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火水風土  作者: 田中 椿
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サナ・ユーロ

手続きが終るとルーンは町を案内してくれた。

町の案内が終ると、ルーンは家族を紹介してくれた。

「この子が私の娘のサナです」さっきドアを開けてくれた女の子だった。

「よろしく、トナさんえ~と・・・」

「あっベラよ」ベラ本人は何も言わないのでトナが代わりに言った。

「よろしく、ベラ」

「・・・」

「こら、返事をしなさい!」

「はいはい、よろしく」素っ気無く言った。

「ごめんなさい」

「良いんですよ。私もこのくらいの時初めて会った人には、同じ様な態度をとっていた」ベラはその事を聞くと少しイラッときた


「この人が僕の妻のヘルです」

「初めましてトナさん。分からない事があったら聞いてくださいね」やさしくヘルは言った。

「ありがとうございます。それとトナで良いですよ」

「そうですか」

「トナ、今日は一緒に夕飯を食べない?それにもう夕方だから市場はやってないわ。食べ物はあるの?」

「良いんですか、それじゃあお言葉に甘えて」

「よかったわ。それじゃあ夕食の準備をするので座ってて、サナ、ベラと遊んでなさい」

「それでは私は、仕事があるので」


「はーい、それじゃあ私の部屋に行こうかベラ」


「ヘル、手伝うわ」

「いいわよ」

「食べるだけなんて申し訳ないわ」

「そう、じゃあご飯頼める?」

「いいわよ」


「ベラ、何して遊ぶ?」

「何でもいい」

「そう、じゃあ話でもしよっか」

「何話すの?」

「いろいろ。ベラ前どこに住んでたの」

「ルーアンダってとこ」

「じゃあ、友達いっぱいいたでしょ、別れるの辛くなかった?」

「辛くないよ」

「なんで?」

「私の友達は一人だけ、そのこは殺されたから友達はいなくなった」

「誰に殺されたの?」

「知らない」ベラはうそを吐いた。

「悲しかった?」

「悲しかったに決まってるでしょ。あんたは友達いないの?」

「いない、ここは森の近くでしょ、だれも近ずかないの」

「どうして?」

「熊とかが出るから」

「出た事ある?」

「あるかな?一回だけ家の窓においてあったハチミツがある日、無くなってて窓も割られてたしでも、泥棒かも知れないからなんとも言えないけど」

「じゃあ一応安全じゃない」

「まあね、でもみんな怖いのよ」

「私と一緒ね」

「えっ、何話して!」ボソッと言ったつもりなのに聞こえていた。

「ルーアンダから出てきたのは・・・」

「ご飯よー降りてきてー」

「はーい。行こっか」

「うん」ベラは、さっきの話をしなくていいことに安心していた。サナは聞きたかったが、ベラが話そうとした時、とてもつらそうな顔をしていたのでやめた、それに初めての友達を失くしたくなかった。

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