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2-30 女神様と黒幕

 イオからの連絡が無いまま夜が明けた。今日は平日なので学校に行かなければならない。


「奏多、大丈夫?」

「う、うん。私は大丈夫。それよりもカドルが心配かな」


 学校に行ってもカドルは来ていなかった。今日はイオも欠席している。


「さて、これからどうしましょうか……」

「とりあえず、みんなにはバレないようにしないとだよね」

「アイリスは大丈夫そうだけど、奏多大丈夫?演技とか」

「任せてください。陽向さん」


 お、似てる。そうか、こいつ料理と勉強以外はハイスペックだったな。


 授業中にアイリス(中身は奏多)が指名される事だけが唯一の懸念点だったが、とりあえず今日の授業でアイリスが指名されることはなく無事に放課後を迎えた。


「うう、なんかこの体疲れる。めちゃくちゃ頼まれ事するし」

「私も、いつもより絡みが多くて……」


 このままだと2人とも、体力がもたないな。てか、いくらなんでも起きたやろ。


「すみません、まだ寝たままっス」


 下校中にイオの家に寄ってみたが第一声で否定された。

 早くカドルにこの機械を修理してもらいたいのだが……


「お困りのようですね。皆さん!」


 誰だ?と振り向いた視線の先には天界の警官姉妹が。


「ラフィにガブ、どうしたんだ?」

「ふふん、このとおり地球の管理権の資格を取ったので非番の日に遊びに来たんですよ。まぁ、このラフィともなれば資格なんて結構簡単に取れました」

「ラフィはギリギリ合格だったんですけどね」


 ラフィは自慢げに青っぽく光った天使の輪を掲げる。


「あ、そうだ。ちょうどいいところに来た」

「お、なんだなんだ?このラフィ様にようかぁ?」

「ガブに頼みがある。もう1回カドルの能力をコピーしてくれ」


 ラフィが私じゃないのかとズッコケていたがそれどころでは無いのでスルー。


「とりあえず、コピーしましたけど」

「それじゃ、この機械直せないかな?」

「うーん、やってみますね」


 しばらくガブは機械に向かい合い色んなところをガチャガチャといじっている。


「これ、壊れてませんよ?それにしてもよくできた機械ですね」


 え?


「じゃあなんでアイリスと奏多は元に戻れないんだ?」

「電池が入ってないみたいですけど」


 は?


「いやいや、バレてしまったか」


 この嫌な声は……


「ラスフェル……まさかお前の仕業か?」

「ご名答。この私が隙を見て電池を抜き取ったというわけだよ。ハッハッハッ」


 このクソ悪魔がぁ!


「あぁ、もういいから電池を返してくれよ。そんでカドルを起こしてくれ」

「すまんな、この世界の電池は魔界では貴重品でな。もう売ってしまったから自分で買ってきてくれたまえ。単三電池2本でいいみたいだぞ」


 この大層な機械が単三電池2本で動くんか……


「単三電池ならここにあるっスよ」

「お、サンキュー」


 それではそれでは2人を機械に入れまして、電池を入れて、スイッチオン。


「ふぅー、戻れたー」

「もう、ラスフェルさん、今度からはやめてくれませんか?そろそろ怒りますよ?」

「おっと、アイリスが怒るとその美しい顔が台無しだ。それに私は法にギリギリ触れないラインで暴れているからな。私を裁くのは不可能だぞ」


 こいつ1発殴っていいですかね?


「しかし、その天使は前に私の幻術をかけただろ?あの幻術は初見にしか効果がないからな。起きないはずはないのだが」

「ん、待てよ?ラスフェルはいつ誰に幻術をかけたんだ?」

「皆が入れ替わった直後にこの部屋にいるもの全員にかけたが、あの寝坊助は自力で起きおったの」

「確か、あの時寝てたのは佐多さんと……カドル」


 後にカドルと雲雀を元通りにして雲雀は起きて本人確認をしている。自力で起きるとはさすが雲雀。マイペースすぎて幻術のかかりが甘かったのだろうか。


「まてまて、あの時全員にかけたなら……」


 1人おかしい人がいる。

 俺はそいつを指差し、こう告げた。


「イオ、お前実はカドルだろ?」


 もっと早く気づくべきだった。いくら奏多の体とはいえ、いくらボディペイントの一件があったとはいえ男である俺の前でイオが服を脱ごうとするわけが無い。


「いや、悪ぃな、偶然ラスフェルさんが悪戯しようとしてるのに気づいてな。乗っからせてもらったわ」


 こいつ。もう堕天してんじゃね?


「まぁ、おかげで奏多と2人きりになれただろ?」

「おま、まさか……」

「さぁ、どうだろな」


 こいつはもう殴ってもいいやつだろ。

 エイッ。


「痛って、何すんだよ」

「いや、ごめんな手が滑った」

「こぉんにゃろ」


 まぁ、とにかくこれで元通りだからいいんだよね?もう知らない。

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