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いぶきとあかりの異世界回想録♬  作者: おもち
第三篇 首都ローゼン
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第57章 ダークエルフの企み


 ————もうだめだ。


 皆がそう思った。

 

 

 

 しかし、予想に反し、あたりは眩い光に包まれる。

 真上からの照射により、長老の周りの影が消えた。

 


 ブレイズ・オブ・ライト。

 ピンチを救ったのは、アイラの閃光の魔法だった。



 長老の目の前のダークエルフは怨嗟の奇声を発しながら、姿を消した。


 ノアやあかりも目が眩んだが、ダークエルフは人間よりも遥かに光に弱い。

 視界を完全に奪われ、目を覆ってのたうちまわる。


 いぶきは……。

 目が見えなくなって、遠くの方で転んでいる。

 

 ノアはダークエルフ2人を取り押さえた。

 そして即座に尋問を始める。

 消えたもう一体を取り押さえないといけないからだ。


 「お前ら。どうやってこの里の場所を知った?」


 ダークエルフは自分の今の状況など意に介さず、見下すような態度をとる。

 「本当に人間は愚かだ。我々はずっとお前らの影に潜んでいた。ここに案内してくれたのは、お前らだ」


 「ずっとって、リッチとの闘いからか?」

 確かに、あの時の取り巻きのダークエルフの数が足りないとは思っていた。


 「そうだ。リッチとはいえ、元は人間。お前ら同様、役立たずだったがな」


 「エルフの長老を狙ってどうする気だ」


 「決まっている。お前らの悪巧みを阻止するためだ」


 「悪巧み?」


 「決まっている。我々を欺き、この世界を滅ぼそうとするのはお前らテスターなのだからな」


 そういうと、ダークエルフ達は唇を噛むような所作をする。

 

 ノアが「飲み込ませるな!!」と叫ぶが。

 飲み込んだのは猛毒らしく、ダークエルフたちはその場で絶命した。


 残りのダークエルフは少なくとも後1人はいる。

 エルフの里の隅々まで探したが、見つけることはできなかった。


 ノアはエルフの長老に謝罪した。

 「長老。申し訳ありません。残りのダークエルフは取り逃しました。エルフの里の場所が漏れてしまいました」


 長老は、いぶきの回復の加護を受けながら答えた。

 「気にするな。ダークエルフの侵入に気づかなかったのは、私たちの失態だ。それに、我々は森の守人。自分達の身くらいは自分達で守れる」


 ノアは、自分達がこれからしようとしていることを説明し、陳謝した。

 自分達のことは包み隠さず話すことが、せめてもの誠意であろう。


 長老は頷き、気にするなという仕草をする。

 「せっかくの宴が台無しだな。申し訳ないと思うなら、最後まで宴会を楽しんでくれ」


 宴会は再開され、いぶきたちは、夜遅くまでエルフたちと歓談した。



 

 次の日の早朝、いぶきは祠に行くための待ち合わせ場所にいた。

 祠の中へは1人で行かなければならないが、道中の護衛としてエルフの戦士が数名付き添ってくれることになったのだ。


 あかりたちは、すごく心配している。

 「いぶきちゃん、本当に大丈夫? わたしも一緒に行く?」


 「ううん、あかりはノアをサポートして。私は1人で大丈夫。護衛もいるしね」


 「でも、祠の精霊って強いんでしょう? 心配」


 いぶきは胸をはる。

 「それも大丈夫。昨日、エルフの人から攻略法を教えてもらったんだ」

 


 昨日の宴の席でのことだ。

 いぶきの美貌は、どうやらエルフの男性にも通用するらしい。

 ちょっとお酌をすると、色々と教えてくれる。


 そこで、いぶきは大精霊の攻略法を教えてもらうことに成功した。

 

 祠にいるのは氷の大精霊らしい。

 その姿は白虎。まぁ、ネコみたいなもんだろう。


 そして、いぶきは頭にネクタイみたいなのを巻いているエルフのおじさんに秘密兵器を授けてもらったのだ。



 「ほれ」


 いぶきは、心配そうなあかりに巾着袋を見せる。

 あかりは、恐る恐る巾着袋を開けた。


 すると、中には小さな粒が沢山入っていた。

 あかりは、これに見覚えがある。


 そう、現実世界で、あかりの飼い猫『おもち』にあげていたご飯。



 これキャットフード……?

 そうとしか見えない。


 

 『あぁ、ダメそう……』

 あかりは絶望的な気持ちになるのだった。

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