話
新たな登場人物
・浦部奏
バンドのドラムで高校3年生。櫂史の友達で、千紘たちを支える。
バスに乗った私は玲央の話にじっと耳を傾けた。
「去年の6月、バンドの組み替えがあったときに俺、眞人、森野先輩、浦部先輩の4人で組むことになったんだ。それはもちろん知ってるだろ?」
「うん」
「浦部先輩とは中学の時から組んでたんだけど、高校になって、ボーカルが抜けたから森野先輩が加わったんだ。だけど実は、眞人、森野先輩入れること反対してて…」
「えっ、眞人、よく森野先輩と一緒にいたよね…。仲良いと思ってたけど…」
「いや全然。俺と森野先輩は上手くいってたんだけど、眞人は上手くいってなかったようで、あいつ、森野先輩とよく険悪な雰囲気になってたんだ。何か歯向かうことも多くてさ。」
「それが関係してる、、の?」
「あくまで俺の推測だけどな。森野先輩も警察によると殺されたって言われてるし、何か不自然じゃないか。ただ、何で眞人あんなに森野先輩と仲悪かったのか、分からないんだ…。」
(眞人、何か悩んでいることがあったのかもしれない)
私たちはそれからバス停に着くまで何も話さなかった。お互いがそれぞれ何を思っていたのか、それは分からない。
「…明日、、学校でな」
「うん」
私たちはそれだけ交わしてそれぞれ歩き始めた。