為に、一週間前まで結婚式が挙げられなかったのだ。


 けれど離れていた三年間で二人の心が変わることはなく、無事にこうして女性の領地へと揃って結婚の報告と婿入りの手続きを終えることが出来た。

 

 今は二人で男性の趣味である土いじりをこの土地でも出来るようにと、女性の屋敷を囲む小さな庭園を並んで歩きながら、持ってきた苗の移植場所を探している真っ最中だ。


 ――と、気になる場所を見つけたのか、男性が鉢植えを地面に置いてしゃがみ込む。すると隣を歩いてた女性の方もスカートの裾に土が付くのも気にせずに、一切躊躇せず男性の隣にしゃがみこんだ。


 熱心に土の感触を確認している男性の横でその様子を見ていた女性が、紅も引かないのに赤いバラの花弁のように色付く唇を開いた。


「そういえば不思議だったんですけれど……ダリウスにもらったカスミソウは甘い香りがしたのに、王都の花屋にあるカスミソウは臭かったの。あれはどうしてかしら?」


「あー……それはね、本来カスミソウがハエの力を借りて受粉するからだよ。でもうちの敷地内で育てているカスミソウは宿根草だし、長年同じ土地に植わっていたから、ハエを呼ばなくても受粉が出来ると学んでいるからね。それに、土もフカフカで根からの栄養も苦労せずにもらえるから……要するに甘やかされ慣れてるんだ」


「あら、そうですの? 私はてっきりダリウスが大切に世話をしているからだとばかり思っていましたわ」


「はは、そうだと僕も嬉しいなぁ」


「きっとそうですわよ。だってあなたの手は魔法の手ですもの」


「僕はきっとイザベラが顔を埋めて香りを楽しむのが好きだから、カスミソウが気を良くしたんだとばかり思ってた」


 女性の可愛らしい疑問に、青年が穏やかにそう答える。するとおもむろに地面に手を当てていた青年が、何事か小さく囁いた。


 瞬間ほんのりと青年を淡く白い光が覆い、触れていた地面に光の粒子が水が湧くように広がって染み込んでいく。


 その姿を愛おしそうに眺めていた女性が、不意に俯き気味だった青年の顔を覗き込み、日に焼けた頬に口付ける。


 女性の甘い不意打ちに照れた様子で微笑んだ男性が「急にどうしたの?」と訊ねれば、女性はふにゃりと微笑んで「そんな風に優しく微笑んで“これからよろしくね”と言うあなたを見ていたら、つい領地の土であろうと妬いてしまったのよ」と打ち明けた。


 青年はそんな女性を見て目を瞬かせ、次いでほんの少しだけ悪戯っぽい微笑みを浮かべて「今のは頬にしかしてくれないの?」と女性の方に顔を近付ける。


 女性は迫られると弱いのか、常なら白いその頬を薄い桃色に色づかせて「まぁ、狡いわダリウス。それも私からさせるの?」と唇を尖らせた。


 青年はその反応に満足したのかククッと喉で笑うと、眼鏡を外して土に触れていない方の手で女性の頬を一撫でして「君の照れる顔が見たいから、目を閉じないで?」と女性にねだる。


 今度こそ真っ赤になった女性に微笑みを深めた青年は、身体を屈めて今度は自分から女性に口付けた。視線を絡めたまま二度、三度と交わされる口付けに、二人は同じくらい頬を赤く染める。


「……私の領地にいらっしゃいませ、旦那様?」


「ふふ、それじゃあ……僕のところへお帰り奥様?」


 そう小さく笑いあった二人は、どちらともなく目蓋を閉じて口付ける。


 そしてあの日のように庭園で、この“恋”を“愛”へと変えるのだ。



最後まで本作にお付き合い下さった読者様達に最大級の感謝を!!!

本当に本当にありがとうございました(*^ω^*)<また会えたら嬉しいな~!


ここで本編は完結となりますが、

また後日談や番外編が書けたらいつの間にか更新しているかもですw


アルバート達を番外編にすべきか、

別口で短いお話として書くか悩んでます;

短くこっちに合流させるかちょっと掘り下げて分けるかどっちが良いんだろ;

お優しい読者様方、どなたかよろしければ教えて下さいませ~!

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