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火水風土  作者: 田中 椿
29/31

トナとベラの買い物が終るとサナが、

「家に来ない?」

と誘ってきた。

「トナ、行って来て良い?」

ベラがトナの顔を見上げ言った。

「いいよ。行ってきな」

「よし。じゃあ、行こうか。ベラ」

「うん。それじゃトナ行ってくるよ」

「日が暮れる頃には帰ってきてね」

「わかった~」

そういうと、ベラはサナと話しながらサナの家に向かった。そして、トナは自分の家に帰っていった。

ベラがサナの家に着くと、サナが書斎に連れて行ってくれた。ベラは本が大好きだ。だから、サナの家の書斎はベラにとって、天国のようなものだった。

そこは、物語、科学、絵本、何でもそろってあった。

「最高、サナ。見せてくれてありがとう」選んでる途中後ろを振り向き、とても、元気な声でサナに言った。

サナは、見ていた本から顔を上げ、

「喜んでくれて嬉しいよ」と、笑顔で言うとすぐに本に顔を戻した。

すると、バタッと音を立てサナが倒れた。ベラはその音を聞くと、パッと後ろを振り向き、状況を理解しようと頭を回転させた。近づくとスースーと寝息を立てているので、ただ寝ているだけと思われた。だが、あんなに急に寝れるものなのか?と疑問を持ち、起こそうとサナの体を揺すった。

それでも起きないので、ベラは焦りもっと激しく揺すり声をかけた。すると、怖い夢を見たかのように叫んで、歪んだ顔でベラの肩を掴み焦ったように言った。

「ベラ大変だよ、大変。ト、トナが何か黒いものと空をとんでる白いものに連れてかれる」思いもよらない彼女の言葉に一瞬驚いたが、すぐに「サナ大丈夫だよ。それはただの夢だから心配しないで、トナは連れてかれない」安心するように抱きつき背中をさすった。でも、サナはすぐに撥ねのき、信じてよ、と声を上げた。目には、涙が溜まっている。

「私にはよくあるの、こういうことが。両親とか友達が夢に出てくる時はいつも、一時間以内に夢と同じ事が起こる。そしていつも、後悔するの。ベラだって後悔したくないでしょ」

サナが言い終ると同時に何か大きなものがどこかに落ちる音がした。

「来た! あいつらだ。トナのとこに行かなくちゃ、ベラが信じないならここに居ていいよ」冷たい言葉を言い放つと立ち上がった。

「待って、サナ。なんで……何で助けようとするの? まだ会って2日だよ、私はあなたを信じきってないから」これはずっと彼女が思っていた事だった。ルーアンダでの事があったのだからしょうがないことだ。

「私だって、出来る事なら信じて何でも相談して遊びたいよ。でも、前の事を考えると信じる事も出来ない」ベラがそういうと、サナはにこっ、と笑い

「大丈夫だよ。私だって信じてない。だって人は嘘を吐くものでしょ」これを聞いたベラは

「じゃあ、なぜ! 信じろといった」興奮しすぎて言葉が男のようになっている。

「あれはしょうがなかったの。あなたの手で助けて欲しかったの」少し悲しそうに話している、ベラはあって2日目でサナの過去が知りたくなった。

ねぇ、とサナが次の言葉を言おうとすると同時に、さっきの音がまた響いた。

「もう、連れてかれる。私はもう行くから着いて来るなら来て」そう言ってベラに背中を向ける。ベラも立ち上がり、走ってサナと一緒に自分の家にかけて行った。

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