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2-26 透視天使と休暇

「え、奏多と?」

「はい、テニス部の合宿の助っ人を頼まれてしまって。1日家を開けますけど大丈夫ですよね?」

「食事は?」

「それなら大丈夫です。クルちゃんを呼びましたから」

「了解」


 困った人を助けずにはいられないアイリスが助っ人をするのはわかるが奏多が助っ人をするのは珍しいな、一応テニス部だったけど飽きっぽくてすぐにやめたって聞いたし。


 アイリスが出かけると入れ替わりでクルがやってきた。


「というわけで今日は泊まり込みでアイリスさんの代わりを務めますね」

「泊まり込み?佐多さんは?」

「雲雀さんは何かのイベントに泊まり込みで行きましたよ」


 あの人をそこまで動かせるアニメの力とはいったい……


「クルは行かなくて良かったのか?」

「私を誘わなかったってことは、シリアス系のアニメなんでしょうね」

「あぁ、なるほど」


 アイリスではなく今日はクルと2人きり。なんか新鮮な気分だ。

 と、いっても今日は1日中暇でテレビのワイドショーをぼんやり眺めていたり、部屋でゴロゴロしたり、クルの作る料理を食べたり。そんなこんなで1日を終えようとしていた。


 さて、そろそろ寝よう。自室の電気を消して布団に潜り込む。


「…………さん、……なたさん、陽向さん」


 ぼやっとした意識の中、俺を呼ぶ声がした。


「ん、どうした?」

「あの、その……トイレに行きたくて……ついてきてくれますか?」


 ……あー、はいはい。


 よく分からないけど、ついて行けばいいのね?


 クルをトイレまで送ってドアの外で待っている時にふと思う。


 何してんだ俺。


 ぼやっとしてたから気づかなかったけど、どうして急にこんなこと頼まれたんだ?


 結局、考えてもわからなかった。まぁ、いいだろう。

 トイレから出てきたクルは少し恥ずかしそうにこう言った。


「すみません、例の映画を見て以来、夜にトイレに行けなくて……」


 あー、あの時はかなり怖がってたもんな。スズちゃんは怖がるクルを見て、萌え萌えしてたけど。


「なんかごめん」

「悪いと思うなら責任をとってください」

「え?」


 責任って?


「えっと……その、今夜は……一緒に寝てください」


 はい?


「ダメ……ですか?」


 何この可愛い生き物。


「ダメじゃないけど」


 天界人の天敵、ホラー説。今度アイリスで試してみよう。


 この前は一緒の部屋で寝ただけだったが、今回はクルの方から俺の布団に潜り込んできた。そんなに怖いのか?


 どうしよう、意識したら眠れなくなってきた。


 結局、その日は一睡も出来ずに朝を迎えたのだった。

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