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火水風土  作者: 田中 椿
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異変

 あの事件から一週間後、トナのお母さんが未知の病気で倒れた。すぐに病院に連れて行き、検査を何度も何度もしたが、何も分からなかった。そして、2日後、お母さんは苦しみながら息を引き取った。皆、悲しんでいたが、ベラは違った。お母さんが死んだという事は理解しているはずだが、普通に笑って死んだ人の周りを歩いていた。その時、お父さんは本当に悪魔なのだと思った。

 それからトナのお父さんは、ベラに冷たくなった。

 悪魔と一緒に暮らせるか、と言い放ち、家の隣にある教会で暮らす事にした。

 あの事件からベラは、火を操れる事を知った。トナも気付いた。幸い、お父さんには、気付かれてなかった。

 トナはみんなにこの事を隠し続けた、お父さんにも。

「ベラー居るー? 海行こうって約束したでしょ!!」

 外から聞こえる。女の子の声だ。

「朝からうるさいよ。憶えてるし、そんなに大きな声出さなくても聞こえるよ。サニーニャ」ベラは、起きたばかっりで、髪がクシャクシャだ。2階の自分の部屋の窓からそんな髪をもっとクシャクシャにしながら答えた。

「だってー。早く行こうよ~海だよ」

「海なんて5分もありゃ行けんでしょ」騒ぐサニーニャに冷静に2階の窓から言う。

「そうだけど、ベラと早く行きたいの」駄々っ子のように足を踏む。

「分かったから。ちょっと待ってて」寝巻きを脱ぎながら言った。

 トナが作ってくれたゴスロリのようなワンピースに着替える。トナは小さい頃服を作る仕事に就きたかったらしい。今ではベラのために作っている。しかもその服は他の人とは違って変わっているので、人ごみで迷子になっても見つけられる。ベラが一番気に入ってるが今着ている服だ。

 髪をとかして用意が整った。ご飯を食べずに外へ出る。

「ほら行くよ」

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