2-28 女神様とレード
シャッフル中のみんなを置いて1人先に帰宅した俺はベッドにダイブ。そのまま昼寝の時間に入った。
しばらくして目を覚ますと、アイリスは既に帰ってきているようだ、台所から音がする。
「あ、陽向さん。起きたんですね」
「ふぁぁぁ、おかえり……ん?」
そこにいたのはアイリスではなくクル。
「えっと、こんなところで何してるの?」
「何って、夕飯の支度ですけど」
俺が寝ぼけているのだろうか……顔でも洗ってこよう。
洗面所から戻って再び台所。やっぱりそこにいるのはクルだ。
「アイリス……だよな?」
「はい、そうですが。どうしたんですか?」
不思議そうにしているアイリスに俺は手鏡を向けた。
「イオの家に何かお忘れではないですか?アイリスさん」
「…………」
どうやら今気づいたみたいだ。
時は遡り、俺がイオの家を出たあと……
「あれ、陽向さんは?」
「陽向さんならアイリスさんたちが揉めてる間に帰りましたよ」
「って、もうこんな時間。早く帰らないと」
「そうですね……私もそろそろ帰りますか。雲雀さんを転移してもらってもいいですか?」
アイリスは雲雀とついでに他のみんなを家に転移させ、最後に自分も転移で帰宅した。
「そのまま帰ってきちゃったダメだろ」
「ですよねぇ、ははは」
このままというわけにはいかないので早速カドルの元へ。
「カドルちゃんいる?」
「あ、アイリスさん?良かった戻ってきてくれて」
ん、待てよ?シャッフルしたままアイリスが戻ってきたってことは、今ここにいるイオとそこで寝ているカドルは……
「えっと、お前はクルであってる?よな?で、そこで寝てるのが」
「雲雀さんですね」
「アイリス……どこに誰を転移したか覚えてるか?」
「クルちゃんと佐多先輩を自宅に転移させて、カナちゃんも今日は親がいないって言ってたからそのまま自宅に」
あれ、数が合わない……
アイリスの言っていることが正しいのなら、見た目がクルと雲雀と奏多の人を転移させた後に自分が転移したことになる。転移させたのは4人。クルの見た目をしているのはアイリス自身だから……
「アイリス多分それ間違ってる。アイリスが転移させたのは奏多の格好をしたイオと佐多さんの格好をしたカドルと自分だけだと思う」
奏多はいったいどこに行ったのやら……
「ダメだ、わけわからん。とりあえずクルだけでも元に戻ってくれ」
2人を機械の中に入れてスイッチオン。
「よし、これで1人目。次はイオの体だから……奏多のところか」
「転移しますね」
「わわ、びっくりしたって、アイリスさんじゃない?え、なんで?陽向兄さんどういうこと?」
「話はあと、奏多いるか?」
「あ、それが。今お姉ちゃん記憶喪失みたいで……」
「はい?」
鈴音に連れられて奏多部屋に入るとそこにはしっかり奏多がいた。寝てるけど。
「えっと……少し前にアイリスさんに転移でお姉ちゃんを送ってもらって、そこから記憶がないみたいなんですけど」
「スズちゃんごめん、この人、奏多じゃないんだわ」
「えぇ?!!」
「とりあえず、その人しばらく借りるね。後でちゃんと本物の奏多を返すから」
鈴音が未だに戸惑う中、アイリスの転移で再びイオの部屋に戻ってきた。
「おーい、イオ、起きろー」
「んんぁ、陽向さん?……ハッ、陽向さん。大変っス。知らない人が自分のことをお姉ちゃんって……」
「落ち着け、あれは奏多の妹だ」
「へ?」
「自分の顔をよく見てみろって」
「あ……」
「とりあえず、イオちゃんも戻りましょうか」
はーい、2人とも入ってー、スイッチオン。
「えっと、問題は次だなぁ……」
「カナちゃんどこにいるんでしょうかね」
「あの、ひとついいですか?」
「どうしたクル」
「カドルさんと雲雀さんを先に戻したら……」
……そうだな。
アイリスが転移で雲雀の部屋からカドルを連れてきた。
カドルはアイリスの背中の上で眠っている。
こんな時にまだ寝てんのかこいつ。
寝てるままの2人を機械に入れてー、スイッチオン。
「これ、戻ったのか?」
「ん……ふぁぁぁ」
「あ、起きた」
「ん?どうしたのみんなして」
「えっと、雲雀さん……ですよね?」
「うん、そだけど」
よし、戻ってるな。
最後は奏多を探しましょうか。しかし、自分の家に戻ってないとなると、帰る途中で、入れ替わったままなのに気づいたか、もしくは何かあったとか?
だとしたら心配だな、早く探してあげないと。




