3-17 メイドの天使とファイナルラウンド
今日は神の間の休館日では無いのでアイリスたちは仕事に向かった。予定では最終日だ。
俺はサミーとミクリアと一緒に暇を潰すこととなった。
流れ的にはミクリアが勝負を仕掛けてくるところではあるが、サミーの提案でゲームセンターに来ていた。
「ここにもゲーセンあったんだな」
「というと?」
「アイリスが地球でゲーセンに行った時、初めてだって言ってたから」
「アイリスは箱入り娘だったからね」
「それで、何で勝負するんだ?」
おっと、ミクリアはそっちのモードでしたか。平常運転で何より。
「のんのん、お堅いのはなしよ。今日はみんなで楽しみましょ」
サミーの提案でシューティングゲームをやることになった。
「ふんっ、足だけは引っ張るなよ」
俺と組むことになったミクリアはそんなことを言う。
結果から言おう。ゲームはクリア。ミクリアは残り体力3割ほど、俺は6割ほど、結構俺は活躍した方だろう。
「ミクリア。やったな。ゲームクリアだ」
「あぁ、クリアだな」
イエーイとハイタッチをしようとお互いに両手をあげる。
「っ、ふんっ。ま、まあまあだったなお前も」
しかし、途中でミクリアはハイタッチをやめてしまった。俺がハイタッチを空振り、俺だけテンションが上がってるようになってしまったじゃないか。
「ふむふむ、ヒナタくんなかなかやるわね。次は私とあれ、勝負しない?」
と、サミーが指したのはレースゲーム。
「いいね、負けんぞ?」
「それじゃあ、我はトイレに行ってくるから2人で楽しんでてくれ」
ミクリアは言い残してトイレへと向かった。ちょうどいい、サミーと2人きりになるチャンスを伺っていたところだ。
「なぁ。勝負の前にひとついいか?」
「ぅん?」
「昨日の書置き読んだけど、いつから気づいてた?」
「あぁ、ごめんね。お皿が割れた音がしてキッチンに行った時に戸棚の中に隠れるところ見ちゃった」
なんだ、最初からバレてたのね。
「それで、ミクリアとヒナタくんがあんまり仲良さそうじゃなかったから気を使ってあげたんだけど」
「いや、出るタイミング失って大変だったわ」
「あははっ」
笑い事じゃないだろよ、まったく。
「一応、ミクリアはサミーに隠れてたことは気づかれてないと思ってるから、そこは気を使ってやってくれ。バレてたと分かったら死因が恥ずか死になりそうだから」
「わかったわよ。その代わりこのゲーム、手加減はいらないわよ?」
サミーと約束をしてゲームスタート。
手を抜いたつもりは無かったのだが圧倒的な差をつけられて俺はサミーに完敗した。
「ハハハッ、お前もまだまだだな」
それを見ていたミクリアは俺を煽っている。なぜ、お前がその態度をとるのだ。勝ったのはサミーだぞ?
「地球のゲームだったら負けないし」
「うーん、それも面白そうね。こんど遊びに行こうかしら」
お、この流れならミクリアも誘えるかな?
「ミクリアも来ないか?」
「誰が行くかっ……で、でもどうしてもって言うなら」
「いや、無理にとは言わんが」
「え、あ、あぁ……そうだな」
ミクリアはそう言いながらも、なぜかしゅんとしている。
「それじゃあ、約束も兼ねて記念撮影しましょ」
でた、プリクラ。女の子ってほんとにこういうの好きだよな。
サミーを真ん中にして両端を俺とミクリアで挟む形で撮影。
サクッと撮影は終わりサミーが1人で落書きを楽しんでいる。
「お前は一緒にやらなくていいのか?」
「こういうのはあまりやったことないからな。慣れてるサミーに任せるとしよう」
まあ、慣れてないことは無理してやるもんではないな。
「今回は我の完敗だ」
「え、急にどしたの?」
「だ、だから……今度、今度は地球でリベンジしてやる」
なんだかんだこいつも地球に来たいってことかな?
「あぁ、いつでも待ってるぞ」
俺が素直に歓迎するとミクリアはカァーッと赤くなり……
「べ、別に地球に行ってみたいとかじゃないからな?このまま負けっぱなしってのが嫌なだけだからな?」
「わかったって。素直になればいいのに」
「何もわかってないじゃないか」
ミクリアは、このっ、このっと俺をポカポカと殴りつける。
その後、サミーから貰った写真を見て、ミクリアは嬉しそうに笑うのだった。




