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いぶきとあかりの異世界回想録♬  作者: おもち
第三篇 首都ローゼン
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第53章 再会2

 

 銀髪の少女の背後から、数名の足音がする。

 いぶき達が牢を出て追いついてきたのだ。


 扉を通ると、いぶきは周りを見回す。

 ノアが怪我をしていて、銀髪の少女がリッチに対峙している。


 リッチと少女は敵対しているのだろうか。

 そんなことを考えていると、少女は後退りして、言葉を発した。


 「お前達が来たのなら、わたしの役目は終わった。わたしは帰る」


 いぶきは思わず聞き返してしまった。

 「え。この状態で放置するの?」


 銀髪の少女は無表情に返す。

 「そうだ。わたしは忙しい」

 

 そういうと、少女は本当に帰り支度を始める。


 いぶきは、こいつはあてにならない、と思い、リッチをどう抑えるか考える。

 あかりやメイも同じ気持ちらしく、それぞれが臨戦体制になっている。


 そんな中、銀髪の少女は、普通に出て行った。

 マイペース過ぎる。


 リッチは、こちらをみる。

 「あの時のウルズの神官か。異世界人ならお前も同罪だ。遊ぶ気はない。ここで死ね」

 

 リッチの魔力が高まり、攻撃呪文を唱える。

 「「五芒星の氷獄(エイト•コールド•ヘルズ)」」


 氷獄から召喚された何十万個という氷礫が、うねりとなる。その圧倒的な濁流は、いぶき達を飲み込もうとする。

 

 エリカが叫ぶ。

 「氷の礫は、わたしが何とかするから。何秒か稼いで」


 それを聞いたあかりとメイは、互いに弧を描くように駆け、左右からリッチに飛びかかった。


 あかりは逆手に持った小刀で右側からリッチの首元を。

 メイは細身のレイピアで、左下側から逆袈裟斬りで仕掛ける。


 リッチは、両腕のくるぶしのあたりの骨で、それらを難なく受け止める。

 しかし、あかりとメイに気を取られ、氷礫の制御が一瞬遅れた。

 

 エリカは柄にもなく前に出ると、両足を肩幅ほどに開き、両手を添えるように小さな杖を構えて詠唱をはじめる。


 「「奈落を統べる冥王よ‥‥」」


 すると、リッチの手がビクッと止まり、ゆっくりとエリカの方を向く。


 次の瞬間、リッチはエリカの目の前に移動していた。

 物理法則を無視した速度だった。

 

 いぶき達は誰も反応できない。


 仄暗い瞳で、エリカの顔を覗き込んでいる。


 エリカは、リッチの思わぬ行動にどうしていいか分からない。しかし、詠唱をやめるわけには行かない。


 「「‥‥その断罪をもって。誇り高き黒炎を我がもとへ。五芒星の獄炎ヘルブレイズ」」


 すると、リッチの足元に魔法陣が浮び上がり、火災旋風のような炎が立ち上がる。

 旋風は酸素を取り込み、加速度的に勢いを増していく。

 黒炎が飽和して弾ける寸前。


 リッチが指を鳴らす。


 すると、弾ける寸前だったエリカの炎は、蝋燭を吹き消すようにフッと消えてしまった。


 術者のエリカには何が起きたか瞬時に理解できてしまう。魔法の相殺だ。しかも、氷礫を維持しながらの相殺。自己とリッチに圧倒的な力量差があることの証左だった。


 ————殺される。


 しかし、リッチは何もしてこない。

 それどころか、悠長な口調で。

 「五芒星の魔法か。随分と懐かしいものを使う。それをどこで覚えた?」

 

 そして、さらにエリカの近くに移動する。

 今度は、しゃがみ込む体勢で。

 猫耳フードで隠れているエリカの顔を、さらに下から覗き込んでいた。

今日の昼くらいから、新規でスピンオフ的な作品を投稿する予定です。


ルンデン王国ができる前の時代のお話です。主人公ではありませんが、まだ人間だった頃のエミルも出てきます。そちらもお楽しみいただけますと嬉しいです。



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