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火水風土  作者: 田中 椿
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12年と火

 それから、12年が過ぎた。今じゃ、捨てられた赤ちゃん、ベラは12歳だ。

 ベラはトナが、本当のお母さんじゃないことを知っている。なぜなら、顔は全然似てないし、トナを「お母さん」と呼ぶといつも「私はお母さんじゃないわ、私は代わりよ。だからお母さんなんて呼んじゃダメ」と言われたから。それに、絶対に違うとわかるのは、トナに拾われた日を覚えてるからだ。

「ベラーちょっと来て」トナに呼ばれた。

 ベラは、「何?」

 と返事をすると下に行った。

「また火がつかないの、つけて」

「またなの! 今週で五回目だよ。早く新しいマッチ買ってよ」

 ベラは、文句を言いながら火をつけた。普通は、マッチでつけるのだけれどベラは、人差し指を立ててると、着火マンのように指先に火がつく。

 そう、彼女は火を操れる。でも、その事は家族以外、誰も知らない。家族とベラがその事に気付いたきっかけは、ベラが3歳の時だった。

 

 トナと2人で散歩してる時、近くで火事があった。ベラは好奇心で近づいた、そのとたんベラを飲み込むように火が襲った。

 みんなが、助けようとしたが、キャッキャッと笑ってベラがすぐに出てきた、体には火傷の痕も火無く、みんな火がどこかに行ったと思い

「きせきだ!」

 と声を上げ喜んだが、ただ1人トナのお父さんは違った。

 お父さんにはベラが火を吸収したと思い、

「悪魔だ!」

 と呟いた。

 お父さんが思った通り、ベラは知らぬまに火を吸収していた。

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