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プロローグ 笙子は俺のヨメ

「落ち着いたか?笙子。」

「・・・ん。」

2人は席に向かい合って座ってる。

ちなみに店は売切御礼という札を貼ってるせいで客は来なかった。

「・・・で、あの睨んでくる人たち、何?」

笙子はさっきから殺気を隠そうともしない連中を指さしていった。

「ああ、あれは俺の部下だ。さっきお前が俺を引っぱたいたからな。気にするな。」と言いながらクビを振って合図した。

連中も少しは冷静になったのか襲ってこない。

「俺、向こうでは皇帝やっててな。」

「え?何それ。」

「小説サイトでも良くあったチート転生ネタだよ。実際に俺自身が実践するとは思ってなかったが、8歳で元服して10歳で自分の国掌握して、15歳で世界制覇した。」

凄絶で波乱の人生をさらっと流すベルである。

「世界制覇したときに次元魔法を見つけてな。やっとコツをつかんで地球に戻ってこられた。」

「・・・そっか。」

「目標をコミケにした。・・・オレたちが青春捧げた所だから。」

「ん。」うんうんと笙子はうなずいた。

そう言いながらもポロリと涙が流れ落ちる。

それを見た瞬間に言わなければ成らないことを繰り上げようとベルは決意した。

「笙子。」

「ん?何?」

「結婚しないか?」

「え・・ええ?」動揺しまくる笙子だがそれ以上に従者も驚愕している。

「へ、陛下!?本気ですか」

「ああ、だから彼女は皇配候補筆頭だ。その意味分かるな?」

そう部下にベルは宣告した。

つまり笙子を皇帝不敬罪で無礼討ちすることは許されないということ。

手を出せば逆に第一級の重罪に問われることになる。

「どうだ?笙子。向こうには今のところテレビもネットも引けないがたっぷりと同人活動が出来るぞ?」

「ち。。。ちょっと、頭が混乱してるんだけど。」

「ゆっくり考えてくれ。これは『新』として言わなければならなかったことだったからな。・・・言えずに死んでしまったから。」

「そっか・・・・。ん。ここで返事しないと絶対後悔するね。むしろこっちから結婚したいよ。新。」

なぜなら彼と彼女は一度死に別れを経験してるから。

先延ばしは絶対に後悔すると感じたのだ。

「笙子・・・。」ほっとしたようにベルは言った。

「これで笙子は正室候補筆頭だ。」

「え?青漆?」

「微妙に漢字が違うような気がするが、皇帝の嫁という意味の正室だぞ?」

「あ。」

笙子はその意味に気が付いた。

ラノベとかでは正室と側室でドロドロの醜い争いが描かれる。

たいていの場合、正室または正室候補は悪役令嬢であった(偏見)

笙子が何を想像しているか見当ついたベルはフォローした。

「お前がたくさん子ども産んでくれるなら、別に側室なんか取らないぞ?」

そう言ったら笙子は身の置き所がない感じで照れまくった。

それを見てベルも照れくさく感じた。

「・・・・。」

「・・・・。あ、いかんいかん。」

ベルは頭を切り替えた。

「さて。私的な要件は取りあえず置く。笙子、あのクソ親父に連絡取れない?」

「え?・・・何をする気?」

「国交樹立するために来たんだ。まず外務省に接触しようと思ってな。」


第211代皇帝ベレトラルは生涯、正室のみで側室は取らなかったと伝えられる。

正室ショウコは国交が樹立されたばかりの異世界国家日本から来たが、子どもを30人ほど産んだ女丈夫と伝えられる。

その仲の良さは後の貴族や民衆の規範とされるのだ。

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