3-11 堕天使と裸の付き合い
「うぅ……」
「ん、気がついたか?」
「あ、ラスフェル……ここは?」
「アイリスの家だが……」
「えっと、確か……」
「私がお前を見つけた時は神の間の前で寝ておったが、何があったんだ?」
そうだ、確か道場でミクリアと勝負して……見事な一撃をもらって気を失ったんだったな。
「それより仕事は?」
「今日のところは終わりだ。続きは明日だな」
「そっか……アイリスは?」
「アイリスなら風呂だな。今日は昨日と違ってエレナさんに言われる前に先手を打ったようだな」
「それに関しては俺もその方が助かるよ」
「そういうわけだ。今日は私と裸の付き合いでもしようじゃないか」
まぁ、それはいいとして……
「それで、なぜ俺たちは風呂場に向かってるんだ?」
「裸の付き合いでもしようじゃないかと言ったばかりだろう?」
「そうじゃない、アイリスが今入ってるんだろ?」
「なんだ、そんなことか」
「そんなことって……」
それって覗きじゃないか。俺はそういうのは反対だぞ!!
結局来てしまった……アイリスごめん。
「やっぱりやめない?」
「なぜだ?」
「いや、もういいです」
諦めて浴室のドアを開けた。
しかし中には誰もいないみたいだ。
「え……」
俺のポカンとした顔を見てラスフェルが一言。
「どうしたんだ?」
「え、いやアイリスは」
「もう上がったんじゃないか?客間からここまで結構距離があったしアイリスが風呂に行ったのは結構前だからな」
それを先に言えや。クソ悪魔。
「もしや、アイリスの裸を見れると期待したのか?昨日はじっくり堪能したであろう?」
「期待してねぇし、堪能もしてねぇわ」
ほんっとこいつ嫌い。
「仕事は順調か?」
「まぁ、予定通り3日間で終わりそうだ。そっちはどうだ?」
「どうだ……とは?」
「アイリスから聞いたが、ミクリアに案内してもらったのだろ?彼女はアイリス以外にはなかなか心を開かなくてな。お前は天界人じゃないから尚更気が合わないと思ってな」
そう言われて先ず思い出したのはあの胸の感触……いやいや違うだろ。俺は首をブンブン横に振る。
「た、確かに少し嫌われてるかも」
正直、少しどころじゃないよな……
「そうだ、アイリスからの伝言だ。明日は1日暇しないように助っ人を呼んだと言っていたな。確か……サミーと言ってたが」
サミーリアか、ミクリアと1日一緒にいるよりは気が楽かもしれないな。ありがとうアイリス。
「サミーと何をすれば……」
「いつもみたいにイチャコラしてればいいのではないか?」
「いつもイチャコラしてるわけじゃないから。事故だから」
「ならばサミーとやらと事故ってこい」
事故ってこいって……
「ま、なんにせよ私たちはお前に構ってはいられないからな。せっかくの天界だせいぜい楽しんでおけ」
まぁ、そうだよな。天界に行った地球人ってもしかして俺が初めて?
「今、思ったんだけどラスフェルって今回はいいやつ?」
「それではいつもは嫌なやつみたいに聞こえるではないか」
「いや、嫌なやつだろ」
俺はそれを踏まえた上で確認の質問をする。
「今回の件、何か裏は無いだろうな?」
「あるって言ったら?」
帰る……と言いたいところだが世界がフリーズしているのは事実なのでどうすることも出来ない。
「あるなら先に聞きたいだけ、どうもしない。いや、出来ない」
それを聞いたラスフェルはハハハと高笑いし、そうだろと言うのだった。
これに関してはどうしようもないから裏がないことを祈るばかりである。




