第17章 港町ハイネ 1
いぶきとあかりは、ハイネの中を散策する事にした。
ハイネの街は、中央の石畳の通路を起点として、左右に市街地が広がっている。
中央通路の先には海が見えており、向かってその右側には市場、左側は桟橋になっていた。
2人は桟橋まで行くと、キョロキョロと辺りを見まわし、定期船を探す。
しかし、桟橋は漁船だらけで、定期船は停泊していないようだった。
そこで、2人は桟橋の管理人に話を聞くことにした。
管理人が言うには、首都ローゼン行きの定期船は月に1便しかなく、次に乗れるのは10日後ということだった。
日本の感覚だと、定期船が月に1便というのはあまりに少ないように感じる。
しかし、ハイネの人々にとっては、きっと首都は、そんなに気軽に行くような場所ではないのだろう。
ハイネは、そこまで大きな街ではない。
1日もあれば回れてしまうだろう。
急いで回っても、そのあと時間を持て余すのは明らかだ。
そこで2人は食堂にいき、今後の作戦会議をすることにした。
会議においてまず必要なのは、シュワシュワだ。
いぶきはテーブルを決めると、シュワシュワと焼き鳥を注文した。
あかりは、シュワシュワの他に、サラダとサンドイッチを注文する。
そして、大人のお作法通りに、理由もないのに乾杯をする。
いぶきはシュワシュワを一口含むと焼き鳥を食べ、自分ながらに『オッサンくさっ』と思いながら切り出した。
「10日間もブラブラしてるのもったいないよね。クエストでも……」
そこまで言ったところで、隣のテーブルの2人組の1人が立ち上がり、こちらに近づいてきた。
テスターだろうか。
2人とも若く話し方が妙に軽い。
いぶきは、先ほどから彼らのことが気になって様子を伺っていたが、どうも日本の話をしているようだった。
男は、いぶきたちのテーブルに手をつくとニコッとしながら言った。
「おれたちクエスト受けたくてさ。君たち魔法職だよね? ちょっと手伝ってくれないかな?」
まさかの首都名を間違えてました。
首都ルンデン→首都ローゼンに変更しました。(2/21)




