表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
いぶきとあかりの異世界回想録♬  作者: おもち
第三篇 首都ローゼン
65/75

第62章 ノアは騎士だったらしい


 妖精の渓谷。

 エリカ達がいる水辺の反対側では、ノアといぶき、アイラが訓練をしていた。


 それぞれの課題を洗い出す。

 

 いぶきは、ノアのクラスシンボルに目を落とす。

 「ノア。今更だけど、あなたのクラスって剣士なんだよね?」


 「ん、あ、いや? 俺は騎士だぞ?」


 「え?」


 ノアはおもむろに盾の形をしたクラスシンボルを握る。


 「騎士は王の盾で、防御に特化していると書いてある」

 

 「スキルは?」


 「スタンとヘイトって書いてある」


 「どっちも使ったことなくない?」


 「だって、俺、盾もってないし。スタンには盾が必要らしいぞ?」


 そうか。

 この人は、細かい事には、とことん無頓着なのだった。


 「なんで盾もってないの?」


 「いや、重いし。俺、現実世界でやってたの剣道だからさ。盾って邪魔くさいんだよな」


 はぁー……。


 どおりで、いまいちパッとしなかった訳だ。

 この人、正直なところ、いままであんまり活躍してないものね。


 ってことは、まずは装備か。

 ノアは……、盾を持ってきている訳はないね。


 エルフの里に一旦戻り、盾を借りることにした。長老に相談すると、命の恩人だからといって、快く立派な盾を準備してくれた。


 縁につたのような柄が入った大楯だ。

 裏側には宝石があしらわれている。


 すごく軽い。これはミスリルかな。

 きっと随分と高価な代物だぞ。


 訓練で借りるだけのつもりだったのだが、長老はノアにずっと使っていいと言ってくれた。


 なんでも、エルフには軽装備が好まれるので、大楯を使う者がほとんどいないそうなのだ。なので、お言葉に甘えることにした。


 渓谷に戻って、訓練を再開する。


 いぶきとアイラでは、盾が無くてもノアにダメージを与える事ができなそうなので、あかりとメイ、エリカにも声をかける。

 

 『ごめんね、みんな』


 メイはノアをみると頬を赤めている。


 「ノアさま。かっこいいです……!」


 この人、大丈夫かな?

 本気で攻撃してくれなそうなんですけれど。


 

 では、訓練開始!


 あかりとメイは武器を構え、ノアに近づく。

 エリカは、杖先をノアの方に向けている。


 あかりは短刀に帝釈天の雷を付与する。

 メイもレイピアに風魔法を付与している。


 あかりは身を低く屈め、地を這うような軌道でノアに飛びかかる。メイはノアに向かって駆け始めると「兎の輪舞(ラビット•ステップ)」で急加速した。


 エリカは、アイス•ランスで円錐形の氷塊をノアに飛ばす。

 

 三位一体の連撃。

 ちょっと本気すぎるような?


 あれ、私ならきっと死んじゃうヤツだ。


 ノアは、大楯の下辺の先端を地面に刺すと、左肩を入れ身体全体を盾に隠すように構える。

 

 そして、両脚に力を入れ、前のめりになる。


 3人の攻撃が大楯と衝突する。

 鈍い金属音が辺りに鳴り響いた。


 直後、ノアが左肩を起点にしてタックルのように盾を一気に押し出す。


 スタンだ。

 

 あかりとメイは、不意に盾撃をうけ、目眩でたじろいだ。


 「そこまで!」

 

 いぶきは中断の号令をする。

 スタンは思ったより有効そうだ。


 今度は、いぶきについて洗い出しをする。


 まぁ、これは言わずもがなだった。

 攻撃力がないことだ。


 でも、神官だからね。

 仕方ない気はする。


 ノアは不思議そうな顔をする。

 「なぁ、いぶき。その猫、お前の使い魔だろ。攻撃とかできないの?」


 すると、おもちは激怒してノアに噛み付いた。

 「いてぇよ。わーった。大精霊様、あなた様は攻撃してくれないのですか?」


 するとおもちは、アクビをすると後ろ足で頭を掻きながら答える。

 

 「我はいぶきと対等の関係だ。そんな面倒なことはせぬわ」


 いぶきは心の中でつっこむ。


 『精霊契約で私の刃になってくれるって言ってたじゃん……』


 そんないぶきの心中を察したのか、おもちは続ける。

 「まぁ、氷の精霊力なら貸してやらんでもないぞ?」


 そして、おもちは、軽快なステップでいぶきに駆け寄ると、耳打ちした。


 「ほうほう。なるほど……」


 いぶきは何かを教えてもらったらしく、頷いている。


 「ノア、剣を上に掲げて」

 

 ノアが言われた通りにすると、いぶきは、ノアの右手に手を添え詠唱を始めた。


 「「氷を統べる精霊の王よ。凍てつく刃となりて、敵を討て。精霊氷剣(スピリット•コールド•ブレード)」」


 すると、ノアの剣は、強烈な冷気を纏った。

 試しに、枝葉に剣をかざすと、その周囲の葉は、凍てつきガラス細工のように粉々になった。


 ノアは口笛を吹く。


 「これはすごいな」


 いぶきは満足そうにしている。

 戦闘の役にたてることが、よっぽど嬉しいのだろう。


 さて、訓練も終盤だ。


 いぶきは全員を集めると、チームでの模擬戦を提案した。


 組み合わせは、メイとエリカ、ノアといぶきだ。


 それぞれが位置につき、構えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ランキングサイトに登録しました。 面白いと思っていただけたら、クリックいただけますと幸いです。
小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ