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4-2 myTUBEと恋愛相談

俺は今日もAR同盟の活動場所に来ていた。


「見て見て、ソフィアちゃんがmyTUBE始めたみたいだよ」


myTUBE、それは誰でも自分のチャンネルを作って動画を配信できるというもの。ゲーム実況や○○をやってみたなんかの動画をあげている人が多数。


奏多が言うソフィアちゃんというのは最近話題のエンジェロイド。奏多に見せられた動画を見てみると、最初の動画ということで自己紹介動画を投稿していた。


自己紹介では趣味や音楽を始めたきっかけなんかを話したあとで、視聴者からの質問募集をしていた。最近話題の人気者と言うだけあって、再生回数は既に5桁だ。


「それではエンジェリーン♪」


エンジェリーンってのは彼女なりの挨拶なのかな?動画の最初でもやってたから結構万能らしい。アロハ〜みたいなもんかな?


「ねぇ、AR同盟を今からエンジェロイドの略ってことにしよう」

「んな無茶な、それにエンジェロイドをアルファベットにするならロイドはLOID。頭文字はLだぞ?」


細かいことは気にするなと言う奏多。アホ丸出しである。


「あの……」


ガラッとドアが開き、俺がそこを見ると和泉の姿があった。


「陽向くん、ちょっと」

「えーと、今はちょっと」

「それなら大丈夫ですよ。私たちに任せてください」

「あーそう?わかった」


教室を抜け出して人気の少ない階段の踊り場にやってきた。


「どうした?」

「じ、実は頼みたいことがあって」


少し言いづらそうに言った和泉。奏多には相談しづらいのだろうか。


「あ、あのね。この前進路希望調査あったでしょ?」

「あー、文系か理系かってやつ?俺は文系にしたけど」


主に奏多のために……


「うん、私も文系なんだけど、その……安藤くんは理系だって」

「はぁ」

「ど、どうしよう」

「OK、つまりはこういうことだな?安藤とクラスが別れちゃうからその前に告白したいけど勇気が出ないと」


和泉の顔がカァァ〜っと赤くなる。これはYESのサインなのだろう。


「一応聞いとくけどさ。奏多から聞いてない?俺、基本的には面倒くさがりでこういうのには手を出さんようにしてるんだけど」

「そんなこと知ってる。でもこのこと知ってるの陽向くんだけだし。他に頼れる人いないの」


目をウルウルとさせながら迫ってくる和泉。この時点でしょうがないなと受けようと思っていたのだが


「そ、それにここで私に貸しを作っとくとカナちゃんの事的にも陽向くんに得があると思うんだよね」

「なぜそこで奏多が出てくる」

「またまたぁ〜実はカナちゃんと相思相愛なことくらいわかってるぞ〜」

「そんなんじゃねぇって」


こやつ、意外と鋭いじゃねぇか。


「まぁ、わかったよ。できることなら協力すればいいんだろ?」


まず確認しておかないといけないことがある。


「安藤と和泉ってどんくらいの関係なんだ?」

「んー、少し話したことがあるくらいかな」


そのレベルとなるとまず相手に興味を持ってもらうところから始めなくてはならない。


「安藤と仲のいい友達に和泉と仲のいい人はいたりする?」

「んー、安藤くんって割と誰とでも仲良くしてるイメージだからなぁ。特に仲良くしてる人の中だと私の友達はいないかも」

「俺もあいつの事はさっぱりだからな。仲介人なしでの接触はちょいと厳しくないか?」

「だから、こうして頼んでるんじゃん」

「って言われてもなぁー」


とはいえ、全く案が無いわけではない。ちょいと試してみますか。


「わかった、ちょっとだけ時間くれる?2、3日でいいから」


意外な返答だったのだろうか「う、うん」と返事をした和泉の顔はキョトンとしていた。



和泉と別れた後、俺は安藤の行動を観察することにしていた。

行動を観察していればなにか見えてくるかもしれない。


安藤は放課後はしばらく学校にいることが多いようだ。そのおかげで今日もまだ学校に残っていた。


部活動で残ってるってわけではない。単に友達と絡んだりしているだけ。

今もこうして教室で友達3人と仲良く話している。


「1年の安藤、まだ学校に残ってたら至急職員室まで来るように」


と、校内放送が流れた。

放課後と言うこともあって、もう帰ってしまったということも考慮された放送だった。俺なら帰ってしまったということにして行かないのを選択するところだが安藤は友達に、悪いちょっと行ってくる、と言い残して職員室へ向かっていった。


俺も後をつけるようにして職員室へ向かう。


さすがに話の内容を聞くのは良くないと判断して、職員室の近くで待機。

しばらくして安藤が出てきたので再び後を追う。


安藤はまっすぐ教室へは戻らずに途中で自動販売機で飲み物を買っていくようだ。機械に硬貨を投入して緑茶のボタンを1回。出てきたお釣りを再び機械に入れて緑茶のボタンをもう1回。


……え、ふたつも?


「君にあげるよ。僕からの奢り」


安藤はこちらを見ながらそういった。やばい、バレてた?


「……」


俺は無言で隠れてた場所から安藤の前へと移動して緑茶を受け取る。


「確か、隣のクラスの保井くんだったかな?」

「俺みたいな目立たない奴を覚えててくれてどうも」

「そんなことない、君は有名人だからね。可愛い親戚が3人もいるそうでみんな仲良くこの学校に通ってるそうじゃないか」

「まぁ、あの3人と一緒に居れば多少は目立つってか」

「はは、まぁ、そういうこと。それで、僕に何か用かな?」


この、陽気で爽やかな感じなんか気に入らない。


「安藤は放課後暇な日多いよな?よく放課後見かけるし」

「まあ、そうだね」

「明日、手伝って欲しいことがあるんだけど。俺の知り合いみんな忙しくてさ、人手が足りないんだ」

「なんで、後をつけてまで僕に……って聞くのはやめといた方がいいのかな。うん、いいよ。それじゃ、明日の放課後ここにいるから」


何とかごまかせたか。一応バレた時用の策を用意しておいて助かった。


俺は和泉に『明日放課後、自販機前に集合』とチャットを送り、帰宅した。

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