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火水風土  作者: 田中 椿
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友達

 サニーニャとはベラの唯一の友達だ。

 みんなあの事件で奇跡だ、と騒いでいたが内心怖がっていた。

 本当は奇跡なんて信じて居なかった。

 だから、サニーニャしか友達はいない、サニーニャは奇跡を信じてるらしい、それに引っ越してきた時、ベラが最初に声をかけてくれたからベラが怖いとは思わなかったのだ。

海につくとサニーニャは早速靴を脱ぎ海に駆けていくと、いつも以上に騒ぎ、はしゃいでいる。ベラはあまり濡れたくないので、浜辺で立っている。

「ねぇベラ、私が死んだら悲しい?」

 突然の問いに困惑するベラ。サニーニャには

「なっ、急に何言ってんのサニーニャ」

「いいから! 悲しい?」

「そりゃ悲しいよ。会えなくなるんだから。なんで急にそんなこと言ってんの?」

「実はね。私、ベラに隠してる事があったの。ここに来たのは理由があるの、ここの病院すごいでしょ、だから来たの。私、小さい時から体が弱くて風ばっかひいててね、8歳の時とうとう心臓の病気になちゃったの」空を見ながら話している。

「でも、いまピンピンしてるじゃない」

「まあね、ここに来てから調子がよかったの。でも、昨日病院に行ったのそしたらお母さんに彼女もう長くないですよ、後2~3ヶ月でしょうね。って言ってるの聞いちゃたの。私も気付いてた、そろそろだって」サニーニャは、泣いていた。でもベラは、泣いていなかった。

「ベラ、私が死んだら泣いてね。いーっぱい。だっていつも泣かないんだもん、死んだ時くらいベラの泣き顔、見たいわ」サニーニャは泣きながら悲しく微笑んでいた。

「うん、わかったよ」

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