到着
新たな登場人物
・森野櫂史
中高一貫校に通う高校3年生。眞人と玲央と一緒にバンドをやっている先輩。数日前に不審死をしている。
受付で病室の場所を聞いた私はすぐに向かった。どうか、生きていて…。
だけど、そんな願いが届かなかったことはすぐに分かった。病室の入口に立った私からは、眞人の家族の涙や悲しい顔しか見えなかった。私は崩れ落ちた。数秒後に私は玲央の声で我に返った。
「千紘!」
眞人の家族は一瞬私を見たが、私に構っている暇は無かった。
「ちょっとこっちに来い」
私は病院のテラスまで玲央に連れて行かれた。
「急にこんなことになって、俺も戸惑ってる。お前もそうだろ、?」
「…。」
「眞人の家に楽譜を渡しに行ったんだ。俺が部屋に入った時には、もう、」
「それ以上言わないで!それ以上言われると、私、、」
「ごめん、そうだよな。だけど、俺、眞人がなんで自殺したのか分からなくて。」
「なんで、眞人。なんで?!」
「あのさ、どうしても聞いて欲しいことがあるんだ。」
「…。」
「数日前に、森野先輩が自殺、したんだ。」
「?!」
「眞人と同じ睡眠薬多量摂取だったらしい。何か繋がってると思わないか?」
「そんな、、でも今は何も考えられない。」
「ごめん。今話すようなことじゃないよな。とりあえず戻ろう…。」
私は頷き戻った。玲央の言ってたこと、どういうことだろう。でも、今は何も考えたくない。眞人の死という現実が私に重くのしかかってくる。