表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/294

第15話 過去との決別


ユピテリア上級学院の広いグラウンドの真ん中に、美しい常盤色の長髪をなびかせる気品に満ちた女性が一人の男と対峙している。


対する男は、燃え盛る炎の如く揺らめく長い赤色の髪を黒いバンダナでまとめ上げ、その佇まいと鍛え上げられた筋肉が野性味を際立たせている。


見るからに対照的な二人、アシーナとアレスだ。


和やかな雰囲気ではない事はその場の空気が物語っていた。


アレスの後ろでデイモスとエリスが心配そうに見守る。


対峙する二人の周りには、野次馬に来た生徒たちが集まり静かに様子を伺っていた。


生徒達の中でも特に存在感を放つ三名も二人を見守っていた。


紫の長髪に左目の泣きホクロが特徴的な細目、全体的にスラッとし、クールな印象のアポロン。


美しい刺繍の入った帯ケストスを纏い、降り注ぐ太陽光のような輝きを放つ金髪ウェーブの美少女アフロディーテ。


そしてアルテミス。


王の試練の資格保有者である三人だ。


アルテミスは両手を握り不安げにアシーナを見つめている。


「ようやく受ける気になったか。あの頃みたいに、また泣き叫んで逃げるかと思ったぜ。」


赤髪の男は見下すような目つきでアシーナを見る。


「あなたがしつこいからでしょう。面倒事は先に終わらせようと思っただけよ。そういうあなたはいつまで経っても変わらないわね。女性に対する態度にしては随分と野蛮ではなくて? アレス。」


真紅の瞳はまっすぐアレスを見つめる。


「ははは!! あの泣き虫が強くなったもんだ!!」


「いつまで過去の事にこだわっているつもり? 神も人も成長する。いつまでもあの頃のままだと思っていると足元をすくわれるわよ。」


「お前みたいな泣き虫が学年トップだとか、歴代最強とか言われているのが理解できねぇんだよ。生徒会長っていうのもどうせ親のコネだろう?」


「生徒会長になったのは単に投票の結果。皆に望まれたから引き受けたまでよ。」


「それに、学年トップとか歴代最強とか、そういうのは興味がないの。周りが勝手に言っているだけよ。私自身、そう言ったことも、思ったことも一度もないわ。」


アシーナの表情は変わらない。


「ハッ! よく言うぜ!! お前にそんなつもりがなくても、神殿の連中はお前にだけは世話を焼きたがるからな。お前の知らない所でさぞ忙しく動いているだろうよ。これだから何も分からない温室育ちのお嬢様は困る。」


「陰で細工する奴らのおかげで今の立ち位置にいるという事に気付かないとは愚かだな。アシーナ。」


アシーナは深くため息をつく。


「あなたには何を言っても伝わらないみたいね。」


「雑談はもういいわ。始めるなら早いとこ始めましょう。私も暇じゃないのよ。」


アシーナの淡々とした態度にアレスは苛立ちを露わにする。


「女王を気取りやがって。そういうスカした態度が気に入らねえ。『エポヒ』になる前に、どちらが上か分からせてやる。」


アレスはゆっくりと構える。


アシーナはアレスを見つめたまま動かない。


「命を落とすことになっても恨むんじゃねぇぞ! アシーナ!!」


アレスは上空へ飛び上がる。


軍神の双槍(パランクス)』!!


叫ぶと同時に荒々しく岩々が散らばる様が刻まれた紋章が銀色の閃光を放つ。


アレスの両手に黒く長い双槍が現れた。


「おらあ!!!」


一蹴りでアシーナに迫る。常人では目で追えない程の速度。アレスは体を捻り右手に持つ長槍を薙ぎ払う。


絶対防御の盾(アイギス)』。


アシーナがつぶやくと、左腿のオリーブの紋章が金色に輝き、目の前に淵に施された綺麗な装飾の銀色の盾が出現した。


重い金属音が鳴り響く。互いの力が拮抗しギシギシと小刻みに音を鳴らす。


「甘ぇ!!」


アレスは踏ん張る右脚を軸に逆方向に体を回転させ左手に持つ長槍で薙ぎ払う。


アシーナは右手を水平にかざす。


瞬間、かざした方向に全く同じ銀色の盾がもう一枚出現し長槍を受ける。


「チッ!!」


アレスは後方へ軽く跳躍し距離をとった。


「それがアイギスか。あのスカした光の玉が随分と成長したもんだ。」


アレスは唾を吐き捨てる。


「また子供の頃の話? 何年経っていると思っているの? これだけの年月が経っても成長できないなんてあなたくらいよ。」


アレスの顔が怒りで強張る。


「ほう。挑発だけは一人前のようだな。お前は馬鹿か? ウォーミングアップだ。いい気になるなよ。」


アシーナはため息をつく。


「そんな温い事言えるなんて、呆れを通り越して尊敬するわ。これが命を賭けた本当の戦場なら、あなたは真っ先に死んでいた。体が温まる前に命を落として終わりよ。」


「ははっ!! 澄ました顔して挑発がうまいじゃねえか!! 随分好戦的だな!!」


「激しいのをお望みならそうしてやるぜ!!」


『ランク2』。


槍を構えたアレスがつぶやく。同時に双槍が赤いオーラを纏う。


パランクスはランクの増減によって自身の身体能力も含む力の強度を変える事が出来る。


ランクが1上がるごとに倍になり、最大で10まで上げる事が可能である。


強度、破壊力は使用者の身体的な力に依存する。


「オラ!! 行くぜ!!!」


アレスは掛け声と同時にアシーナへ一直線に飛び出す。先ほどよりも早い。


大きく跳躍し右手を振り下ろす。


アシーナはその場から動かない。


まるで盾自身が意思を持つかのようにアシーナを庇い攻撃を受けた。


アイギスは自動で主を守る。本人の意思に関係なくあらゆる攻撃から彼女を守る自己防衛システム。


その速度は生物の持つ反射速度をゆうに超える。


その名の通り、まさに絶対防御である。


「はっはぁ!! 愚策だなアシーナ!!」


アレスが右手に更に力を込める。それに呼応するように長槍を包む赤いオーラが光る。


アシーナを守る銀の盾がギシギシと軋み悲鳴を上げる。アシーナはとっさにもう一枚の盾も重ねる。


激しい破裂音と共に銀色の盾が粉々に粉砕され、もう一枚の盾とぶつかる。


「オオオっ!!!!」


アレスが更に力を込める。


もう一枚の盾も衝撃に耐えられずに破壊された。


破壊された盾は形を維持できずに光の粒子となり消えていく。


「終わりだ!!!」


アレスが盾を破壊した勢いを緩めることなく、右手の長槍を無防備になったアシーナの脳天めがけて振り下ろす。


「アシーナ様!!!」


見守っていたアルテミスが思わず声を張り上げた。


その場にいた誰もがアレスの勝利を確信した。


アレスは周囲の流れる時間が急激に遅くなるのを感じた。


音も消え凝縮される時間は、まるで時計の針が刻むのを止めてしまったかのように静止する静寂の世界。


そんな不思議な感覚に襲われ、同時に背筋に冷たい何かが走った。


アシーナの身体に長槍が届くその瞬間、激しい衝撃音と共に長槍は真っ二つに折れ、矛先は振り下ろした正反対の方向へ勢いよく飛んでいった。


本能的に攻撃を緩めるべきではないと悟ったアレスは、間髪入れずに左手で持つもう一方の槍を両手で握り渾身のひと突きを放つ。


「・・・・・・?!」


アレスは激しい金属の衝突音と同時にアシーナから急速に遠ざかる。


そのまま激しく地面に叩き付けられた。


「ごはっ!!!」


仰向けに倒れたアレスは空へ向かい血を吐いた。


下腹辺りに妙な生暖かさを感じ、首をもたげ目線を自分の腹へ向ける。


持っていたはずの長槍が空へ向かい伸びている。


激痛と共に、ようやく自身が何らかの力で吹き飛ばされた事に気が付いた。


自らの槍で地面に釘づけにされたアレスは、パラングスを維持することができず仰向けに倒れたまま能力を解いた。


槍が消えたことで更に激痛が走り顔を歪める。同時に大量の血が流れ出る。


「な、なんですの? あの力は・・・」


「何が起きたのか全然見えなかった・・・」


デイモスとエリスは驚嘆する。


周りのギャラリーも唖然としていた。何が起きたのか誰も理解できていなかった。


アルテミス達三人も言葉を失った。


「な、何だよ、そりゃあ・・・・・」


アレスが力を振り絞り頭を上げ、アシーナを見る。


アシーナの目の前に透明な何かが空間を歪めていたが、すぐにそれは現れた。


金色の豪華な装飾が施され、三枚の羽が線対象に対になった純白の美しい輝きを放つ縦長の盾。


『モード・反射(アダナクラスィ)』。


アシーナは純白の盾を左に浮かせたままゆっくりとアレスの方へ歩き出す。


アレスに破壊された銀の盾も、光の粒子が収縮するように集まり、再び盾を形成しアシーナの元へ戻る。


アシーナは軽やかなステップでアレスの目の前まで瞬時に移動する。


「・・・・・て、てめえ。」


アレスは何とか体を起こそうとするが、激痛にうなだれた。戦闘を継続できる状態ではなかった。


「無理はしない方がいいわ。この盾は、向けられた力をただそのまま反射するわけじゃない。受けたエネルギーの3倍の速度・威力で跳ね返す。その威力をまともに受けたあなたの身体は無事ではないはずよ。」


「野性的な本能からか、能力は全開放していなかったみたいだけれど。良かったわね、粉々に吹き飛ばされなくて。」


真紅の瞳はアレスを見下ろすと、周囲に浮遊する盾を全て消した。


「ハァっ! ハァっ!・・・ふ、ふざけるな・・・まだ、終わってねえ・・・」


アレスは仰向けになったまま覇気のない声で虚勢を張る。


しかし、戦闘を続行することは不可能であることは明白だった。


「痛みに耐えるのがやっとの状態じゃない。瀕死の人に止めを刺すほど落ちぶれてはいないわ。見くびらないで。」


アシーナは目を閉じ左手をかざす。


すると、大きく風穴の開いたアレスの腹が淡い緑色のオーラに包まれ、見る見るうちに治癒されていく。


「ちょっと! アシーナってば治癒の力まで使いこなすわけ?! 一個人が複数の属性を使えるなんて聞いた事ないわよ?」


観戦していたアフロディーテは額に汗をにじませる。


「それもそうですが、治癒の質も桁違いです。あんなに早く回復する治癒神術は見たことがありません。」


アルテミスも驚きを隠せない。しかし、動揺するアフロディーテとは対照的にどこか嬉しそうな表情だ。


「触れたエネルギーを速度・威力共に3倍にして返すだと? あんなもの、どうやって攻略するのだ。」


普段冷静なアポロンも信じられないといった様子でアシーナを見つめている。


頬には一筋の汗がつたう。


「とりあえず完治はしたようね。本来ここまでする義理はないけれど、このまま放って帰るのは後味悪いしね。」


「これに懲りたらつまらない喧嘩なんて吹っかけてこないことね。」


アシーナは(きびす)を返し、アルテミスたちの方へ歩き出す。


「・・・・・・っ!!!」


アレスは悔しさのあまり歯を食いしばった。


デイモスとエリスがアレスに駆け寄る。


「今日は一旦引こうアレス。」


「そうですわ。まさかアシーナ、あそこまで強くなっているなんて・・・」


エリスがアレスの手を掴もうとした時アレスはそれを振り払った。


「アレス・・・?」


「お前、ニケを探しているんだってな。」


アシーナはピタリと足を止めた。


アレスはニヤリと笑う。


「あんな化け物探して何になる!」


「あいつは脱出不可能な異空間迷宮に追放されたんだ!! 生きちゃいねえ!! 仮に生きていたとしても、あの災厄を受け入れてくれる場所なんてどこにもねぇ!!」


「死んだ奴の事をいつまでも引きずりやがって!! 過去に拘ってんのはお前の方だろう!? アシーナ!!」


アレスは両腕に力を込める。はち切れんばかりの血管が浮かび上がった。


『ランク5』


髪を束ねていたバンダナは膨大なオーラにさらされ燃え散った。


同時に天に昇らんと赤髪が揺らめき全方位にばらつく。


真っ赤な禍々しい長槍が姿を現す。


「ちょ! アレス、流石にそれは!!」


デイモスとエリスの制止は間に合わない。


真っ赤な長槍のオーラが激しく揺らめく。


纏うオーラの殺気だけで相手を殺せそうな程のエネルギーが槍に凝縮される。


「オラァ!!!!」


アレスは躊躇なく何十倍にも膨れ上がった高密度のエネルギーを纏う槍を放った。


「危険です! アシーナ様!!」


とっさにアルテミスは叫ぶ。


アシーナは振り向かずに立ち尽くす。


「死ねえぇーーーーーー!!!!!!」


『モード・灼熱(プラーミア)』。


放たれた槍は、アシーナの背中を貫くことなく先端から何かに吸い込まれていく。


「なっ?!!」


アレスは目の前で起こっていることに驚愕した。


槍は吸い込まれていたのではなく、蒸発していた(・・・・・・)


やがて槍は蒸気となり、跡形もなく消え去った。


アシーナを中心とした地面に巨大な赤い魔法陣が展開される。


同時にものすごい勢いで周囲の温度が上昇していく。


観客たちは、気温の上昇により発生した猛烈な熱気で揺らめくアシーナの後ろに現れた盾を視認した。


アシーナの背中には、縁を緑色の装飾で彩られた円形の真っ赤な盾、それを囲むように6個の小ぶりの円形の盾が浮かんでいた。


まさに灼熱。


日輪を具現化したようなその姿に呼応するように、周囲の温度は更に上昇する。


アシーナが左手を天にかざすと、上空に炎の超高エネルギーが形成されていく。


周囲の温度は更に上がる。まるで噴火口にいると錯覚する程に灼熱と化していく。


「バ、バカな・・・」


アイギスの盾は、その形状・特性から防御力に注目しがちだ。


しかし、その神髄は他にある。


それは、アイギスは攻防一体である事だ。


アシーナの中にある数多の盾。それら一つ一つに別の力が宿っており、具現化することで自由にその多様な力を振るう事が出来る。


つまり、多彩な能力により相手によって戦術を変え、その圧倒的な攻撃力で相手をねじ伏せる事が容易であるという事だ。


温度の急激な上昇に、まともに呼吸をする余裕すらない程、目の前の超高温の炎の塊を前にしたアレスは完全に戦意を喪失していた。


天の怒り(ヴァリア・スィエラ)』。


アシーナが左手を降ろす。


巨大な炎の熱球と大地が接した瞬間、まばゆい閃光が周囲を包みこみ爆撃と間違えるほどの凄まじい蒸発音を響かせた。


その場に佇むアレスの足元には、まるでそこに急に崖が現れたように深く巨大なクレーターが形成されていた。


大地の焼け焦げる強烈な匂いが鼻をつく。


「軽々しくニケの名前を口にしないで。」


アシーナの言葉は、本気で殺しにかかってきた男に向けたものにしては穏やかだった。


だが、真っ赤に燃える真紅の瞳は冷え切った輝きを帯び、冷酷に、冷徹に対象を睨んでいる。


激昂していることは出現した盾の能力が物語っていた。


アレスは決して口にしてはいけない事を口にした。


「じゃれあいはここまででいいかしら?」


「・・・・・・・」


圧倒的な力の差を認識したアレスは、全身の力が抜け膝から崩れ落ちた。


デイモスとエリスも愕然とし、その目は恐怖のあまり潤んでいる。


これ以上の抵抗はないと悟ったアシーナは術を解除する。


一面に広がる灼熱地獄と、アシーナが背負う太陽を模した盾も天に昇るように消えていった。


アレスの姿を見たアシーナは今度こそ殺意がないことを悟り、何も言わずにアルテミスたちの方へ歩いていく。


「アシーナ様!!」


心配そうに見守っていたアルテミスが急いで駆け寄る。


「お怪我はございませんか? どこか痛いところは?」


アシーナの前でアタフタしている。


「大丈夫よ。アルテミス。ありがとう。」


アシーナはパニックになっているアルテミスの両肩にそっと手を置いて優しく答えた。


「良かった・・・」


感極まり泣いてしまったアルテミスを見てアシーナは困ったように微笑む。


「あはは。大袈裟ね。泣かないで。」


アルテミスの後ろから観戦していたアポロンとアフロディーテもやってくる。


「妹が迷惑をかけるな、アシーナ。」


アシーナは首を振る。


「しかし、さすがは学院トップだな。圧倒的だ。まるで敵う気がしない。なあ、アフロディーテ?」


アポロンはアフロディーテにわざとらしく吹っかける。


「別に。あくびが出るほどつまらない草試合だと思って見ていただけよ。」


アフロディーテは飄々と身に付けている鮮やかなオレンジ色の美しい刺繍の入った長い帯を撫でる。


「相変わらず二人は仲がいいのね。何だか安心するわ。」


アシーナは二人のやり取りを見て微笑んだ。


「はぁっ?!!」


アフロディーテとアポロンが口を揃える。


アフロディーテはともかく、冷静で知的なアポロンが取り乱すような事態はそうそうない。


「だ、誰がこんなモヤシと!!」


「それはこちらのセリフだ。誰がお前のような尻軽女。」


「なんですって?」


「なんだ?」


今にも喧嘩を始めそうな二人にアルテミスが割って入る。


「お兄様もアフロディーテ様も、喧嘩はやめてください!!!!!」


普段の彼女からは想像できない程大きな声で怒鳴られた二人はビクリと硬直する。


「あはは。賑やかね。」


アシーナは口論を続ける三人を見て穏やかな顔を見せる。


その表情は、どこか羨ましそうでもあった。


無意識に、三人にニケとの幼い頃の思い出を重ねた。


『ま、待ってよ! ニケ!!』


森の中を歩くニケとアシーナ。もたつくアシーナは離れまいと必死にニケを追う。


振り返ったニケは駆け寄り真っすぐ手を伸ばす。


『ほら、こっちだ。アシーナ。』


ニケはアシーナの手を握り笑顔で手を引く。


幼いころ、確かにあった幸せな記憶。


思わず握る胸のお守り。


(ニケ・・・・・)


「アシーナ様?」


アルテミスはどこか寂し気なアシーナを心配そうに見つめる。


「さあ、試験開始まで一週間。時間がないわ。各々準備はしっかりね。」


手をたたき三人に促す。


「そうですね。頑張らないと。」


「そうだな。」


アルテミスの肩に手を置きアポロンが言う。


「私は誰かさんと違ってビビってなんかいないけどね。」


アフロディーテはアポロンを見て勝ち誇ったように微笑む。


「ほう。冗談のセンスだけは一流のようだな。よかったな。一つでも取り柄があって」


アポロンはさらっとあしらう。


「何ですって?」


「何だ?」


アシーナは苦笑いして、ふと空を見上げる。


「絶対に、一緒に『エポヒ』の称号を得ましょう。アシーナ様。」


いがみ合う二人を尻目にアシーナの横に立つアルテミスも視線をあげる。


「ええ、もちろん。」


晴れ渡る西の空は仄かにオレンジ色に染まり始めていた。


ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます!


評価およびブックマークありがとうございます!


とても励みになっています!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ